読書感想『頭の良さと強い心が育つ すごい虫育児』 竹澤夏央さん著

私が毎日聴いているVoicyパーソナリティのワーママかおさんが、先日Kindleから”虫育児”本を出版されました。

虫、という観点を除いても子育てしていく上で大事な要素が満載だったので、感じたことを書き留めておこうと思います。

かおさん

かおさんは、シングルマザーとして7歳の息子さんを育て、現在はフルタイム勤務をしながら発信もされているワーキングマザーです。

ちなみに”虫育児”とは

虫を捕ったり、虫を飼育したり、図鑑を読んだりと、虫を活用した子育てのこと

と書籍に書かれています。

私が本を読んで感銘を受けたこと

私がこの本を読んで一番感じているのは、どれだけ親が子供を観察できているか、これに尽きるのではないかと思います。
 かおさんが最初に息子さんの虫への興味を発見したエピソードとして、ディズニーランドに行った時の話をされています。息子さんは、パレードそっちのけで、蟻さんを観察していたとのこと。

私は、正直言って息子が同じことをしていても、見過ごしていたかもしれないなと感じました。なぜなら、「折角ディズニーに来たんだから楽しんでよ!」「私もパレード見たいよ~」という想いのほうが先行してしまい、何とかして興味を逸らせようとしたのではないかと思いました。
 また、夫は費用対効果重視派なので、娯楽にお金をかけたら、それ以上に元が取れないと「損をした」と感じる思考です。同じ場面に遭遇したら、恐らく私以上に息子にイライラしているのではないかと容易に想像がつきます。

かおさんの魅力は、息子さんの姿に『好き』を発見し、その『好き』を伸ばす努力をされているところにあると思っています。

概要とオススメ

書籍では、第1章~第6章+2つの巻末対談にわたって、虫育児エピソードが展開されています。
ざっくりと…

 虫育児のこと
 現代を取り巻く状況
 虫育児のメリット
 虫博士の誕生
 好きを見つけて伸ばすコツ
 虫育児のススメ

のような項目建てになっています。

勿論、全部の内容が子育てママには心に響くと思うのですが、特に私がオススメなのは、やはり「第5章 子どもの『好き』を見つけて伸ばすコツ」です。
 ここにも書いてありますが、多くの育児本に「子供を観察することが大事」と書かれています。そして知識として知っている方も多いと思います。だけど、毎日の家事と育児、それに加えて仕事や人付き合い、社会活動等々していると、あっという間に日常が過ぎていきます。そして、埋もれていくのです。
 かおさんの書籍では、『好き』を広げる工夫などが具体的に書いてあり、彼女の試行錯誤も書いてあります。悩みながらも現在進行中で育児をされていて、且つ等身大の姿を描いているところが、とても魅力的だと思います。

かつての自分へ

私は、現在は4歳男児を育児中ですが、かつては娘を育てていました。親権を譲って離婚をしているので、現在娘とは離れて暮らしています。精神的に全く余裕のない育児だったので、今思うと彼女のことを全然見ていなかったのでは、と反省しかありません。
 だからこそ、私はこの本を、かつての自分に贈ってあげたいです。

娘は今年の4月から大学生になりました。幸いにも、小学生の時からずっと好きだった数学の道に行くことを決心し、無事に大学にも合格し、進学をしています。
 私が彼女の育児中に感じていたのは、常に正解を探して不安だらけだったということです。夫にも頼れず、”3歳児神話”信奉者だった義母からは、事あるごとに「保育園に行かせてかわいそう」「フルタイムで仕事するなんてかわいそう」「学童に行かせるなんてかわいそう」と否定をされていました。
 当時はまだ今のように共働き世帯も多くなかったですし、ネットワーク環境もSNSもようやく出てきたかな?くらいでした。情報もあまりない中で手探りしながら、理想はあるけど”出来ない自分”を毎日のように責めていました。

この書籍は、そんな不安を一気に払拭してくれる一冊ではないかと思います。
 子育てに何が正解かなんて結局は分からないですし、子供の個性もそれぞれ。その中で自分が子供にどう向き合っていくのか、そのヒントが満載の本だと思います。
 最後に、かおさんは息子さんへ向けて、「博士へ」としてメッセージを向けています。私が涙しながら読んだのは言うまでもありません。


最後までお読みいただきありがとうございます。



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