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丸投げって悪いことじゃないんだな 『任せるコツ』を読みました

自分も相手も楽になる正しい“丸投げ”

この本を手に取ったのは、激務だった3月、自分のキャパの限界を感じる瞬間が多くあったことがきっかけです。自分をキャパオーバーたらしめているのは、本当にやるべきことに集中するということ、自分以外のメンバーを頼ることで自分以外のリソースを使いながらチームとしてアウトプットを最大化できるかの2つが課題と思いました。
1つ目の課題には「エッセンシャル思考」を、2つ目の課題のために手に取ったのがこの本です。

僕は人に頼るのが苦手です。忙しくなった時も、本書の帯にあるように「自分でやった方が早い」という考えが先行しがちで、結局最後には自分の首を絞めてしまう。わかっちゃいるけど、この繰り返しです。
だから、この本を読む時には、「どう頼むか」「誰に頼むか」というフェイズよりもっと上流にある、誰かに頼むときの「自分でやったほうが早い」の心理的な障壁を打破するためのの方法。この本に求めてたのはその思考の習慣を変えるきっかけです。

その目的意識を前提として、この本の中で気づきの得られた箇所をいくつか紹介します。

任せられることのメリット

まず紹介するのは、丸投げのメリット一覧にしたもの。
注目したいのは最初の3つです。誰かに任せることは、任せる側が楽をする=悪いことというイメージがありますが、そうではない。任せられた側にもメリットがあるということを自覚しておくことは、任せることに対する心理的なハードルを下げてくれそうです。
自分でやっちゃおうか、いや誰かにお願いしようか・・・そう迷ったときは、このリストの最初の三つを思い出したいと思います。

丸投げのメリット
・成長を促すことができる
・主体性が高まり自分で考えて働くようになる
・モチベーションが上がる
・この成長の積み重ねで組織全体を強化することができる
・丸投げした側に時間ができて、マネジメント業務に集中できる

100点じゃなくてもいい

これは本書からの引用ではないですが、「人に任せる」ことについて読みながら、何で自分は人に任せるのに躊躇いがあるんだろう、と自問自答してみました。
そしてたどり着いた現時点での答えは、自分の方がクオリティ高くやることができる、という過信と、100点のアウトプットを出さなくては、という完璧主義だと思います。
それで首が回らなくなってしまって、結果いつもと同じように自分が苦しくなるだけなんです。いつもそう!いい加減に学べ!

任せる時の気の持ちようとして、100点のものを求めない(自分も出せるわけじゃないし)。1回やってもらって、フィードバックしながらチューニングすればいいだけ。
完璧主義から抜け出すことが、任せ上手への近道ではないか。と思っています。

「自分でやった方が早い」は、もはや罪

そして、これはちょっときつめの教訓。「自分でやった方がいいや」の思考は、苦し紛れ&その場しのぎにはなります。
ただ、中長期的なスパンと、持続可能な組織の観点から見ると、マイナスでしかありません。本書では「成長の機会を奪う」、「罪」とさえ書かれています。
自分にとってのイージーな選択が、誰かの成長を奪っている。そう思うと、誰かの力を借りない手はありませんね。

仕事を任せずに抱え込むことは、長いスパンで見ればメンバーの成長の機会を奪い、組織としての総力を高めていないことになります。

自分でやった方が早いというのは、育成を無視し組織を弱体化させる罪です。

この本のまとめ

任せることは、いいことだらけ。むしろ「自分でやった方が早い」はエゴイスティックな罪である。
本書からの学びを一言でまとめるとこうなります。
この「人に任せる」というのは、きっとこの先も5年以上は向き合うことになる課題だと思います。またいつか再読した時に、今より少しでも進歩があればいいなと思います。

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