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英検準一級合格までの道 第一回

時間がない。今は夜の六時。とてもまずい。

明日の朝9時までに過去問を解き終わらなければならないのだ。
簡単なことだ。たった一回分の過去問をとくだけなのだから、二時間もかからないはずだ。なのにできない。集中力か、体力か、何の力が必要なのか、知ったもんじゃないが、とにかく今日は面倒で仕方がない。

僕はこれまで二回英検準一級に落ちている。語彙力、読解力、リスニング力。なにもかもが不足しているからだ。今年の二月最後の日曜日に、僕は三度目の正直を地で行かなければならない。このままなにもしなければ、きっと高校生というブランドを取り上げられる時期がくる。きっとすぐである。

英検準一級を初めて受けたのは、中学生のど真ん中であった。当時は英検二級の壁に頭突きをしていた時期なので、たいした準備もなく、テスト会場の扉をたたき、椅子を引き、着席し、泣いた。英検の試験問題の青い袋とじみたいな紙テープをちぎるまでが試験ですって感じだった。そのあとはただマークシートを塗りつぶし、英作文のテンプレをむりやりつくっていく拷問だった。英検のダブル受験というやつを経験させていただいた当時の僕は、もちろん、帰国子女ではなかったし、英語が特別好きなわけでもなかった。
英検準一級に挑戦する中学生と書くと、なんだかとっても英語が得意に見える。よくそう言われた。そうではない。中学生になったばかりの僕は、英検三級と準二級のダブル受験に挑んでしまったのだ。今でも思う。合格通知を飲み込んだあの夜、僕は自分の足元を見た。あれが良くなかった。

二級に合格したのは去年の話なので、僕は一年近くにこれに苦労したということになる。勘弁してくれ。いつか親にお金を返さなければいけないと思うのは僕がとっても良い子ということだろうか。
英検準一級にうかるといいことがたくさんあるという。正直いまいちピンとこない。高校生、勉強することはたくさんある。残された子供という時間も、たのしまなければもったいない。英検の時間配分は、人生のそれと比べてずいぶん簡単だ。ライティングをさっさとかたずけて、リーディングを語彙力と長文読解のテクニックを使ってぶん回していく。リスニングは受動的な行為なので、深呼吸を頑張る。正直むずすぎ。英検の音声きもい。もっと自然に話してくれたのむから。
人生には過去問がない。過去問に近いものはあると思う。論語とか歎異抄とかそういうのだろう。クロミちゃんの歎異抄なら読めた。原文はまだむり。英検はやさしい。過去問がある上に、それにそって本番がある。僕は日々その事実に感謝をもって勉強をしてきた。去年のクリスマスだっただろうか。サンタさんはとんでもないプレゼントをくれた。親も祖父母もなにもくれなかったのに。

そう、英検問題形式のリニューアルである。

昨年のクリスマスプレゼント

僕は泣いた。情けないなんて言うのはナンセンスである。男女同権の世である。情けなさはそのまま人情というもののはず。

英検問題の形式に、大きな変化はない。準一級をのぞいては。

リーディングが10問減る。特に大門①の語彙問題が7問減るのはすばらしい。だが要約とはなんだ。スピーキングの誘導なんちゃらもわかんない。

僕のクリスマスはこんな感じで終わった。とても悲しかった。一人さみしく窓際のトットちゃんを見に行った。一番後ろの席に座っていた。冒頭からずっと泣いていたと思う。映画の内容が素晴らしかったのは大前提です。

冒頭で、二月の最後の日曜日が本番だと書いた。察しの良い方はお気づきだと思うが、僕が受けるのは2023年度第三回のSーCBTだ。
つまり、今回の試験に落ちると、僕は英検対策を一からとまではいわないが、やり直さなければならない。おそろしいまでのめんどくさがりが発動したわけである。人生に過去問なく、英検に過去問あり。
ところがどうだ。来年度の新英検には過去問がない。僕は怖い。Z世代とか、08とかいう免罪符を発動する。無理。たいぱわるぅ~ってやつである。ぼくの二年間の亀様のごとき歩みを神様が笑っている声がする。
しかたがないのだ。やるしかない。うさぎさんダッシュである。僕は頑張る。

ぐだぐだとした終わりになるが、この記念すべき僕の初noteは、英検準一級をとるという意思表明の証だ。アニメや漫画のようにきらきらした証は僕らの日常にはかけらもおちていない。そこで今僕は思いついた。このnoteシリーズのきれいな終わり方をだ。そう、英検の合格証明書。とってもわかりやすくて承認欲求に直列回路で結ばれた証である。黒塗りの厚紙がこのnoteにのる日を待っていてほしい。

二月が始まる。残された時間は三週間半。やるなら今しかねぇ。である。

                        31th/ January/2024


※二日に一回ぐらいで更新予定です。文章は下手ですがよかったら見てやってください。。。