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ミッション コンプリーテッド 障子張りとお通夜

1000日修行18日目
今夜は義兄のお通夜だった。今までの良いお天気から打って変わって、朝から雨が降っていた。

…雨の日を私は密かに待っていたのだ。覚えておられるだろうか。母の家での様々な作業で早々に優先順位を下げられた「障子張り」が残っていることを。そうなのだ。昔から障子張りは雨の日にやると言われている。これは湿度が関係しているらしく、雨の日に少したるんで張られたとしても、晴天の日にパリッとつっぱり綺麗になるからだそうだ。お通夜は18時から。朝から仕掛かれば午後早くに終わるだろう。よし!と掛け声をかけて障子4枚を外した。

「お母さん、障子紙買いに行ってくるわ」「あるよ、そこの引き出しと私の机の上に。」あった。
「良かった!ハケは?」「あったはずだなぁ」あった。「糊はどうするの?」「小麦粉で作る。糊だから古い小麦粉でも良いね」(…先日捨てたけど新しいのがあるから黙っておく)「古い紙をはずすのはヤカンでお湯かければ良い?」「ジョウロを使いなさい」?なぜヤカンじゃダメなんじゃ?理由を聞いても、理由は知らないが何がなんでもジョウロを使えと言う。時間がもったいないので従う。

軒下がジョウロでお水を遠慮なくかけれるので、障子を外して軒下にでる。寒い‼️雨は当たらないけど、外は寒い!覚悟を決めて障子のサンのホコリをとり、ジョウロで、外した障子に水をかけていく。母が糊を作って部屋の隅に置いていってくれる。水を吸った障子紙は思ったより簡単に剥がれていく。正直私には初めての障子張り。外は寒く、母も少しは手伝ってくれるかな?と思ったのだが、途中まだ外してない障子を外そうと座敷に上がり、居間の前を通ったら、居間の障子を閉め切りエアコンを付けた中、母はコタツにあたってテレビをみていた。…まあ、そんなものなのね。。

障子4枚分の古い紙を全てはがし、1時間ほど乾かしてから障子張りに入る。その1時間の間には、カッター、スケール、糊、雑巾等の用具を揃えて、障子紙をサイズに合わせてカットしていく。
廊下に新聞紙を敷いて障子を立てかけ、いざスタート!

ところが…廊下が表より寒い❄️どう言うこと?
あ、サッシが空いてるから風が吹き抜けるのね。全く冷え性ではない私の爪先が冷たくなってきたので、これは無理!と、母のいる居間に場所替えして障子を運び込む。エアコンの風が当たるから糊が早く乾いちゃうかなと心配したが、糊を厚塗りする事でごまかす。曲がったりシワが寄ったり色々あったが、とりあえず全部張り終える。時間は午後1時を回っていた。4時間以上経っていた!

母に昼ご飯を作り一緒に食べた後は、障子紙の端をカッターで揃える作業が待っている。それが中々綺麗にいかず、もう無理!とテキトーに揃える。1箇所!無念にも移動の途中で穴を開けると言う失態を演じてしまったが、ハート模様のパッチにして逃げ切った。

ミッション コンプリーテッド???

は〜〜〜
さすがに疲れた‼️「お母さん、少し横になるわ」と言ったのが15時半。そこへ1番上の姉が襖をガラリと開けて入ってきて、お通夜の会場に16時15分には行くよと告げる。ひぇーー!と飛び起きて支度をして会場へ。

不思議なもので、前火葬の後は気持ちが吹っ切れたと思っていたのだが、お通夜の会場に足を踏み入れた途端に流れてきたビートルズの曲。それを聴くなり、また悲しさが込み上げてくる。亡くなってから今日まで、義兄にお別れをきちんと告げてきたつもりだったのだが、今更ながらに義兄はもういないのだ、と、その寂しさが身体の隅々に届いてきたようで、しばし呆然としてしまった。同時に姉のことを考える。明日の夜には3人息子の2人は東京に戻る。私も13日には戻る予定でいる。姉も今は気が張っているので大丈夫だろうが、少し経ったらまた様子を見にこようと思う。

明日は告別式。今更ながらだが、「別れを告げる」から、告別式なのだわね。
しっかりお別れを告げて来よう。
その時が初めての

ミッション コンプリーテッド

になるのだろう。。。

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