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Préparation【S-4】 母の味、ばばの味 

先のイントロダクションでも示した通り、下記の3つの項目について書き溜めていく。
【S(aggese)】今後も残したい習慣、風俗、風習、あちこちのお母さんやお父さん達から聞いた生活の知恵をエピソードと共に残す
【S(ante et )B(eaute)】食養やセルフケアに関する情報をまとめる
【N(ouveau)】起業に関するアイデアの素

思い出のおやつ、思い出のご飯。
 また食べ物の話。
 何故、子供の頃の記憶というのは、遊びか食べ物なのだろうか。割と色々と、生々しく記憶しているにも関わらず、脳みそから内因性オピオイドがブシューっと出るのは食べ物の記憶が多い。
 N氏のお祖母様であるが、蒸しプリンも作られたとか。生まれは明治か大正のはずだが、いつ洋菓子の作り方をマスターされたのだろう?また他にはどんなものを作られたのか。

 「温かいうちのプリンも美味しいよね。」
 
とN氏。違う家で育ってるのに、同じ思い出があるのは変な感じだ。同じ時代を生きている事の成せる技なのか?それともある意味よく似た家庭環境で育ったのか。
 
濃厚で硬め、冷えた後は表面の色が濃くなりがうっすら硬い。容器の内側の縁をスプーンで押して皿にひっくり返すと、カラメルで茶色く染まったプリンの頭が現れる。卵とバニラの香りがしっかりしていて、カラメルは容赦なく苦みのある大人の味だった。うちはユーハイムの陶器のプリン容器をリユースして使っていた。そして、母のレシピは堀越フサエ先生のものらしい。子供の頃、母のレシピノートが本棚の隅にしまってあったのを見つけてからは、何度か開き見た記憶がある。先日このレシピノートを譲って欲しいとお願いした際、自分のノートは捨ててしまったので堀越先生の本を古本で探せと言われた。”調理実習”という名前の本を出してらっしゃり1巻と2巻からなり、2巻はすぐに手に入った。しかし、2巻にはプリンは無かったので、恐らく1巻に載っているはず。しかし古本が出回っておらず、手に入らない可能性も高いので、母が元気なうちにレシピを聞き出さねばならない・・・。母から直接習い聞いたレシピの方が、書籍として印刷されたものよりも大切に思えるに違いない。

 N氏は、料理をはじめ何かとお祖母様のお手伝いをしていたそう。「手伝いをさせられた」と表現していたが(ちっとも嫌そうではない)、三世代同居家族?だからこそ受け継げるものがあったのだろうなとも思う。
 
 うちは各家族だった上、常に入院患者さんがいて家に縛り付けられていたので(産婦人科の自宅開業)、お出かけもまれ、住居は3階で窓の外には空しか存在しておらず、一般的な家庭とは違う生活環境だった。典型的な商家の作りの母方祖父母の家とはよく行き来していたので、縁側や庭、沢山の部屋、勝手口などの経験は出来たが。また、祖母はうちの庭の一部で畑を作り、採れたての野菜を食べさせてくれた。特に完熟とれたてのトマトを絞ったジュースは美味しくその一口でトマト嫌いがトマト好きに変わったのだっけ。今とは違いどのお野菜もその野菜独特の味がして美味しかった気がする。
 祖母の味はちらし寿司や赤飯などのハレの日の祝い飯。母の味はクリームコロッケとマカロニグラタン、そしてプリン。父の味はタンシチューと冷凍のフカヒレスープである。笑。

母から教わった蒸しプリンのレシピ。分量は大体こんなもんらしい。
火加減が肝要とのこと。

(プリン液)
卵(M) 4個
牛乳 500㏄
砂糖 70g
バニラエッセンス 少々
(カラメル用)
砂糖 50g
水  大さじ2
お湯 大さじ1

  1. カラメルソースを作り、先に容器に入れて冷やし固めておく。

  2. 牛乳と砂糖を火にかけ、温める。熱くしすぎないこと。

  3. 卵を割り、溶く。

  4. 2に、3とバニラエッセンスを混ぜ、濾す。

  5. 等分に容器に入れる。

  6. 蒸し器を十分沸騰させて、そこに容器を並べ20分ほど蒸す。火加減が強すぎるとすが入るので注意。

  7. 楊枝で刺しても、何もついてこなければ蒸し上がり。

ヴィーガン仕様のプリン様のスイーツもご参考までに。


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