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ずっと、マニア志向に走らず、いこう!

突き詰めると、やっぱり誰もがマーク1仕様に向かってしまうのだろうか。
私はミニへの興味を最初に持った時、ミニの元祖たるマーク1仕様を(ショップ店員さんが)自慢しても、心踊ることはなかった。
それはなぜだろうか。

クラシックミニではなく、元祖VWビートルについて言えば、たしかにヴィンテージルックと呼ばれるボディがカッコよく見える。ヘッドライトの形状やフェンダーの造形の美しさは、圧倒的に初期モデルに軍配が上がる。
古い長寿のクルマで思い浮かぶ、いすゞ117クーペやMG-Bなどもまたしかり。初期モデルに勝るデザインはない。

しかしミニの場合、その感情に引っ張られることはなかった。
丸っこいMk1グリルはたしかに魅力的だ。しかし当初の僕はあの鯉のヒゲのような顔が、どうもスッと受け入れられなかった。
一方でマーク2以降のアルミメッキのワイドで角張ったグリルだってクラシックスポーツなイメージでかっこよく見えた。
センターメーターはどうか。もちろん、あのアイデンティティは素晴らしい。イヤじゃない。でも、最後期のウッドパネルだって十分にクラシカルな雰囲気で素敵じゃないか。
ゴマのように小さいMk1テールランプも味わい深い。けれど、なぜかあの暗い光は、僕には昭和の貧しさを想起させてしまう。町外れの薄暗い道路脇に建っていた裸電球の街路灯のような、愛嬌のないオート三輪のテールランプのような、何か物哀しい空気を漂わせている。Beatlesのメンバーが愛したクルマの華やかなイメージを醸し出していないような気がした。

しかし、クラシックミニを所有していくうちに、初期モデルに対するリスペクトが上がっていくのは自明の理だ。ドアのヒンジ、ちょっと小さいリアウインドウ、テールランプ周りのボディのモッコリ感、サイドマーカーに至るまで、初期モデルのそれは、なるほど価値があるような気がしてくる。

でも待て自分。

あの頃の自分を忘れるな。初心忘るべからず。策士策に溺れるな。素人目にも“カッコいいミニ”という視点を大事にしたいじゃないか。
ミニマニアには認められなくてもいい。自分の好きな姿を目指していこう。

(というわけで、納車直前のミニの写真を添えて)

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