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妹愛バースト/妹愛インフェルノの変更について

駅メモ!という位置情報ゲームにおいて、新百合ほこねというキャラクターがいます。駅メモとは、一言で言うと、キャラクター同士が殴り合うことで陣取り合戦をするゲームです。新百合ほこねは、妹の新百合うらら(以下、うららちゃんと表記します)のことを溺愛しています。そのため、陣取り合戦において、うららちゃん以外のキャラクターに対しては攻撃力を高め、うららちゃんが相手の場合はHPを回復する、という狂ったスキルを持っています。

そんな新百合ほこねのスキルが、リリースから8年ほど経った2023年8月1日に、突然変更となりました。本稿ではそのスキルの変更内容と、個人的にこの変更の何が不満なのかについて述べていきます。


変更前のスキル

変更前のスキルは、ほこねの攻撃力(AP)に応じてうららちゃんの回復量が決まっていました。計算式は以下のような感じです。

回復量 = ほこねのAP×(1+ATK-DEF)×0.4 - 固定ダメージ

ATK: ほこねの攻撃力増加分
DEF: うららちゃんの防御力増加分

ポイントは以下の通りです。

① 攻撃力に応じて回復量が上がる

駅メモには攻撃力などを高めるサポーターと呼ばれるキャラクターがいます。彼女たちの力を借りることによって、ほこねはうららちゃんの回復量を増加することができます。逆にうららちゃんの防御力が上がると回復量が減ってしまいますが、そこの駆け引きが面白いのです。

② 固定ダメージ増の計算は最後に行われる

駅メモには「軽減不可能なダメージ」と呼ばれるものが存在します。これを固定ダメージと呼ぶのですが、この計算は回復量の確定後に行われます。つまり、回復量が200で、固定ダメージが100であるとき、最終の回復量は100になります。

③ 固定ダメージ減は発動しない

「軽減不可能なダメージ」を減らす方のスキルもありますが、これは回復量に影響しません。たとえば、回復量が200で、固定ダメージ軽減が20であるとき、回復量は220にはならず、200です。(※なお、固定ダメージ増と減が併発している時の挙動は検証してないのでわかりませんでした。)

ということで、変更前のスキルでは、うららちゃんの回復量は、攻撃力を高められる限り際限なく増やすことができました。これは自慢ですが、わたしの自己ベストは以下で、425もの回復をしたことがあります。

変更後のスキル

2023年8月1日の変更によって、下記のようになりました。

回復量 = MAX(うららちゃんの最大HP×0.4, 最大HP-現在のHP)

わざと難しい書き方をしましたが、平たく言うとうららちゃんの最大HPによって回復量が決まるということです。ポイントは以下の通りです。

① 攻撃力を増やしても回復量が増えない

うららちゃんの最大HPによってのみ回復量が決まるため、ほこね側に回復量を増やす方法が(おそらく)ありません。

② ほこねが成長しても回復量が増えない

0.4倍という倍率はほこねのスキルレベルを問いません。本日発表されたバージョンアップをしてもそうです。倍率が変わらないのは変更前からも同じでしたが、これまではAPの増加に伴って回復量は増えていました。それすらもなくなったので、ほこねは自分が成長してもうららちゃんの回復量を増やす方法がなくなってしまいました。

③ うららちゃんがダメージを受けていないと回復しない

ここが一番納得いかないポイントです。

うららちゃんのHPが満タンだと、まったく回復しないのです。実際の回復が発生していないのでそりゃそうといえばそうなのですが、これではただダメージが通らなかっただけと同じになってしまいます。後述しますが、表示上は回復していることにしてくれてもよくない?と思いませんか?

この仕様変更が不満である理由

回復量を増やすために少なからぬ投資をしてきた

運営からしたら知ったことではない話だとは思いますが、わたしはうららちゃんの回復量を増やすことを優先度の第1位にして駅メモを続けてきました。たとえば、攻撃力を25%上げるノーバというキャラクターに12000円を投じたり、

キャラクターの使用可能枠を増やすために9100駅アクセスを目指したりしています。本稿を書いている時点で残り200駅です。

もちろん、ほこねスキル以外にも便益を得ているので、これがなくなったからと言って全て無意味になるわけではありません。でも、こうなることを知っていればこんなにがんばらなかった、というのは間違いありません。

