邦人人質救援と死刑容認多数を占める日本の現状から思うこと


死刑制度:容認8割 「再犯の恐れ」回答増加 内閣府調査毎日新聞 2015年01月25日 東京朝刊
内閣府は24日、死刑制度に関する世論調査の結果を発表した。死刑を容認する回答は80・3%(前回比5・3ポイント減)で3回連続で8割を超え、制度への国民の支持は依然高いことが裏付けられた。廃止を求める人は9・7%(同4ポイント増)だった。ただ、終身刑を導入した場合の死刑容認派は半数程度にまで減るとの結果も初めて出た。
死刑存廃に関する質問の選択肢は(1)死刑は廃止すべきだ(2)死刑もやむを得ない(3)分からない−−の三つ。前回までの(1)どんな場合でも死刑は廃止すべきだ(2)場合によっては死刑もやむを得ない(3)分からない−−を有識者検討会の意見をふまえて変更した結果、容認派の減少と廃止派の増加につながった可能性がある。
死刑容認の理由(複数回答)は「廃止すれば被害を受けた人や家族の気持ちがおさまらない」が53・4%、「命で償うべきだ」が52・9%でそれぞれ前回より微減。「生かしておくと同じような犯罪を犯す危険がある」は47・4%で、前回より増加した。
廃止すべきだとの回答の理由(同)は「裁判で誤りがあった時に取り返しがつかない」が46・6%。前回最多だった「生かして償わせたほうが良い」(41・6%)や「国家であっても人を殺すことは許されない」(38・8%)が続いた。
調査は1956年に始まった。10回目の今回は20歳以上の男女3000人を対象に昨年11月、面接方式で実施。1826人から回答を得た。前回は2009年、前々回は04年に実施している。
 ◇終身刑導入なら「廃止」37%
今回の調査では初めて、仮釈放がない「終身刑」が導入された場合の死刑制度の存廃について尋ねた。その結果、「廃止する方がよい」が37・7%に達する一方、「廃止しない方がよい」は51・5%にとどまった。
日本では、「無期懲役」が死刑に次いで重い刑になっている。刑期は終身だが、刑法は10年を過ぎると仮釈放できると規定。更生の意欲が認められたような場合が対象となる。
法務省によると、2004〜13年に70人の無期受刑者が仮釈放されたが、仮釈放までの平均受刑期間は04年の25年10カ月から13年の31年2カ月まで長くなった。この10年で146人が受刑中に死亡しており、無期懲役は実質的に終身刑化しているとの指摘もある。
今回は、無期懲役は「仮釈放される場合がある」、終身刑は「仮釈放される場合がない」と説明したうえで質問した。「分からない」は10・8%だった。【和田武士】

 この記事で気になったのは、日本の死刑制度そのものを問う意味からでもないが、たまたま時を同じくして「イスラム国」(ISIS)と見られる犯人が邦人二人を人質に200億円の身代金要求をする動画をYoutubeに流して話題となっている中、なんとも複雑な思いがした。

 終身刑を導入した場合、死刑容認は半数になるという結果を見て、さもありなんという気持ちと、死刑を存続させるのを拒む気持ちが、死刑そのものに反対するという判断とは違う意味で湧き上がった。これは明らかに、心情的にISISの殺害に反応している。

 単刀直入に言うと、人の命を絶つ正当性が、「法律に反する行為が人として許されるべきものではないと判断されれば死刑を執行してもよい」という私達の正しさなら、例えば、「人に迷惑をかけるような人は困りもので、自業自得として政府がお金を払ってまで助ける必要はない」というような、人を見捨てる考え方と似ているのではないかということ。

 うまく言えないし、あまり良く考えて書いているわけじゃない。直感的に日本は相当にヤバイ状態じゃないかと危惧している。


 

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