石川裕二(編集者・ライター)
記事一覧
書きたくもない文章に救われたライターの話
この1年の間に、書くべきことが何もなかったとは思わない。
ただ、結果として、仕事ではないプライベートな文章を書くことはなかった。言い換えれば、堕落した現状を見つめて言語化しようとしなかった。書きたいことがなくなってしまうのを何よりも恐れていたのに、いつの間にか、現実を直視することのほうが怖くなってしまっていた。
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ずいぶんと太った。恐ろしくて体重計には乗れていないが、2年前に履いていたユニ
好きな音楽を広められない編集者の無力感
あまのじゃくなのか、自分のいいと思ったものが相応の評価をされていないと、すぐに「おかしいよなあ」と思ってしまいます。こんな出だしで紹介するのも失礼なんですが、昨日、BAROQUE(バロック)というビジュアル系バンドのライブを観るために、渋谷にあるオー・イーストまで行ってきました。約1300人を収容可能なライブハウスです。ビジュアル系と言っても、漆黒の衣装をまとって血糊を塗りたくり、月夜の下で「愛し
もっとみる書きたいことがなくなってしまったライターの話
久々にプライベートな文章を書いた。
編集者・ライターという仕事柄、日常的に記事を書いたり校正したりしているが、プライベートで何かを書くことなんて、とんとなかった。版元にいたときは週に2・3回はブログを書いていたが、独立してからは週に1度になり、月に1度になり、数ヵ月に一度となり……と、なし崩しに減っていった。
最後に書いたプライベートな文章は、昨年の9月。岩手・北海道へ4泊5日のひとり旅をした
32歳のうつ病フリー編集者が8ヵ月ぶりに髪を切った話
昨日、8ヵ月ぶりに髪を切った。1年ほど前にうつ病になってからというもの、外出するのが億劫になってしまっていたのだ。もともと長めだった髪はさらに伸び、昔のキムタクばりのロン毛になっていた。「ここまで伸びたら、逆に切らないのもありですよね〜」なんて美容師さんが言ってきて、まあ確かにシャレオツなクリエイター業っぽい雰囲気かも!?!?!?と思ったが、さっぱりしたかったので予約通りにカットとパーマをお願いし
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