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書いて楽しく、渡して喜ばれる。ご縁はがきってどんなはがき?

2016年から書き始めたご縁はがき。2018年までの2年間で1,000枚を書いて縁ある人に渡し、それ以降は趣味として身近な人へ書くほかに、ご縁はがき講師活動も合わさって、書いた枚数はおそらく4,000枚を超えています。
2017年から今日までの講師活動を通して新規累計1,100名以上の方にご縁はがきの書き方をお伝えしてきました。今年からは私と、養成講座を昨年卒業された4名の認定講師でご縁はがきを普及しています。

「そもそもご縁はがきってなに?」
ここではご縁はがきの基本についてお伝えします。

ご縁はがきとは

縁ある方へ感謝を伝える手書きのはがき

出会う方へ手書きの筆文字で感謝を伝える一枚、それがご縁はがきです。
日頃の感謝の気持ちや誕生日のお祝いなど様々な場面で送ったり、手渡ししたり。気軽に渡せるメッセージカードとしてご活用いただけます。
筆ペンでつづられたメッセージ、水彩画用のカラー筆ペンで彩られたデザインは、年代や性別を問わず、身近な方はもちろん初めて出会う方にも大変喜ばれます。

大切な”誰か”へ書くものだから十人十色

この言葉が入っていたらご縁はがき、このデザインであればご縁はがき、という決まりは基本的にはありません。世の中には同じように筆ペンではがきを書く教室が沢山あるので、わかりやすい決まりがあればよいのかもしれませんが、あえて決まりを作らない指導スタイルを続けてきました。

なぜなら、ご縁はがきは生徒さんの向こう側にいる”大切な誰か”へ書くものだから。ときに練習として生徒さんご自身のために書く場合もありますが、完成されたご縁はがきは生徒さんのためではなく、ましてや講師のためでもなく、渡す相手に喜んでいただくことが一番の目的だからです。

私自身が1,000人へ書いた2年間を振り返ってみても、似たようなデザインこそありますが一つとして全く同じご縁はがきはありませんでした。筆文字の表現の仕方、メッセージ、色やイラスト、それらが相手を浮かべると微妙に違ってくるのです。

そのため、教室では私が書いたご縁はがきデザインを参考としてお見せしたり、練習課題として真似して書いていただいたりすることはありますが、必ずしも全く一緒でなくてOK!としています。デザイン通りに丁寧に書かれてる方もいれば、渡す方に合わせてアレンジされる方、ご自身のアイデアやセンスを存分に発揮される方と様々で、十人十色のご縁はがきを楽しんでいただいています。

ご縁はがきをつくる要素

3つの要素

ご縁はがきは大きく分けると筆文字・イラスト(デザイン)・メッセージの3つから作られています。どれもご縁はがきに欠かせない要素です。これらはご縁はがき以外の絵はがきやメッセージカードにも言えることかもしれません。しかし、それらの要素にご縁はがきならではの特徴やこだわりを持たせています。

筆文字

ご縁はがきの筆文字で一番大切にしているのは、書き手の心が伝わること。ここでいう心が伝わるとは、読んだときに思わず書き手の顔が浮かび、心情がまっすぐ読み手に届いてくるような状態です。これまでに、大切な人からもらった手紙や、お世話になった人たちから贈られた寄せ書きを読んでいて自然と涙がこぼれてきた…そんな経験はありませんか?まさに文字を通して書き手の心が伝わり、あなたの心が動かされたということですね。

心が伝わる文字は、上手さや綺麗さだけを求めて書けるものではありません。もっとも大切なのは、あなたらしさ。人の顔が誰一人として同じではないように、文字もみんな違ってみんないい。ご縁はがきでは、一人ひとりの文字にある個性を尊重しています。生徒さんからの要望がない限り、こちらの意図で文字を矯正することはしていません。

とはいえ、人に見せるもの、渡すものだからこそ素敵に書きたい。そんな気持ちは誰もがお持ちではないでしょうか。「上手く書かないと」という意識が先行して書くこと自体に気後れしてしまったり、「字は苦手」と思い込んで書くことをやめてしまったりする人も少なくありません。「字は大の苦手なんですけど、大丈夫でしょうか?」というのは、教室に初めてくる生徒さんから一番多い言葉です。

ご縁はがきでは、あなたの普段の文字が心が伝わる文字に変わる技法をお伝えしています。例えていうならメイクやヘアカットで自分の印象をがらっと変えるようなもの。あなたのお顔は変わっていなくても、メイクの仕方を変えたり、髪型を変えたりすることで、お顔全体の印象がより良くなるということがあります。文字においても同じ。あなたの文字を無理に変えなくても、普段持っている筆記用具を筆ペンに持ち替えて、いつもの書き方を少し変えてみる。そうすると「私、こんな文字が書けるんだ!」と新しい自分の字との出会いがあり、自分の字が好きになったり、大切な誰かへ自信をもって書けるということが起こるのです。そうして、あなたの字の個性を味わいや魅力に変えていきます。

