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Valkyrieクライマックスイベント「レゾンデートル」が良すぎた話

皆様イベントお疲れ様でした。私は無事にMusicもBasicも完凸しました。コツなど知らんとばかりにひたすらダイヤを砕きサンドイッチを貪り食いながらサイリウムをブン回しました。楽しかった。ではなく。
タイトルの通り、今回のクライマックスイベントとして繰り出された『Remplacer*語る人形とレゾンデートル』があまりにも良すぎたので、宗誕→アルバム→みか誕の怒涛のスケジュールが開幕する前に一旦まとめて置こうと思った、そんな記事です。

いや本当によかった・・・

あくまでも私の解釈であり、今後の状況によってそのあたりは変わっていくと思うので、一先ず今の時点で、の事になります。
いつものようにちょっと分類分けして喋っていきたいです。

以下、『Remplacer*語る人形とレゾンデートル』のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。




①事実≠真実・真相であるということ

まずはこれ。あんさんぶるスターズの文脈はかなりこれである事が多い。キャラクターの口から語られた事実はあくまで「そのキャラクター」からすれば、というだけであり、真実や真相とは限らないというもの。
真実であると信じていいのは誰の目線でもない地の文のみだが、キャラクターのセリフによって進行するこのコンテンツにおいては誰目線でもない地の文など存在しないに等しい。つまり状況と、そのキャラクターの立ち位置と、関係性をすべて加味して推測することでしか真実の一端を垣間見ることはできないのだと思う。とても楽しい。
それを踏まえた上で今回のレゾンデートルを読むと、一番わかりやすいこの式が当てはまる箇所は『祖父が語ること』になると思う。

「戯れの優勝者に遺産を渡す」→「優勝というのは建前、既にふさわしいと見定めた者に、適切に遺産を分配するようにしてある」という形が、もうすでに事実と真実が異なっている。
そして『ラファエロ』なる隠し子が居るというのは、あの状況下では強ち間違いではなかった。エピローグまで読み進めて初めて、ここもそうだったのかと気づいたけど、あの人形が二人の子であるなら、つまりあの人形はラファエロなる隠し子という事になる。間違ってはいない。ただ真実かどうか定かではないというだけで。

もっとライトな点(もちろんご人達にはとんでもない事だっただろうけど)では、プロローグの時点でみかが「卒業後も星奏館で暮らす」と告げて、そのつもりであったのは事実だが、「宗と暮らしたくないのではなく、寂しいからという理由だけで宗と一緒に暮らそうとするのは我儘だと思っているから星奏館で暮らす事を選んだ」という、宗からすれば「それを口に出せ」であるし、私からしても「それを口に出せ」である真相が含まれている。

全然迷惑には思われないということをみかはわからない

今回の事例で、最もそれが効いてくるのは「名無しの少女」中の歌劇『レゾンデートル』の解釈と祖父の語った内容の差異だろう。

宗は「問い詰めて真実を語ってもらった」と言うが、祖父が真実を語ったかどうかは祖父にしか判断できない。
確かに祖父がフランスへ留学中、女装をして出歩き、当時細々と作品を作っていた大家と出会ったのは事実であり、祖父がその作品になかば強引に価値を付与した事で、大家が作品を生み出せなくなったのも事実である。そして2人はその後各々家庭を持ち今に至り、祖父は孫を、その大家が管理する物件に住まわせている。
これらの事実には「祖父と大家は同性として出会い、友人となって、紆余曲折はあったもののそれぞれが己の道を歩んだ結果、今でも友人の関係が続いている」という解釈がなされた。そこには同性の恋愛も異性の恋愛も何もなかった。ただ友人同士の好意であり、隠し子が入り込む余地など無かったというものである。

しかし作中のあらゆる人の発言と状況が、それが即ち真実ではない可能性を示している。勿論決定打はなく、あくまでも可能性に過ぎない。何故なら当事者である祖父と大家が自らの口で、少なくとも我々が見える範囲では「そうだ」とも「そうでない」とも語りはしなかったからだ。歌劇を全て見ての祖父の解釈も我々に語られる事はなかった。
加えて、祖父がラファエロの口を通してみかに語って聞かせた事はまず間違いなくみかから宗にも伝聞の形で伝わっている。だがみかがラファエロを通して祖父に話した事は、祖父はおそらく宗に告げてはいないのだろう。
あのみかを歪んでいると称した一連の遣り取りは、祖父が宗へ真相を話す際にいくつかの真実を間引く要因になったのではないだろうか。

