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【LAA】オフシーズンのエンゼルスの現在地(投手編)

こんにちは、noteに苦戦しつつも楽しいなと思っているKengelsです!

前回は野手の現有戦力について概観しました。

今回は投手について、エンゼルスの現状と補強課題をざっと見ていきます!内容は全て1/11時点のものです。
前回より文章量を減らしましたがそれでも短くはないので、先発/リリーフ片方からでも見ていっていただければと思います🙌

それでは早速行きましょう!

1.先発投手

(1)現状

○昨季からの動き
OUT Noah Syndergaard (シーズン中トレード)
OUT Michael Lorenzen
IN Tyler Anderson

○現在の先発ローテーション
1 大谷翔平
2 Patrick Sandoval
3 Tyler Anderson
4 Reid Detmers
5 José Suarez
6 ?(Griffin Canning/Chris Rodriguez/Tucker Davidson/Chase Silseth/…)

現在6人制ローテのうち5人はしっかり埋まっているため、6番手が関心事になります現状だと候補はCanning、Rodriguez、Davidson、Silsethあたりになりそうです。

ただし、前2人は、怪我明けなのが懸念点です。2人ともキャリアを通して怪我に悩まされてきており、Canning, Rodriguezともに2021年の夏以降メジャーで投げていません。
両投手ともポテンシャルはあるものの、怪我明けでそれが発揮できるか、そしてシーズン通して健康でいられるのかは不透明で、コンテンダーとして戦っていきたいチームのローテを最初から任せるのはなかなかやりにくいです。

そして後ろの2人はメジャーでの経験も少なく、いきなり先発ローテとして計算するのは心許ないように思います。Davidsonは昨季12試合に登板して防御率6.75、Silsethは昨季7先発で防御率6.59でした。
他にJhonathan DíazDavis Danielもいますが彼らも同様です。
なお、Davidson以外のここまで挙げてきた6番手候補にはマイナーオプションが残っています。

そのため、先発はあと1人補強するべきだと思います。

(2)獲得候補

ここからはその獲得候補について見ていきます。
以下がまだ残っているFAの先発投手と、その来季の予測成績です。

現在もFAの先発投手

現在もFAなのはWacha, Duffy, Greinkeらです。

正直なところ、残っているFAにはもう成績を期待しにくい投手も多いです。そうなるとトレードで好先発を獲得してほしいところですが、余剰戦力やマイナーの層が薄いエンゼルスがそれをするかは未知数です。
ただし、もしトレードで好先発を獲得できなくとも、上の3人のようなローテの一角を任せられるくらいの先発をFAあるいはトレードで獲得できれば及第点だと思っています。

その理由は、補強資金等に限りがあるという前提のもとで、①現状の6番手候補からはアップグレードになるため②現状の1-5番手がある程度十分な布陣だと思っており、先発以外の補強が必要なポジションにもリソースを割いてほしいためです。

②について、現在のエンゼルスの先発1-5番手は昨季の防御率2点台が3人3点台が2人となっています。実績の少ない若手が多く不振に陥る可能性もあるという見方もできるものの、逆に年齢による劣化のリスクは小さく、また伸び代にも期待できます。

以上のことから、リリーフ、ショートにもある穴を埋めて総合力を上げることが勝ちの上乗せに最もつながりそうに思います。

ただし、もし補強資金が逼迫していて、リハビリ中のCanningRodriguezの状態が良かった場合には、彼らを6番手としてやりくりするのもありかもしれません。健康なら能力はありますし、大谷投手が6日に1回登板する予定なので、他の先発も多めに投げればオフの日との関係で6番手の登板回数を減らせます
しかしながら、1-5番手のうち誰かが怪我や不振に陥る可能性も少なからずあるため、やはりFAあるいはトレードで1人補強するのがベターです。

2.リリーフ投手

(1)現状

続いてリリーフ投手についてもざっと見ていきましょう。現状ブルペンは以下の通りです。

○昨季からの主な動き
OUT Raisel Iglesias (シーズン中トレード)
OUT Archie Bradley
IN Carlos Estévez
IN Chris Devenskiなどマイナー契約

○現在のリリーフ陣
右投手
-Jimmy Herget
-Ryan Tepera
-Carlos Estévez
-Andrew Wantz
-Jaime Barría

左投手
-José Quijada
-Aaron Loup

-?(現状Zack Weissか?)

