IR担当役員がインサイダー取引の疑いだそうです・・・
A b a l a n c e 株式会社の元IR担当役員がインサイダー取引の疑いで東京地検の特捜部に逮捕されたと報道されています。
最初、「IR担当がインサイダー取引って噓でしょ?」「インサイダー取引しないように社内に注意する立場なのに・・・」と耳を疑いましたが、情報を見てみると「うーん・・・」でした。
どんな人?
所属会社のプレスリリースを確認しました
氏名等は報道にまかせるとして、経歴を調べてみました。役員なので経歴が紹介されていると思い、会社のホームページを探してみました。
まず、今回の元所属会社のお詫びのプレスリリースです。
さらに、調べると経歴がありました。
東京証券取引所に所属した後、民間会社のIR担当を歴任しているようです
私と同じ60歳のようです。(私も1986年に入社しました)
日動火災海上保険株式会社に入社し、4年後の1990年に東京証券取引所に転職しています。
その後2013年以降は民間会社のIR担当を歴任しているようです。
2013年10月:株式会社FPG広報・IR部門責任者
2015年5月:株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー広報・IR部長
2015年9月:株式会社日本證券新聞社取締役
2017年11月:株式会社ハウスドゥ執行役員COO経営企画本部長兼 広報・IR部長兼事業戦略室長
2018年9月:ケイアイスター不動産株式会社 執行役員経営企画本部長 広報・IR部門統括
2021年2月:株式会社Zaif(現株式会社カイカエクスチェンジ) 経営企画室長兼暗号資産審査室長
2023年1月:A b a l a n c e 株式会社 執行役員 IR広報室長兼経営企画室長
2~3年で会社を異動しています。
同年代の私からすると「あの時期に、良く転職できたなー(転職したなー)」「数年で渡り歩くって凄いなー(良く採用されるなー)」が率直な感想です。
所属会社の株価変動
では、所属会社の株価変動をみてみます。
まずは、今回インサイダー取引の疑いのAbalance(3856)の株価推移です。
確かに、2023年1月にIR担当になってから株価が急騰していることがわかります。
ただし、その後数か月で元の株価レベルに戻っています。
私は触らない(触れない)株価推移です。
続いて、2021年2月から2022年12月に所属してた企業、株式会社Zaifの親会社のCAICA DIGITAL(2315)の株価推移です。
同じく、急騰後に元の株価レベルに戻っています。
さらに遡って、2018年9月から2021年1月まで所属していたケイアイスター不動産(3465)の株価推移です。
こちらは株価変動はありますが、そんなに異常な値動きには見えません。
気になるとすれば2020年5月あたりに急に出来高を伴った株価上昇があるところくらいです。
まとめと感想
最初ニュースを見たときには驚きましたが、経歴と株価推移を見たところ、「うーん・・・」となりました。
まだ、容疑の段階ですので、なんとも言えないですが、「私はお近づきになりたく無いタイプの方」と感じました。
しかも、東京地検特捜部が担当ですので、大きな経済事件に発展する可能性もありそうな気もします。
あと、これだけ価格変動している銘柄だと、インサイダー取引をあぶりだすのは、今の技術なら簡単だと思います。
どんなに他人名義の口座を使おうが取引履歴の異常検知をすれば、インサイダー取引の候補を自動抽出することが可能だろうと思います。さすがに自分の口座ではやっていないでしょうし、複数口座の可能性もありますがそれでもパターンに特徴があると予想されます。
例えば、クレジットカードだと通常の取引と異なるパターンの場合、自動抽出してくれてアラートを出してくれます。機械学習では定番のテーマです。
インサイダー取引の場合、大きな価格変動の前後だけを調査すれば良いので、それほどコストはかからないと思います。(全銘柄、全取引を調査する必要は無いので)
もし、よからぬことを考えている人がいたら、やめておいた方が身のためだと思います。