ある子の話

リボンを持った子がひとり
広い野原を公園を
まんまるおめめで
吸い込んだ


リボンを持った子がひとり
もういいよ
もういいよって繰り返し
ざあざあ雨に飛び出した


リボンを持った子がひとり
たゆたう綿毛をつかもうと
風をのぼって落っこちた
飽かずぽかんと
風をみつめて


リボンを持った子がひとり

へたくそちょうちょをそっと撫で
風をあつめて駆けてった
どこまでも
どこまでも 駆けてった



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