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ギターシーンを創造し続けてきたG.O.D.の歴史

発足、カバーコンテストの誕生

G.O.D.とはイギリスやオーストラリア、韓国等様々な国から集結した若手ギタリストコンポーザー集団で、日本という狭い世界に縛られることなく常に先を行くギターミュージックを生み出し続けるプロジェクトです。

各々が作編曲家や演奏家としての顔を持ちつつも「アーティスト」として自分にしか作れない音楽を世に投げかけている点がユニークです。

気がつけばメンバーが17人にまで増え3月に新作をリリースするG.O.D.ですが、結成当初はわずか7人でした。(それでも多い?)

元々居酒屋に集まったギタリスト達が「何か作る?」という悪ノリで始まったプロジェクトですが、どの曲も今と比べると各人探り探りな感じがして面白いです。確かまだ全員が20代でした。名義も今とちょいちょい違います。

この時新たな試みとして(G5 Projectでは既にやってましたが)楽曲のカバーを募るコンテストを開催し、素晴らしい演奏とアーティスト性を見せてくれたAZ、Sekuを新メンバーとして迎えることになります。この「コンテスト開催→新メンバー獲得」はその後のG.O.D.の定番として続いていくことになります。

2ndアルバム「G.O.D.II」リリースで楽器フェアの星に

2014年にリリースされたG.O.D.IIでG.O.D.は大きく飛躍しました。2014年の楽器フェア会場で開催されたG.O.D.II COVER CONTEST決勝では観客がブースに全く収まり切らない盛況ぶりを見せ、新たにMayer, Ren, Sebonの3名のメンバーを獲得するに至りました。Alternative Tactics, Second Urgent IssueやSkyphobiaはGITADORAへの収録で記憶されてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

GITADORAとの親和性を証明した「G.O.D.111」

3作目となる「G.O.D.111」は「111秒で終わる音楽ゲーム風の楽曲」だけで固められたコンセプトアルバムでした。GITADORA Tri-Boostとのコラボで制作されたこのアルバムからはBlazeとStellar Notesが
The 5th KONAMI Arcade ChampionshipのGITADORA部門決勝課題曲に採用された他、Terra CarとFatal Attractionが同様にGITADORAに収録されました。

この時のカバーコンテストではファイナリストが日本、韓国、イギリスからの参加という国際戦の様相を呈しましたが、勝利したのは決勝当日朝にイギリスから成田に到着しその足で会場に向かったAlfie Bradicでした。長時間のフライトの後に言葉の通じない国で初めて触る他人のギターで圧巻のパフォーマンスを見せた彼の姿は鮮烈そのものでした。

更に、恒例のカバーコンテストに加えてリスナーにも111秒で音楽ゲーム的な曲を作ってもらう作曲コンテストを同時開催し、グランプリに選ばれたYusuke Hiraga、ino.の楽曲もGITADORAに収録されることになります。

見るからに高難度のSEASONSがゲーム実装初日に初見で攻略されてしまったのも、一部の界隈では話題になりました。

円熟の「G.O.D.III」

気づけば15人にまで増えていたG.O.D.が2018年にリリースしたG.O.D.IIIは、これまで以上に各々が各々の音楽を進化させたものになりました。総収録時間は79分近くになり、CDの限界に到達したことを実感しました。

デモの尺もTwitter動画を意識してピッタリ140秒に収まっています。また、この時の作曲コンテストで優勝しG.O.D.への参加を決めたDylan Reaveyですが、その後2019年イギリスで開催されたGuitarist of the Yearでも優勝し世界中に存在をアピールすることになります。動画を一瞬見てもらうだけでその唯一無二の楽曲と演奏スタイルに度肝を抜かれることでしょう。

カバーコンテストの決勝はG.O.D.111の時と同様に青山のFuture Sevenで開催され、超満員の観客の前でグランプリに輝いたのはJIROでした。Yusuke Hiragaの楽曲「Advent」を余裕綽々で弾く圧倒的にライブ慣れした姿には貫禄を感じました。

2018年の決勝の様子は動画としても纏められています。やっている音楽の割に雰囲気はゆるいです。

こうしてプロジェクトの拡大と共に音楽家として成長し、更にスタイルの幅を広げて来たG.O.D.が2021年3月17日に満を持して新作をリリースすることになりました。そちらの話はまた別の記事でじっくり書きたいと思います。


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