レコーディングスタジオでの過ごし方
楽しく過ごす
一番大切なのはスタジオでの時間を楽しくクリエイティブなものにすることです。これは作家だけでなく奏者、エンジニア等全員の協力が不可欠です。良い演奏は良いムードから生まれます。
時間を大切に
次に大切なことは限られた時間を有意義に使うことだと思います。仮にスタジオを6時間ブッキングしたとしても、うまく使えば4時間くらい録音にあてられるかもしれませんし、うまく使えなかった場合2時間くらいしか録音にあてられないかもしれません。
現場で悩むこと/迷うことをとにかく減らす
譜面やセッションデータを不備なく準備したり、どんな音楽なのでどんな演奏をして欲しいかビジョンを固めておくことは非常に大事です。どこをデモと変えて欲しいのか、どこを変えないで欲しいのか事前に明確になっている方がスムーズにレコーディングが進みます。バンドであれば基本的には奏者に委ねた方が録る意義のある形に仕上がります。
判断は迅速に、説明は明確に
とはいえ予測出来ないものが生まれるからこそレコーディングは楽しいので、現場で悩んだり迷った時はなるべく迅速に判断し、それを合理的な理由を添えて簡潔に奏者に伝えます。奏者はテンポよく録り進めた方が集中して良い演奏が出来るので、あまり細かい要望を頻繁に出しても良い結果に繋がらないことが多いでしょう。
プレイバックを要求しない
レコーディングで一番時間がかかり、尚且つ意識の持ち方次第で簡単に削減できるのがプレイバックです。作家は奏者が演奏している間に可能な限り集中して客観的に演奏を分析し、聴き直さずにその場でOK/NGを判断出来るとテイクも良くなる上により多くの楽曲を録れます。
奏者の体力に関する理解
楽器にもよりますが、連続して集中して演奏出来る時間には限りがあります。無限に演奏し続けることを前提としたスケジューリングは避け、適宜休憩を挟んだり日を分けるなどの工夫が必要でしょう。録音する楽曲の順番も難易度順がいいのかその逆がいいのか等奏者の好みを確認した方が良いと思います。例えばオーケストラだと50分録音→10分休憩の繰り返しす方が「キリの良いところまで…」と休憩を先延ばしにするより効率が良く奏者の負荷やストレスも少ないです。
準備と撤収にもお金はかかる
録る楽器にもよりますがセッティングと撤収で1〜3時間くらいはかかるものです。そして、その時間にもスタジオのレンタルフィーやエンジニアのフィーが発生しています。譜面の印刷にも勿論お金がかかりますし、アシスタントエンジニアや指揮者がいる場合その分のギャラも必要になります。スタジオを予約する時間と予算にはかなり余裕をもっておいた方が良いです。
テイクコンプは家に帰ってから
予算と時間が限られた中スタジオで最低限やるべきことは「後で編集したらベストテイクになるテイクの素材を録ること」です。実際に繋ぎ合わせるのは家に帰ってからにしてなるべくスタジオでの時間を節約して下さい。またそのためにも各テイクをノートで管理し、十分なテイクが録れたかを録りながら把握出来るようにするべきです。
まとめ
楽しく、無駄なく録るのがレコーディングスタジオでのセッションを有意義なものにするための秘訣と言えるでしょう。
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