イラスト・デザイン

はがきに添えるイラストや背景の彩りも、ご縁はがきには欠かせません。ときに筆文字の印象をも大きく左右します。上述の通り、基本的にはどのように書いていただくのもあなたの自由。同じ時間の講座に来ていただく生徒さんであっても、出来上がるご縁はがきは違った様相になることがしばしばです。しかしながら、私が書いてきた4,000枚の殆どに共通するイラストやデザインもあり、取り入れていただいている生徒さんも非常に多いです。その中の代表的なものをご紹介します。

ご縁結びのリボン
はがきにある四隅もしくは上下のどこかに、「縁結び」との意味を込めて赤色か橙色で八の字に結んだリボンを書いています。慣れると数秒で書けるもので、書き入れるとはがきに灯りが灯ったように全体の印象を明るくしてくれます。イラストがにぎやかな場合はさり気なく控えめに、シンプルなデザインのときには大胆に大きく!筆文字やイラストとのバランスをみながら色や大きさを決めています。

丸を幾重に書いて”円満” ”一期一会”
はがきの余白に大小様々な丸を重ねたり、連ねたりすることではがき全体が優しく、温かみのある雰囲気になります。春色を取り合わせて華やかに、暖色系の色で丸を重ねて和やかに、暗めの色でさり気なく描いてシックに仕上げたりとアレンジは無限大。イラスト初心者さんでも取り入れやすく、丸を書くだけなので手軽です。
この丸には二つの意味を込めています。一つは”円満”。丸は円(縁)につながるとされ、日本では古来から縁起の良い文様とされています。始点も終点もないため、縁が永遠に途切れない事ということで円満の象徴とも。
もう一つは”一期一会”。一期一会とは、もとは茶道の心得を表した語で、どの茶会にも二度目はなく一生に一度のものと心得て、主人もお客様も誠意を尽くすことの教えから生まれた言葉です。大切な誰かへご縁はがきを渡すまでの一期一会、またこれから続く一期一会の象徴として、「出会えた時を大切に重ねていきましょう」そのような意味を込めています。

イラストやデザインは、あくまで飾り。本質は筆文字のメッセージなので無くても構いません。ですが、例えば誕生日やクリスマス、とっておきのパーティーに料理を出す時には、お皿やトッピングなど見た目にもこだわっておもてなしをしたくなりませんか?お料理そのものが美味しいことはもちろん大事ですが、見た目が素敵なものであれば、なお食べる人は嬉しいはずです。そのような理由で、ご縁はがきでは筆文字だけでなくイラストやデザインにもひと手間かけて書いています。

メッセージ

どんな言葉を使うか。書き手の心情や人柄がそのまま表れるメッセージ選びはご縁はがきの醍醐味です。
感謝の言葉といっても、「ありがとう」「感謝しています」「ほんの気持ちです」「お世話になりました」「おかげさま」どれを選ぶかで伝わり方は変わってきます。
なかなか言葉が出てこない…とお悩みの声をよくいただきます。沢山ある中から選ぶ場合もときにはありますが、おすすめは最初に浮かんだ言葉。あれこれセンスのある言葉を引っ張り出すよりも、あなたの中からすっと出てきた一言が一番。だから、語彙力があるほど良いご縁はがきを書けるかというと、必ずしもそういうわけではないのです。
ただ、枚数を重ねていくと言葉の幅は確実に広がっていきます。書くことが習慣になると、素敵なメッセージを見かけたときに「これ、書きたいな」とアンテナが立って、心の引き出しに溜まっていきます。そうして私は喜ばれるメッセージを引き出しの中に一つ一つ仕舞っていきました。

ご縁はがきについて、少しおわかりいただけたでしょうか?ご縁はがきはあなたらしさを価値に変え、あなたと縁ある人をつないでいきます。上手い下手は関係ありません。大切な誰かへ”書きたい”その心があれば大丈夫。あとは楽しむ心も忘れずに!


【玉城麻衣 たましろまい】
1993年生まれ、熊本県出身。
2015年、自分の人生で出逢う1000人の 縁ある方へ筆文字で「ご縁はがき」を届けるチャレジに挑戦、2年間を経て1000枚を書き上げる。
その翌年から「ご縁はがき講師」として 活動を全国で展開。 講演、セミナーは累計100回以上。 出会ったお客様の数は1100名を超える。
2018年7月「ご縁はがきのキセキ」 個人出版500部。
2020年11月福井新聞掲載。同年12月週刊誌「週刊女性」掲載。
2021年9月書道のはな*みちスカウトキャラバン、カリグラフィー部門グランプリ受賞。
2021年4月「一枚の奇跡」(文芸社)出版。
2021年4月初個展「ご縁はがき展」を東京都内にて開催。
公開講座の他、企業研修や公立高校での出前授業、学童や福祉施設においてもご縁はがきを通して、手描きの筆文字で感謝を伝える技術を普及している。

【お仕事について】
・公開講座へのお問い合わせ、
・出張講座などの講師のご依頼、
・デザインや記念品制作など書道家活動
下記リンクよりHPをご覧ください。
個別のお問い合わせもお待ちしております。
http://goen-hagaki.com/

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