「Swallow」と梅酒

観たよー、Swallow。

最近primeで観えるようになったので早速観てみた。

「ツバメ」のスワロウではなく、「飲み込む」を意味するスワロウらしい。

ヘイリーベネットが演じるのは、誰もが羨むような完璧な暮らしを送るハンターという名の主婦だ。しかし夫のリッチーはハンターに対して関心を持たず、義父母からは蔑ろにされていたことから次第にハンターは孤独を感じ、どんどん精神が不安定になっていく。そんなハンターはプレッシャーや不安を解放する術として異物を飲み込むようになっていったというお話。

夫と義父母との食事中、飲み物に入っていた氷をボリボリ食べ始めたことを皮切りに、ビー玉、画鋲、乾電池、土などを飲み込んでいく。

所謂、異食症。
あんまり聞かない病気だよな。
この映画のテーマのうちの一つではあると思うけど、そんな珍しい病気のことを伝えたいだけの作品ではなくて。
自分達の身近にも起こりうる普遍的でささいな問題が積み重なるとこんなにも恐ろしい結果を招くことになる、ということを映画全体で表してるのではないかと思う。

痛みながら傷つきながらも飲み込み、排出することで自分を取り戻していく姿。

改めて「他者からこんな風に見られたい」だとか「こうあるべき」みたいな思想って、ほんまに邪念でしかないなと思った。

その気持ちが良い方に転がることもあるかもしれないが、自分の経験上、そう思う気持ちが強ければ強いほど空回って失敗している気がするのだ。

この物語でもそうだ。
夫であるリッチーや義父母に言いたい。
配偶者はアクセサリーちゃうぞこのボケナスアンポンタンと。

憧れや羨む存在がいるのなら、「あんな風になれたらいいな、ま、今のままでもええけど」くらいに留めておくほうがよっぽど楽だし、自分を愛せる近道だと思っている。

異物を飲み込むことで快感を得て、心の安寧を保っていたハンター。自衛するために逃げ、過去と向き合い、一新した自分と共に生きる。ハンターよ、貴女はなんて逞しく美しいんだ。

ストーリー以外のことでいうと、そもそもの世界観が素晴らしいし、カメラワークとビビットな色彩がとても良かった。

メインビジュアルがもう既に鮮やか!
焼鮭にマゼンタのインクブチ撒けたみたいなピンクと、ラムネのようなシアン。

ビビットなんだけれども、ただ鮮やかでカラフルというわけではないのよ。

いや、ああいうのをカラフルというのか?

うーん、自分の感覚的には、「カラフル」という言葉を聞くと、たくさん色を使ってる〜とか虹っぽい〜と思うだろう。

そういうカラフルじゃなくて、絶妙な色と絶妙な色が隣り合わせに並ぶことでその2色がひとつの雰囲気を表す色になるみたいな。意味わかる?うん、なんかな。ようわからんけどまあそんな感じよ、ちょっとわかるだろ。わからんか。

幻みたいな景色が一望できるロケーションの家も良かった。まあお金持ちであることが容易に理解できるような豪邸にお住いの様子だった。水辺の家だったので、こんな家津波来たら終わりやんと思ったが、そんな現実は映画には不要なのだ。余計なこと考えるな。

正直、期待値が高すぎたせいか全体的に少し呆気なく感じてしまった。90分の映画は余韻だけ残してそそくさと去っていくことが多い。置いていかんといてくれよと思いつつ、これくらいがちょうど良いんだろうと自分を納得させる。

てな感じで簡潔にまとめたけど、ハンターが妊娠したり、精神病院がどうのこうのとか、ハンターの母の過去が明らかになったりいろんなことが起きるので是非観てみてね。

ところでみんなは最近なんしよん?

おいらは梅酒を漬けたよ。
楽しみはできるだけ増やすようにしている。
そんなちまちました延命作業を繰り返して今までなんとか生きてきた。
きっとこれからもそうして生きていくんだろう。
ひとまず来年が楽しみだと思える要素がまた一つ増えた。これはよろこばしいこと。

ひとまず直近の楽しみは自分も出演させていただく弾き語りライブです。
親友がいたり、もっとじっくりお話ししてみたい人がいたり、はじめましての人も。

性格、口、顔面悪いコミュ障という最低フルコンボだドンなおいらですが、どうにかして友達4千万人作ろうと思います。

本音は楽しみより心配が少し勝っとんやけどな。

皆さま今日からまた仕事ですか。早よ寝ようぜ。

おやすみなさいませ。

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