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プロローグ 本当は嫌いなのに続けている料理
カミングアウトします。
本当は私は、料理が嫌いです。
なのに私は子供の時から、料理ができるようになろうとそれなりに一生懸命やっていました。
母からは「女は男のために料理が出来ないとダメなの。嫁に行ったら恥かくから。」と言われ続けていました。
私が「どうして男じゃなくて、女だけがそうしなきゃいけないの?」
と聞いても「昔から決まってるの!」と反論させて貰えませんでした。
学友同士も、世間も、ドラマ、アニメ、ラジオ・TV番組も「女は料理が出来なきゃ。」と無言の圧力でした。
結婚~母になった時
結婚しても、家でくつろいでいる夫をすぐそばで、「メイド」の私は寝るまで忙しく動いていました。
昔から義務感で料理を作っているので、料理の好きな人に比べ上手になるはずがありません。
そんな私も子宝に恵まれました。長男が生まれました。
初めてのお産、長男が生まれた時、私は当たり前の事に気がつきました。
「私が世話をしないとこの子は死んでしまう。」
とにかくこの子を死なせないようにと、必死に育てました。
マニュアル通りにおむつ替えをして、授乳をして、ゲップをさせてましたが、夜泣きがひどくて睡眠時間は2時間ほど。
ある日はゲップの仕方が不十分で、飲ませた母乳が逆流して窒息しそうになりました。実家にいた時のなので、母が真っ先に気づき助かりました。
そうして神経をすり減らしているうちに、長男が風邪をひきました。
ぜんそくが多い血筋が遺伝したのか、風邪をひく度にぜんそくになり、3歳になるまで入退院を繰り返しました。
ぜんそくにかかる度にたくさんの薬を飲み、食欲もなくなります。
長男は白いご飯が大好きで、ご飯ばかり食べていました。
2人目が誕生。芽生えた食のこだわり
長男が2歳半ばの時に長女が生まれました。未熟児すれすれで、広辞苑くらいの体重で生まれました。
長女はよく飲みよく食べ、8カ月で母乳でなく食べ物を食べたがりました。
ところで私は大して料理が上手でないのに食のこだわりだけはもっていました。私が10代の頃、肥満体型だったからです。高校生の時は70kgはありました。
この子達には私のような思いをさせたくない。
さてそれには……間食を少なくさせればいい。
そして間食を少なくさせるには、3食をしっかり食べさせればいいんだ!
周りの親御さんたちは子供が1歳くらいにもかかわらず、グズればチョコ菓子を与えていました。確かにグズっていたのが速攻おとなしくなって便利なアイテムです。しかし私は自分自身がチョコ中毒くらいにチョコをたくさん食べていたので、チョコの魔力を知っていました。
まだ食生活がしっかり育っていない乳幼児のうちにチョコ菓子なんて与えたら、肝心のご飯を食べなくなるに決まっている。
そういう訳で私は子供達には3歳近くの、幼稚園や保育園に入園するまではチョコ菓子を与えていませんでした。
しかし同年代の子を持つ親御さん達には私のこだわりは異様に見えて、親御さん達の輪には入れませんでした。私自身、他の親御さんたちより下の年代だったので生意気に映ったのかもしれません。
子供達は私の拙い料理にもかかわらず、たくさん食べてくれました。そして
保育園に入園した長男からチョコレートを解禁しました。
長男は、世の中にこんな美味しいものかあったのか、と言わんばかりに目をキラキラさせてました。
その2年後に解禁した長女も同じ反応でした。長男は「どうだ、ウマいやろ。」を長女を嬉しそうに見ていました。
私が死ぬほど頼りにしている給食
間食を少なくする食生活のリズムを作ることに成功しましたが、その代わり子供達は3食をたっぷり食べて、私に「足りない」と言わんばかりの顔をするようになりました。
さあ困りました、私は料理を作るのが元来好きな方ではないので、おかずを一品~二品作るだけで集中力が切れて、疲労困憊になります。しかも食べ盛りを抱えているので一品当たりの量も多くなりました。
長男も長女も、給食のある幼稚園に入れました。お弁当を毎日作るのが死ぬほど苦痛だからです。
長男が小学生になり、学校給食が始まりました。家での品数の少ない食事と比べて品数のある学校給食は長男にとって何よりの楽しみだったようです。しかし長男のクラスメートに中には学校給食がおいしくない、家の食事の方がずっと美味しいという人がいたようです。
私は長男からその話を聞いて少しだけ複雑な気持ちでしたが、「学校給食が美味しいと思えるなんてすごく幸せなこと。」など言って、自分の料理下手を棚に上げていました。(プロローグ 終わり)
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