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帯について色々

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本日のお題:帯について色々
呉服のきくや本店:https://www.kikuya.shop/

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■帯について色々

今年最後のメルマガということで今週のお題は基本に帰って「帯について色々」です。着物姿にとって帯は背中の顔という方もおられるほど、存在感の大きなものですよね。着物と帯のコーディネートを考えるのもまた楽しく、着物の楽しみ方の一つと言えるかもしれません。今週はそんな準主役といってもいい、帯について色々書いてみたいと思います。今週は初心者向きです笑

帯は大きく分けて袋帯、名古屋帯、半幅帯の3種類に分けられますのでそれぞれ解説していきます。

【袋帯】
現代では表地と裏地が別生地になっていて貼り合わせたものが主流で、それが袋帯と思っておられる方が多いのですが実は本当の袋帯は円状に織って円筒型になっているものだったようです。しかしこれがあまりにも手間がかかりすぎてしまうため、次第に表地と裏地を別に織って最後にはり合わせるという方式になり、現在主流の袋帯の形が出来上がりました。

長さはだいたい1丈1尺5寸=約435cm程度、幅は8寸2分=約31cm程度となっております。金糸や銀糸が入っている豪華な織物で主に留袖や訪問着などフォーマル用の着物に合わせます。主に結婚式やパーティなどフォーマルな場で使用されます。紋付の色無地、付下などに準礼装の着物にも合わせてお使いいただけます。

一方で最近は洒落袋帯(しゃれふくろおび)というものも多く作られるようになってきした。これは金糸銀糸がふんだんに入った従来のような豪華な織物ではなく、染めのみで柄を表現して金糸銀糸を全く使わないもので小紋や紬にも合わせることができます。二重太鼓は面倒臭いから締めたくないという方も多いインターネットの着物民からすると少し不思議な感覚かもしれませんが、展示会等の販売の現場ではなぜか袋帯がよく売れるためなのか、それとも名古屋帯よりも袋帯の方が高く売れるためでしょうか、最近はカジュアル用の帯は名古屋帯よりも洒落袋帯を合わせる方が多くなってきたというような印象です。

【名古屋帯】
このメルマガの読者の方々に一番馴染みの深い帯ではないでしょうか。主に紬や小紋などカジュアル用の着物に合わせてお使いいただけるものですが、ちょっと以前のものですと柄のアクセントとして金糸や銀糸が多少使われていることもあるようです。私の感覚ではここ最近は特に金糸が入っているとカジュアル用としては避けられる傾向が強くなってきているようですが、以前はカジュアル用でも金糸や銀糸が使われることが多々ありました(あくまでもアクセント程度ですが)。

長さは大体9尺5寸=約360cm、幅は8寸2分=約31cm程度となりますが、九寸名古屋帯(後述)の場合、お太鼓の幅を少し広げて8寸4分程度にすることが可能ですので、少しお体格のいい方は体の幅とバランスを考えて帯も少し広めに仕立てる方がおられます。

先ほど九寸名古屋帯という単語が出てきました。名古屋帯は大きく分けて八寸名古屋帯と九寸名古屋帯に分けることができます。この名前の違いは反物の状態で見たときに八寸名古屋帯の横幅は八寸=約31cm、九寸名古屋帯の横幅は九寸=約35cmというところから来ております。八寸帯も九寸帯も仕立て上がった時のお太鼓の幅はほぼ同じなのですが、八寸帯はたれ先を折り返してかがるだけである一方、九寸帯はお太鼓部分に芯を入れて両端部分を縫うための縫い代の分だけ幅が広くなっております。ですので先ほど書いた体格に合わせて幅を広げる仕立て方は九寸帯では可能ですが八寸帯ではできません。

八寸帯は手先部分の約20cm程度を半分に折って仕立てられる「松葉仕立」で仕立てられます。一方九寸帯は手先から胴回り部分まで半分に折って仕立てられます。稀に胴回りを半分に折らずに仕立てる「開き仕立て」で仕立てられているものもございますが、これは自分で胴回りの幅を調整したい方に人気の仕立て方ですが、通常真ん中で半分に折られて仕立てるものを開いたままにするため、裏側に別生地を縫い付ける必要があり、仕立て代や裏生地代などが余分に必要となります。裏地なしで仕立てることも可能ですが、裏地におりの糸がむき出しになっている場合、引っ掛けて切ってしまうことが考えられるのでできれば裏地はつけた方がいいでしょう。

なお、先ほどは名古屋帯は主にカジュアルと書きましたが、たった一つだけ留袖にもお使いいただける名古屋帯があるのをご存知でしょうか。

名前ぐらいは聞いたことがあると思いますが、金糸や銀糸を使用した綴れ(つづれ)の帯は通常八寸名古屋帯として織られますが、最上級のフォーマル用の帯となり、留袖にもお使いいただけます。

【半幅帯】
最後に半幅帯です。これは読んで字のごとく、半分の幅の帯でして通常の帯は大体八寸で仕立てられておりますのでその半分の四寸=約15cmで仕立てられます。これは浴衣の帯として馴染み深いのではないでしょうか。半幅帯は完全にカジュアル用の帯ですので、紬や小紋などにあわせて訪問着などに合わせることはありません。結び方としては一番簡単で普段着として着物をお召しになりたい方には一番重宝されると思います。

先週も書きました「きくやてんちょのなんでも質問箱」には帯の格がいまいちよくわからないという相談をいただくことが多いですが、基本金糸や銀糸を使ってキラキラ光っていたらフォーマル、キラキラしていなかったらカジュアルと覚えておけば大体間違っていないと思います。もしどうしてもわからなければ写真を送っていただければカジュアルフォーマル判定ぐらいすぐにいたしますので是非なんでもご連絡くださいませ。

さてさて、今週で今年の分のメルマガは最後となります。1月1日より1月4日まで年始休暇を頂戴し、1月5日より通常営業いたしておりますが、年始休暇中に売れた商品の発送は1月5日から7日ぐらいにかけて対応させていただきます。通常より少々お時間を頂戴いたしますがご容赦くださいますようお願いいたします。

本年はまことにありがとうございました。良いお年をお迎えください。

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