キャラクターの解釈にそぐわない気がする

新百合ほこねのことを8年間追ってきましたが、そのキャラクター像とスキルが一致しているように思えないのです。

新百合ほこねのスキルは、うららちゃんへの愛と、それ以外への排除から成り立っています。仕様変更後のスキルでは、愛は全く成長せず、排除の精神だけが成長しているのです。わたし風情がわかった気になるつもりはありませんが、これが本当に新百合ほこねの本質なの?と疑問を持たずにはいられません。

また、他者を回復するスキルを持つキャラクターとして、ゆのかという子がいます。彼女はリンクに失敗すると相手を100%回復する、という能力を持っています。ほこねの回復量はHPの最大40%で固定です。つまり、ほこねの回復量は、ゆのかの回復量より少ないのです。血のつながりがない子に負けていいのでしょうか?こんなにも妹のことを愛しているのに、かわいそうではありませんか?

回復量に上限を設ける理由がわからない

今回の仕様変更によって、回復量に上限が設けられました。最大HP以上に回復しないのです。(※検証の結果ここはゆのかも同じでした)
これまでは、最大HPであっても、それよりはるかに大きな数字の回復量が表示されていました。実務上、たしかに最大HP以上の回復はしないので、本当に回復した数値以外が表示されている意味は、ないといえばないです。しかし、その考え方に基けば、ダメージ量だって相手のHPに合わせて上限があってしかるべきじゃないでしょうか?最大HPが350の子に対してはどんなに高い攻撃力で攻撃しても実際に減らすことのできたHPは350です。それでも1000ダメージを叩き出したら画面には1000ダメージと表示されます。これが350としか表示されなくなったら、APを高めることを目指す人々にとっては面白くないゲームになってしまいます。以上のことから、回復量についてもHPの最大値を超えて表示してしかるべきだと思っています。

また、あまりたくさん回復できるようになるとプレイヤー間で談合があって不正につながるかもしれない、という懸念もあるかもしれません。しかし、そうだとすると先述のゆのかのスキルはいいのか?という話になるので、これも理由になりません。何か納得のいく理由があってこの変更があったのであれば納得しようと思えるのですが、なんの説明もないので納得しようがないのです。

運営がどうでもいいと思ってそうなことが透けて見える

納得がいかない理由として最大のものはこれです。今回の仕様変更は、突然かつ、新キャラクター登場の「ついで」のような形で発表されました。

わざわざ別でお知らせするほどのものではない、軽微な変更だと思ったものと推察します。うららちゃんの回復に関する仕様が、軽微なものであると考えられているとしたら、わたしにとって悲しいことです。わたしは軽微なもののためにお金と時間を投じていたんだなと思うからです。

もちろん、今回のスキル調整は、ゲームバランスに与える影響が全くと言っていいほどありません。はっきり言って95%以上のプレイヤーにとって、どっちでもいい話なんだと思います。そういう意味では軽微な変更と言っても仕方のないことかもしれません。しかし、どっちでもいいことであるからこそ、キャラクター像を守ってくれるはずだと運営に対して信頼を持っていました。この勝手に持っていた信頼が裏切られた形です。

歯がゆいのは、これを元の仕様に戻すべきであると主張するだけの絶対的な理由はないことです。たしかに、仕様変更前のほこねのスキルは難解そのものでした。冒頭のわたしの説明を読んでも理解できない人が多かったのではないでしょうか。なので、バージョンアップを機会にすっきりさせましょうという判断も、必ずしも悪いものではないと思います。しかし、仮に、ゲームバランスやリファクタリングのためにスキル調整をする場合であっても、キャラクターの個性は活かしてくれるものだと勝手に信じていました。駅メモはキャラクターを愛でるゲームではなくて、より高いポイントを稼ぐために競い合うゲームに変わったんだろうなと思います。わたしは駅メモの顧客ではなくなってしまったのです。

インターネットで騒いでいるだけではなく、問い合わせフォームから意見は送っています。聞き届けられるかもしれないですが、めんどくさいオタクだと思われるだけかもしれません。聞き届けられなくても、文句を言う資格はないと思っています。それでも、もしわたしと同じような考え方を持っている方がいらっしゃれば、ぜひ問い合わせフォームから意見を送ってほしいです。わたしはもう一度送ろうと思います。多くの人が意見を送ってくれたら、もしかしたら変わるかもしれません。

もうすぐ念願だった7両編成になれそうですが、本当の念願は残念ながら叶うことはなさそうです。人生、こういうことがあるから、なるべく多くのものに軸足を置いていたほうが良いですね。

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