最後にみかが挙げた可能性も、真相は不明とされながらもかなり肉薄しているのだろう。それは宗自身の作中の発言を根拠の一端とできるように思う。

論理の宗と直感のみか 良…

この辺のそれが全体を通してかかってくるのかもしれない。

真相も真実も不明だけど、だからこそ今回の話の『真相』はたくさんの余地が生まれるのが私はとてもいいなと思った。本人達が真実を仕舞いこみながらも、ほんのちょっとだけその可能性を思わせる演出が読後にとても染み渡る。語られているままが真相であり、他の可能性についてはただの邪推に過ぎないパターンも当然あるだろう。
何が本当かは本人達にしか断定は出来ないが、この「名無しの少女第十話」とエピローグの宗の台詞が「それでもいい」と思わせてくれる。

好きだ・・・・・・・・

②祖父と大家と『MADEMOISELLE』、青年"僕"と人形師"おれ"、宗とみか

今回描かれた主な関係性には、すべて『あなたが好き』という愛があったと思っている。その愛に名前を付けようとすると友愛、親愛、師弟愛、家族愛、性愛、等々。時に名前を明かしながら、同時に忍ばせながら、あるいはあえて付けない状態での愛の形を見せてくれていた。

祖父と大家については前述の通り。祖父が女装をして街を謳歌している時、出会った大家に、アリバイのために作ってもらったとはいえ半身と言っても過言ではない人形『MADEMOISELLE』だが、『彼女』は同時に当時の大家とお友達になった『張本人』でもある。祖父がいつ自分が実は男であり、人形を作って欲しいと頼んだか(あるいは大家が自発的に制作したのか)は定かではないが、それでも確かに大家と『MADEMOISELLE(祖父)』の二人は友人であった。曰く、大好きな同性の友達であった。

『あなたが好き』

歌劇の作中に出てきた"僕"と"おれ"は、意図的にそんな祖父と『MADEMOISELLE(ラファエロの母)』の関係性をぼやかしている。実際に『MADEMOISELLE』であったのは祖父だが、宗が"僕"を演じることで、斎宮の親族一同は当然のように"僕"のモデルが祖父だと考えるだろう。そんな"僕"は『MADEMOISELLE』が実は男性の"おれ"であると知らないまま恋慕の情を抱き、反対に"おれ"は同性である事実を知っている状態で"僕"に恋をした。
情勢もあり、結ばれることはない。見ている観客はそれを知っている。祖父への疑惑は『お葬式コンテスト最優秀賞』という形で晴らされた。けれど同時に観客は、その後"おれ"とされる相手に何があったかはわからないが、確かに初めて愛した"僕"に、それが身を割く事だったとしても伝えたかったのだろうと察したのではないだろうか。愛した相手は同性で、でも異性でもあった。どちらにしても、伝えたかった。

『あなたが好き』

そんな"僕"と"おれ"を演じた宗とみか。今回、ふたりの会話ではとても多くの『あなたが好き』の色が見て取れた。
来年度からはまた一緒に住むのだと楽しみにしていた宗といい、宗の邪魔になるくらいなら自分なんか要らないと言うみかといい。勿論これまでも多く「ほんと君たちはお互い大好きだな…」と言いたくなることばかりだったが、今回は相手のそれをみとめる動きもあったように思う。

ほんまそれな
ちゃんと自覚が出てきた

エピローグを踏まえると、宗はどんな瑕疵があろうとみかの事を大切に思っているし、みかは昔から宗のためなら己の全てを擲っても構わないと言い切れるほど宗の事を大切に思っているが、今回は擲つと宗が傷つくと理解した様子があるのが私は嬉しかった。

また今回、宗はみかの事を「いろんな意味で僕の身内」と言ったが、一族の話しあいの場にはみかは参加できなかったように、こう言うと語弊があるだろうが「実際の身内(家族)」ではない事も示されていた。

