インフォデミック 3月15日放送サンデーモーニング風をよむを参考に

インフォデミックはインフォメーションとエピデミック(流行)を組み合わせた言葉。
根拠のない情報が大量に拡散する状況を指す。

例えば
オーストラリア・シドニーのスーパーで3月7日、突然始まったケンカ。
黒人女性が、二人の女性に殴られる。

黒人女性「1パックだけでいいのよ」
2人組「ダメ、渡さないわ」
けんかの原因はトイレットペーパー。

オーストラリアでも、
トイレットペーパーがなくなる、というデマが広がった。

トイレットペーパーといえば、
日本でもドラッグストアやスーパーに、
多数の客が殺到する光景が相次いだ。

その原因も、インターネット上に広まったデマ情報であった。
今回、その投稿者の一人が明らかになった。

鳥取県米子市の米子医療生活協同組合は、
勤務する職員が、「トイレットペーパーが品薄になる」というデマの、
投稿者の1人だったことを確認、公式サイトで謝罪。

この職員は 「伝え聞いた情報を確認せずにあげてしまい、大変迷惑をかけた」
と反省しているとのこと。

感染拡大の不安が広がる中、騒ぎの種をまき散らすデマ情報。

日本国内では
「ウイルスは26~27度で死ぬのでお湯を飲んだ方がいい」
「花こう岩から出る紫外線が、強い殺菌力を発揮する」
など、新型肺炎の治療に関する、エビデンスのないデマの書き込み。

海外でも
マレーシアでは、「新型コロナウイルスに感染すると、ゾンビのような状態になる」
という偽情報がひろがり、慌てた保健省が、強く否定。

イランでは「アルコールを飲むと、ウイルスの治療に効果的」というデマがインターネットで拡散。
それを信じて密造酒を飲んだ27人が、メタノール中毒で死亡するという、
悲惨な結果となった。

情報の混乱は、デマの拡散にとどまらない。
先月、ロンドンの若者グループが、シンガポールからの留学生に、
「この国にコロナウイルスを持ち込むな」など、暴言を浴びせながら暴行。

またニューヨークでは、電車内で、アジア系とみられる男性が、
除菌スプレーのようなものを吹き掛けられる、という事態も発生。

根拠のない情報に基づく、
アジア人に向けられる、
嫌悪・差別のふるまい。

新型コロナウイルスの蔓延が止まらない中、
人々の心が、すさみ、とげとげしさを増していくようにも見える。

どうして今、こんな現象が世界的に起きているのか!?

新潟青陵大学(社会心理学)碓井真史教授
「なにか大きな災害や害悪が起きると、とても不安になりますので、
自分のよく知らない存在を恐怖に感じる。
何か困ったことが起こると、誰かのせいにしたくなる。
そんな心があるのかなと思います」

非常事態が生み出す、
不安や恐怖から逃れたいという心理が、
デマ情報や差別的言動を引き起こさせるという。

そんな中、インターネット上で、話題になっているのは、
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、
休校となったイタリアのある高校の校長のメッセージ。                 

校長は、根拠のない噂話や、馬鹿げた治療、
必需品を買いあさることなどを、
「市民生活における野蛮な行為」とした上で、こう書いた。

「見えない敵に脅かされた時、
敵があちこちに潜んでいるかのように感じ、
自分と同じような人も潜在的な敵だ思い込んでしまう。
それこそが、真の危険なのです。
冷静さを保ち、パニックに巻き込まれないこと。
せっかくの休みだから、 散歩したり、良質な本を読んでください。
合理的な思考で、私たちの貴重な財産である人間性と社会を守っていきましょう。
では、近いうちに。学校で皆さんを待っています」 

イタリアと同じように休校が続いている日本。

高校2年生・男子生徒「楽しい時間を奪われたという言い方は変ですけど。ちょっと悲しいかな」

中学2年生・男子生徒「学校は友達と話したり、会えたりして楽しい。行けなくなるのは残念です」

小学2年生・女子生徒「学校に行ければ、今すぐ行きたい」

→結論、人類がウィルスに勝たない限り、
インフォデミックはおさまらないと考えます。

イタリアの校長先生が言う、「市民生活における野蛮な行為」
人間VSウィルスの戦いが世界中で始まっているが、
敵が見えない分、「敵はどこにでもいるのではないか」
と思ってしまうのも自然なことであると思う。

人間は生きるため、今の生活を失わないため、
生きる目的は人それぞれですが、
生きるために、「市民生活における野蛮な行為」をする。

まったく根拠のない情報でも、
生きるために「何でも試したくなる気持ち」
分からなくもないですし、
それを信じて行動に移したことが
「野蛮な行為」と位置づけもできる。

この戦いがいつまで続くのか、
今のところイメージできません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?