「謝罪」とは

 なんだか変なことを言い出すようだけど、世の中の人が「謝罪」する時、私はその人が何が悪かったとして謝罪しているのか、それが皆目わからない時がある。このところ何度かそれが重なって、これは私の不利解によるものなのか疑問になった。

 話はこうだ。

 郵便局と契約して荷物をお願いしているが、一昨日、郵便局に集荷を頼んでお客さんに冷凍パン発送した。翌日、配達指定時間を1時間以上も過ぎているのにまだ届かないという苦情がきた。早速、郵便局の担当に連絡すると、追跡して折り返し連絡をくれるということになった。1時間をすぎても連絡は来ない。もう一度連絡を入れてみると、今度は違う係が出て、さっきの係は退社したという。で、状況をもう一度話して荷物の追跡をして欲しいと頼むと、その人物は、さっきの係が退社前に「追跡」を内部でやりとりをしていたのを知っているという。では、その結果を知っているのかと聞くと、それは聞いていないという。この男性が、「係が追跡調査をしていた」と私に話した理由がまたわからなくなった。こういう無駄な話を一頻りした後、結局、この係は「上司に、最初の係の対応の悪さを報告しておきます」となった。

 いや、私はそんなことを頼んでいるんじゃない。なぜ話がこうなっていくのか、とても疑問に思い、「そんなことを頼んでいるんじゃない」と話すと、「申し訳ございません」と、また、頓珍漢な間合いに謝罪が入った。なんか、もう埒が明かない。で、最初の担当者の対応を上司に報告すれば荷物の追跡ができるのか?と聞くと、間を置いてまた「申し訳ございません」と。嗚呼、もう全く話が進まない。

 彼には、上司にチクらなくてよろしいと言い置き、最初の担当者に明日、電話を入れるように伝えてもらうようにして電話を切った。

 昨日、最初の係の人から電話があった。話はこうだ。

 「追跡調査のために配達局に連絡を入れたが、仕事が混み合って時間がかかったため、結果を翌日確認してから私に連絡入れるつもりだった。申し訳ございません」と。

 これじゃあ私は納得がいかない。

 時間がかかっても待っていれば結果は出てくるはずで、こちらもお客への返答を延ばしている状態だったと話すと、「申し訳ございません」と、「あのね、謝って欲しんじゃなく、荷物がどうなったかとという依頼に答えてほしいのですけど」とやや声を大きくして言うと、「今後こういう事の無いよう、反省しますので」と言う。

 そこで、核心をこちらから尋ねた。

 「あのね、追跡途中で放置して退社したことを謝罪しているわけ?」

 「あ、はい。申し訳ございません。今後、こういう事のないように努力します」(あなたはそうは私に言っていないじゃないの。)

 ここで頭から蒸気が沸騰するかと思ったほど。これ以上、話の通じない相手と話すが嫌になった。

 追跡調査の相手と密な連絡が取れず、そのまま自分の退社時間が来てしまったので私への連絡は翌日、荷物の確認をしてからするつもりだったということらしい。つまり、責任追求されれば彼女にとっては痛い話なわけだ。だから最初から平謝りだったようだ。

 その後、彼女にこんこんと話す羽目になった。

 彼女は退社したことを悔いてはいるが、だからといって残業できるかというと、諸事情があってそれも困るという話が出てきた。そんなことは社内で解決しておくれと思ったが、少し話をした。

 この追跡作業で退社時間が過ぎると思った時点で、夜勤組に話を繋げてバトンタッチの段取りをするか、そういう相手がいなかったら、顧客に電話で事情を話して了解を取るなど、できるべ。残業ができないとこの仕事が続けられなくなるという、そんな大きな問題ではなく、機転を利かす問題じゃない?

 て、遂に言っちゃった。

 でも、そう言われた相手ははっとした様子で、むしろ声が明るかったので、言われて良かったとという印象を受けた。

 まあ話は大した事じゃないけど、仕事で失敗した時、自分のミスに気づいているのならそれについて謝罪し、今後を改めるということならわかるが、自分のミスは塞いでおいて、ただ謝罪されてもかえって気分が悪くなる。こういう私なのだが、何か変なんだろうか?こういうのは現代は、ゴタゴタ言わずに、相手が謝罪したら「はいはいそうでっか。」とするものなのか。

 最近、若い人の感覚とは違うものをよく感じるので、こんな当たり前のことと思うようなことが結構、気になるんだけどね。

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