他人とばかり暮らしてるというみかに対してこう語った宗
せつない。この後のみかの「……」が沁みる。

だがそこからエピローグを読めばどうだろう。
季節は変わり、新社会人となったプロデューサーから国際電話で連絡を受けている宗の隣にはみかが居た。「麗しき花の都よ」から続けられた宗の言葉は、プロローグでそれを楽しみにしていたのが叶ったと取ってもいいのではないだろうか。

エピローグで語る『ここで』

勿論決定的なみかのセリフ等はないが、私はこれまでに散見された「一緒に暮らすこと」の着地もここにあると思っている。祖父が用意した報酬は、なんとなく、宗だけでなくみかの分も含まれているのだろうなとも思った。

かつて宗は「君など居ても居なくてもどちらでもいい」と言った。
みかは「おれはお師さんの『いちばん』にはなれへん」と言った。

今はどうですか。聞くまでもないけど一応聞かせてください。

好きだ・・・・・・・・

③今後の二人

クライマックスの名を冠するに相応しい着地をした二人。同時にあまりにも綺麗な着地で今後何かが起こる余地があるのか??とすら思ったが、読み返してみると確かに不安要素も所々残ってはいる。

1.みかの歪さが健在であること

あまりにも純粋で歪

以前ここ好き記事でも語ったけれど、確かに自分が宗に大切にされている事は自覚したようだが、根本的な【自分<越えられない壁<宗】の図式は変わっていない。宗のためなら本当に何でも出来てしまう。

この辺りを聞いて、祖父がみかの心理を垣間見た可能性も

ただ今回のエピローグ後は少し認識を改めている可能性も高い。何せエピローグでみかが言ったのは「お師さんがおれを愛してくれてるように」なので。愛してくれていると自覚しているのなら、かつ、それまでのやり取りで自分が汚れると宗まで汚れてしまうという認識も持てたので、以前までよりは比較的安心できるかもしれない。
勿論その歪なところはみかの魅力のひとつでもあると思っているので持ち続けて頂いても何ら構わないが、それはそれとして…心配なので…みか…自分を大事にしてくれ……(´・ω・`)

2.宗の執着がみかに向いていること

これは紅郎となずなが作中で語っていた。

確かにそう。昔から過保護な面はあったが、今それがすべてみかに向いている気がしないでもない。

だがこれは直後の紅郎のセリフから杞憂であるとも取れる。昔みかが家出した際も、誘拐騒動で夏目を抱えて迎えに来た際も何だかんだ行動して回収(?)していた。そう考えると、今の柔軟さも備わった宗なら何とでも乗り越えられそうにも思えてくる。今回も同様に夜の街路で座り込むみかを見付けられていたので、何だかんだ大丈夫そうではある。良かった。
大丈夫であって欲しい。


挙げてはみたものの、外部からの干渉が無ければこの二人は特に問題なく問題を解決できそうな気配がして安心した。
外部からの干渉が無ければ…… 誠矢さん本当にカモフラですか?神父の情報をみかに渡してたけどそれ回収しなくて問題ないですか??ゲパ、神父はもう大丈夫か???

干渉がない事を祈りたい。


おわりに

イベストを読んだ後にMVを見ると、Acantheとエルミタージュの時と同様にまた印象が変わってくる。是非読み終えた後にもう一度MVを鑑賞する事をお勧めしたい。

だいすき・・・・・・
本当に最高のイベントだった。有難うをしたためて運営さんにメールを送ったがまたしても怪文書みたいになった。ごめんなさい。

24/1/28追記

来ましたストーリーのポイント
良すぎてびっくりした 本当にありがとうございました

ひえ……


この後の宗誕とみか誕、フィーチャー2の宗と特効のみか、そしてアルバムのソロを心待ちにしながら枯渇したダイヤを回収していきたいと思う。というかアルバム発売記念のプレイリスト投票3曲選ばないといけないんですか?正気か?全部入れてくれ。無理。それはそう。

『Remplacer*語る人形とレゾンデートル』
本当にありがとうございました!!だいすきです!!!!

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