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シガールの呼吸 参の型

みなさんはヨックモックのシガールが好きですか?わたしは大好きです。幼少のころからずっと好きで、ヨックモックという文字列を見るだけで、また音声を聞くだけでよだれがとまらなくなります。ヨックモックのお菓子をプレゼントしてくれる人は聖人です。貸したゲームソフトを返してくれなくても、仕事で月50時間残業せざるを得ない状況に追い込んでも、ヨックモックのシガールさえくれればすべて許されるのではないか、と思います。人間が水色を見てさわやかな気分になるのは、ヨックモックのシガールのラベルの色が水色だから、という研究論文もこの世界のどこかにあるのでしょう。あと、シガールの入っている缶の容器もまたステキで、小物入れとしても使えて非常にワクワクします。シガールの入っていた缶を取っておいて、それを眺めるだけで、シガールを食べていた時の記憶がありありとよみがえって、幸福な気持ちになるのです。

リンク先の写真、すごいですよね。金の延べ棒のようです。インディージョーンズも、わざわざ呪いを受けるリスクを負って冒険せずとも3000円でシガールを買った方がいいんじゃないかという気がしてきます。

さて、ヨックモックのシガールと言えば、ちょっと品がないかもしれませんが、口にくわえた時に吸う空気、これのおいしさです。山の空気が美味しいというのは嘘っぱちですが、シガールの空気はまさに至高そのものです。シガールの中の空間のことを至高の領域と呼んでいいのではないかと思います。揮発したバターを吸っていれば、それだけで幸福な気持ちになれます。シガールという名前は葉巻から来ていそうなので、実際のところ吸うのは正しい楽しみ方なんじゃないか、という気がします。

そんなわたしが、最近知ってしまった禁断の秘宝があります。それが、「シガール・オ・テ」という代物です。すなわち紅茶味のシガールです。トロワ・シガールという、シガールの3種盛りの中に含まれています。

わたしがこれと出会ったのは職場でした。定年退職する人に「職場の皆さんでこれを……」と、いただいた品物でした。最初何の味なのかよくわからず、小手調べとして口にくわえて呼吸をしたのです。その刹那、脳内に一気にヨーロッパの王室が現れたのです。ほんの一瞬で、一度も行ったことのない大きな宮殿の中で、真っ白なティーセットで紅茶を飲んでいる貴婦人になったのです。想像上頭の中に現れた、とか言う次元ではなく、”そうなった”のです。「紅茶のシガールだ!」そう認識した次の瞬間には、もう手元にシガールは残っていませんでした。喉の奥からする紅茶の残り香だけが、誰かに奪われたのではなく、ちゃんと自分で食べたのだ、ということを証明してくれました。

一般的なシガールの呼吸は甘いバターの風味ですが、この紅茶味のシガールの呼吸は、より大人な味がするというか、いつまででも吸っていられるような、持続可能性のある味わいがします。まさに、シガールの呼吸の成熟した先にある、一つの到達点を味わうことができる逸品です。ぜひ試していただきたいです。

ちなみにですが、この記事を書くにあたってはヨックモックから1円ももらっていません!もしこの記事きっかけで紅茶味のシガールが爆発的に売れたら、マーケティング担当の方におかれては、わたしあてにぜひ貢物をしていただければ幸いに思います。ご検討のほどよろしくお願いします。

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