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身内の争い事 相続関連

身内の争いごとは闇が深い。


御盆なので、久しぶりに実家に帰りました。

母親が苦悩の表情を浮かべていたので話を伺うと

どうやら母の姉夫婦との間で仲違いが起きているとのこと。


仲違いの理由は姉夫婦と長年同居している祖母との間で関係性に亀裂が入っており、数ヶ月前に温厚な祖父が亡くなったことから対立がより深まってしまったようだった。

今回の揉め事のきっかけは、祖母の通帳管理の行き先について。

祖父が亡くなり認知症が進んでいる祖母は、物忘れが酷くなっていき鍵や財布などの重要なものまで何処にしまったか忘れてしまい部屋中探すことが多くなってしまった模様。

実際に医者からも軽度の認知症との認定を受けることに。

そこで姉夫婦は祖母の通帳管理を託させて欲しいとの相談を持ち掛けるも、祖母からは断られてしまい、対立は深まってしまう。

その背景にはそもそも祖母と姉夫婦との価値観に相違があったことが根底にある。

祖母は90歳近いが、昔から一つの職場に定年まで勤めあげた経験があり、働き者であまり無駄遣いもせず後世の為にコツコツとお金を貯めていくタイプであったが

姉夫婦はどちらかというと散財思考で、食事は外食が多く主人は気楽に職を転々としているようなタイプといった形で

両者の相性は良いとは言えず、昔から仲が良い姿はあまり見ていなかったのは私の記憶でも薄々は感じていた。

同居していながらも食事は常に別々、祖父が生きていた頃は姉夫婦も祖父への介護は割と協力的だったようだが、亡くなってからは祖母に対してあまり介護はしてくれず、溝は深まるばかりの関係性になっていた矢先に通帳管理の相談があったものだから、祖母は姉夫婦に通帳を託したくないという気持ちは膨らんでしまっていた。

ある時は、祖母が通帳を何処にしまい忘れたか探している間に、姉夫婦が勝手に通帳を抜き取り残高を確認していることもあったようで、それ以来祖母は姉夫婦に対して不信感が募り、通帳を守る為にも自室に閉じこもりがちになってしまったということである。

また、こうした確執がきっかけとなり、姉夫婦が家から出ていくという話にもなりかけたとのことだ。

ストレスも溜め込みがちになってしまった為、祖母は妹である私の母親にも電話で相談することも増え、祖母からは自分の通帳は妹に託したいとの相談を持ち掛けられたようだが、姉夫婦は祖母と同居しているのは私達なのだから、と祖母の通帳管理を自分達だけでしたがる反応を見せた。

祖母と同じく倹約家である妹は、通帳管理を託すとは言えども元は祖母のお金であるから、通帳管理するなら入出金簿を付けるようにと姉夫婦に要請したが、これに対して姉夫婦は激怒。私達のことが信用できないの?との一点張りで話がまとまらず。

こうした一連の騒動は、どうやら今回のことに限らないようで、以前から同居している姉夫婦と祖母と揉めることはあったようで、その度に姉夫婦が家から出ていくという話も幾度かしていたようだ。

妹である私の母から、今回だけの話ではない姉夫婦との確執について、初めて打ち明けられたということです。


親族との確執は、実に闇が深い。

そして何はともあれ、年を取ってしまっても結局はお金が第一という下心が見え隠れする。

祖母が亡くなると、法定相続分通りで行けば通帳のお金は姉と妹に二分割すする。

しかし、現在祖母に対して実質の介護を行ってくれているのは近くに住んでいる妹であり、祖母も妹が心の拠り所となっているようだ。

このまま妹が二分割で納得するかといえば、そう簡単でもなさそうである。

相続で揉めないためには、遺言書を書いておくのが一番だ。

しかしながら、遺言書を書く本人が認知症になると

なかなかこれが難しくなる。

遺言書は記入しなければならない必要事項が厳格に定められており、それが一つでも抜けていたら遺言書自体無効となってしまうこともある。

相続で揉めそうなら、元気なうちに遺言書を作っておくこと。

そして出来れば司法書士等の専門に確認してもらい、公証役場等で厳格に保管しておいた方がいい。

一旦相続が起きれば、遺言書が無い限りは相続人全員参加での遺産分割協議の上、遺産配分を決めることになる。それまでの間は被相続人の通帳は基本的には凍結して引き出せない。その間仮に返済途中の借金があったとしたら、当然未払になってしまう。

相続は、スムーズに事を終わらせるに越したことはないし、

やはり遺言書があればその通りすれば良いからトラブルを回避できる。


日本人は、お金の話はあまり表立ってすることではないという気質がある。

しかし、一番手っ取り早く終わらせるべき話はお金の話であるとも言えると思う。

特に親族との付き合いならば、長年の付き合いとなるわけで。

近しい人が亡くなったすぐ後に、そんなことで揉めたくないのは多くの人がそうではないだろうか。


人付き合いの大切さを、深く感じた御盆なのであった。


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