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実写版ムーランと政治問題について

おはようございます😃
いろいろと話題になり、ボイコット運動にまで発展した映画ムーランの実写版を観ました。
批判の的になったのは大きく2つです。

①撮影の一部を中国の新疆ウイグル自治区で当局と協力して行われていたためです。
『ムーラン』のエンドロールでは、「China Special Thanks(チャイナスペシャルサンクス)」として、中国での撮影で協力を得た機関や会社の名前が表示されているのですが、その中に、新疆や新疆ウイグル自治区のトルファンにある中国共産党の宣伝当局や公安当局の機関名があります。

エンドクレジット

②主役を演じる中国出身の俳優リウ・イーフェイさんが2019年8月、逃亡犯条例への抗議デモが行われていた香港について、自身のウェイボーで「香港警察を支持します」と投稿し、香港の人々やデモを支持する人たちから批判を浴びました。

国家安全維持法反対デモ

ディズニーは映画消費大国でもある中国消費者を取り込む狙いが当然あり、ムーランの制作に当たって何カ月も調査し、中国国内での上映を確実にするため、中国当局と脚本を共有していたと言われています。
これらの理由でボイコット運動「#BoycottMulan」というハッシュタグで抗議の意思表明が呼びかけられました。

アニメ版ムーラン

ちなみにこの『ムーラン』は、ディズニーの長編アニメで初めてアジア人女性を主人公とした作品です。
今回の映画は、1998年に公開されたアニメ版の実写化です。
このような政治問題と紐付いて、反対運動があり酷評レビューも多く見受けられしましたが、私としては自分の目で観て判断しようと思いDisny+で鑑賞しました。

新疆ウイグル自治区の強制収容所

結論から言うと映画としてはよくできていて、映画の中身にもちろん政治的なメッセージはありませんでした。
撮影やビジネスのために中国当局の協力や理解を求めたことが、特に人権侵害、文化的なジェノサイドが行われているとされている新疆ウイグル自治区だったことがセンセーショナルだったわけですが、映画としては素晴らしい作品なので、政治とは切り離して楽しんでもらいたいところです。
もちろん、人権問題や民族弾圧を正当化したり、支援するようなことはあってはなりませんがそこまでの影響や問題があるとは私には思えませんでした。

また、俳優の政治的な発言も自国で芸能活動をすることを考えたり、自国の政策を支持することは良い悪いではなく、人としては一定の理解はせざるを得ません。
もちろんあまり好ましいとは思いませんから、私でしたら政治的な中立を保つ努力として政治的な発言を一切しないという選択肢を取りますが、そうもいかない事情があったのかもしれません。

いずれにしてもエンタメ作品と政治問題、国際問題を必要以上に結びつけて作品の価値を貶めるのもいかがなものかと思います。
中国人の友人や知人を多く持ち、人としては好きな人達もいますが中国という国、共産党が行っていることについては異論がありますし抗議したいことも多々あります。
ちなみに中国人だからといって、共産党の政策に完全同意しているわけではないですし、日本人と同様に政治に興味のない人たちもたくさんいます。
一括に中国は、中国人はという論調には気をつけたいところです。
日本にも良い面もあれば悪い面もありますし、日本人だからといって国の政策に同意できないことも多々ありますからね。

ただ、中国の政治体制は民主主義ではないのであまり自由意志を表明すると危険な目に合うこともあるということは理解した上で、メディアで報道される内容を見る目が必要です。

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