現状では、8枠のうち7枠は一応埋まっていると見てよさそうです。
ただし、7枠のうちの例えばLoupの昨季の内容は期待を下回りましたし、Wantzはまだ1年活躍したにすぎず、また確固たるクローザーもいません
そのためブルペンは十全な陣容とまではいえず、もし補強がなければ誰かが怪我や不振になったときに機能不全に陥りうると思っています。

そのため、昨季のような崩壊を高確率で免れるためには、セットアッパークラスをあと1人獲得できるとかなり頼もしいです。実際にエンゼルスがそうするかは別ですが、ブルペンは野手や先発投手以上に改善したいポジションだと僕は思っています。

(2)獲得候補

現在もFAのリリーフ投手(来季予測WAR0.1以上)

リリーフはFAにセットアッパークラスが何人か残っていますが、個人的に獲得してほしいのはまずMatt Mooreです。

-Matt Moore (LHP)

Baseball Savantより

昨季は74イニングで防御率1.95と活躍しました。与四球はかなり多いものの、その他の指標で非常に高い値を残しています。
昨季はフォーシームの質を改善し、スピンレートは2前年の2278回転から100回転以上増えたほか、前年からグリップを改良したカーブをキャリア平均の倍、実に全投球の40%近く多投しました。さらに右打者に対しては、打者の手元で平均より水平方向へ逃げていくチェンジアップも織り交ぜました。
この結果、フォーシームのRun Valueは前年の+4から大きく改善する-7となり、チェンジアップのWhiff%(空振り率)は45.7%を記録するなど、水準の高い3球種のコンビネーションで打者を翻弄し、三振やソフトコンタクトを量産しました。
2021年以前に目立った活躍がないのは懸念点であるものの、昨季の成績向上には根拠があるといえそうです。

-Andrew Chafin (LHP)
-Michael Fulmer (RHP)

Andrew Chafin              Michael Fulmer

また、2人とも昨季終盤に調子を落としているところが少し気になるものの、Andrew ChafinMichael Fulmerもやはり魅力的です。
2人ともほとんどのシーズンで防御率3点台以下と、キャリアを通して常にハイレベルな活躍を続けています。今のエンゼルスのブルペンには長年活躍してきたベテランが少ないですし、もし加入すれば彼らも非常に大きな力となりそうです。

またリリーフを獲得するのは先発ほど対価がかからないのもあって、トレードによってリリーフを確保するのも十分ありかなと思っています。野手編で触れた通り、Rengifoを放出するなどがあるでしょうか。一例ですが、セカンドが薄い一方でリリーフの層が厚いホワイトソックスのKendall Gravemanなどは、エンゼルスの典型的なターゲットとなり得そうですし目を引きます。

3.まとめ

まとめると、リリーフ>先発≧ショートの優先度で補強が強く望まれると考えています。(このいずれにも大きな穴があるため、人によって優先順位は違いそうです。)

球団売却中にもかかわらずエンゼルスのペイロールはCBT基準で$220M付近に達しており(贅沢税課税ラインは$233M)、ここからさらにどれくらい補強ができるのかは不安も残りますが、少なくとも上の3ポジション中2ポジション以上はしっかり補強がほしいところです。
実際にどうなるか、今後の動向を楽しみにしています!

ここまでご覧いただきありがとうございました!
また2-3月にかけてオフシーズンの振り返りをしていく予定です。それではまた。

[出典]
下線が引かれている箇所にはリンクが付されています。
文中に記載されていない出典に関して、見出し画像はAngels公式Twitter、選手のデータはMLB.com、FanGraphs、Baseball Savantのものを用いています。

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