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常世の君の物語No.5:銘信

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平安時代、長門の町を舞台に、源平合戦のかたわら、ひっそりと咲いた恋の花があった――。
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2024年7月の記事一覧

第四章:伊織

夏の夜、空気は生暖かく、そこここで虫が鳴いている。 その虫の鳴き声に耳を傾けていた伊織は…

第三章:落人

この頃、世の情勢は大きく動いていた。 東の果てで旗を揚げた源氏が、平氏を打ち倒したのであ…

第二章:九星

九朗は、舞に見とれて動かない兄をほっぽって、長門の町はずれのある廃寺まで足を延ばしていた…