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2000人に調査            小売りの6割が迷惑行為を経験     やってはいけない対応

 クレームには2種類あります。商品やサービスの不備を知らせてくださるクレームと、お客の期待にそぐわなかったという感情クレームです。特に接客業では従業員にクレームが直接届き、事前に対処方法を知らないと、事態がこじれ解決までに長引くことがあります。また、従業員がショックを受けて、離職につながるケースもあります。

要望=クレームをお客が言いやすい環境に

 クレームについての同じ質問を、一般消費者(以下、一般客)と接客業務従事者にした結果から、両者の間にある違いが分かります。後者は、読者に近い人たちかもしれません。数字を見ながら、正しいクレームの対処方法と、従業員にも配慮したクレーム対応を考えてみましょう。

2018.5クレーム対応-01

2018.5クレーム対応-02

 一般客、接客業務従事者共、40歳以上でクレーム経験者が格段に増えます(図表①②)。これには世代の特徴が明確に表れています。
 人は年齢とともに人生経験が豊富になり、40代以上になると、商品やサービスにどういったことが起こると不具合が生じるかの判断ができるようになります。また、起こったことを店舗側に正しく伝えるための言葉が豊富になり、苦情を伝える表現方法も数多くなるので、クレームが多くなります。
 逆に、10代、20代と年齢層が低くなるほどクレームが少なくなります(図表①)。学校教育を受けている間は、決まった小さな集団の中でのマナーに強く影響されます。周りの多くの人と同じ行動を取ることで、集団の和を乱さないマナーを優先するのでしょう。若年層のお客は、「言葉にはしないけれど、苦情があるかもしれない」と思ってお客に気を配るようにしましょう。
 店側が工夫したいのは、クレームを言いやすい環境をつくり出すことです。「何か気になる、確認したいことがあるなどの場合、○○の方法でお知らせください」など、口頭や店頭案内を徹底しておきましょう。クレームが言い出せない環境は、お客を店から遠ざけます。逆に、すんなりクレームが言えれば、解決時間が早くなります(ただし悪質は除きます)。

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