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命と向き合った12日間。〆は母の子供返り…

1000日修行19日目
今日は告別式。午前11時開式なので、親族は10時に着く様に出かけるとの事、朝から何となく落ち着かないまま支度をして会場に向かう。
朝は晴れていたのに、途中から雪が降り出し(降るというより飛んできている感じ)、車を降りたら震えるほど寒い。

会場に入ると、昨日と同じくビートルズの曲が流れている。昨日駆けつけた姪たちと、会葬者に先んじての御焼香を済ますと、姉が挨拶に近寄ってきた。それぞれに、気を落とさない様に、寂しくなるね等々声をかけると、「いや、何も片さずに勝手に逝ってしまったから、バカ!って言ってグーでなぐってるの」と真面目な顔でパンチを繰り出していた。

そんな姉だが、いよいよ告別式が終了に近づいてくると、込み上げてくるものを抑えきれない様に泣いていた。それを見た私達も胸が一杯になってしまい、姪たちと一緒に涙を拭った。

1日の午後の危篤の知らせから、ちょうど12日間。本当に真剣に真摯に、命と向き合う時間を持った。それは、切なくもあり苦しくもあり、そして、自分の深部におりていく様な大切な時間となった。この12日間を忘れないで生きていこうと思う。

義兄に最後のお別れを告げて家に帰ったら、さすがに疲れてしまい、しばらくコタツから動けなかった。お留守番をしていた母だけが元気で、今日中に戻っていく甥姪を送り出していた。
夜になって、晩御飯を食べ終えた母に、姉の息子3人のうち2人は告別式の後東京に戻ってしまったので、寂しがっているかもしれないから電話してみたら?と言ったら、いそいそと電話をかけ始めた。

姉がすぐに出て色々話していたのだが、耳の遠い母が受話器の音量を変えようとして変なところを触ってしまったらしく、繋がりが余計に悪くなってしまった。更に、大きな声で話すのに疲れた姉が、「今からやる事があるから」と言って電話を切ろうとしたところだけは聞こえたらしく、その後再度私が電話をかけて姉と話していたら、「早く電話を切りなさい。やる事があるって言ってたんだから」と私に言う。姉と2人で爆笑して、それでも続けて話していたら、「やる事やりなさいと言え」とまた私に言う。「お母さん、電話代わる?」と聞いたら、「私はもう電話はかけません」とすねている。…子供か⁉️
仕方なく電話を切った私に、「やだね。私まるで嫌がらせしてるみたい」と、母はそらとぼけている。また爆笑。

貴重な時間を過ごした(はずの)実家での最後の晩は、そんなアホなやり取りで終わろうとしている。明日の夜は東京。今度いつまた母とこんな時間を持てるかは分からない。いつまでも元気に憎まれ口を叩く母でいて欲しい。

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