【CHC】2024 Chicago Cubs Prospects Note #1
こんにちは。カブス担当のMasatoです。
毎年恒例のプロスペクトnoteの執筆時期がやってまいりました。
昨年執筆したプロスペクトnoteが昨年執筆したnoteの中で1番読まれていたことを1年の振り返りで知り、個人的にもモチベーションが上がったので今年も執筆しようと思います。
2023年のカブスはMiguel Amayaのメジャーデビューに始まり、
と7人のプロスペクトがメジャーデビューに到達し、未来に希望が見出せたシーズンとなりました。
先日MLB公式より発表された2024年の全体Top100のランキングでも全30球団最多の7人がランクインし、各媒体からも年々高評価を得ており、注目度もますます増しているカブスのマイナー組織。
今回は第1弾として、20人を紹介しようと思います。
現カブス傘下のNo.1プロスペクト。ニックネームは頭文字を取ってPCA。2020年のMLBドラフトで1巡目(全体19位)でNYMから指名されプロ入り。2021年のトレードデッドラインでJavier Báez 、Trevor Williamsとのトレードで獲得。
20-80スケールで70評価のスピードを活かした広大なレンジと平均以上の肩を備え、最高の80評価を得る守備の魔術師。
2023年は2A/3Aで20HR .283/.365/.511/.876/37SB/wRC+127とマイナーでは打撃走塁でも存在感を見せ、7月には2年連続となるオールスター・フューチャーズゲームにも選出。9月11日にセプテンバーコールアップの対象となり同日のCOR戦でメジャーデビュー。CFでその守備力をまざまざと見せつけ、球界屈指のディフェンダーであることを証明。
しかし、メジャーでは打撃が影を潜め、速球に差し込まれる場面も多く、14打席でノーヒット7三振。メジャーでも打撃で活躍できるところをあとは証明するだけ。
テレビ・シリーズの「ヒーローズ」にも出演しているMatthew John Armstrongと映画「リトル・ビッグ・リーグ」で主人公の母親役を演じたAshley Crowというハリウッド俳優を両親に持つサラブレッド。
2022年ドラフト全体7位指名。オクラホマ大在籍時のカレッジ・ワールドシリーズ決勝ラウンド対ミシシッピ大との試合でニューレコードとなる1試合13奪三振を記録し一気に評価が急上昇。しかし指名当時は2021年にトミー・ジョン手術を受けた影響でカレッジでのサンプルが少なく、オーバーピックではと懐疑的な声もありました。
しかしそんな声はなんのその。デビューとなった2023年はA〜2Aでプレーし、88.1IP/ERA2.65/WHIP1.00/117K/FIP2.90・K/9=11.95・K%=33.5%と支配的な投球を披露。カブスマイナーの年間最優秀投手にも選出されました。
平均94-98mphの速球とプラスのスライダーが主体でカーブまたは現在絶賛開発中のスプリットチェンジがさらに成長すれば、ローテーション上位を張れるポテンシャルを持っています。
先日MLB公式より発表された右投手プロスペクトランキングでは3位にランクインし、ポテンシャルをかなり高く評価され、一流投手候補として確固たる地位を築いています。
近い将来メジャーデビューが期待される注目株の1人。
ホートンは学生時代SSや3Bなどの内野でもプレーした選手で、高校時代はアメフトのQBも務め、優秀な成績を収めた経歴も持つ身体能力抜群のアスリート。
2020年オフにダルビッシュ有、Victor Caratiniとの2-5の大型トレードでSDから獲得した4人のプロスペクトのうちの1人。
※ 筆者は"ONKC"とたまに呼んだりします。
カブス傘下のプロスペクトの中でもパワーツールはトップクラスでツボにハマった時の飛距離や打球の強さはまさに天賦の才。
5月10日のTB傘下 Montgomery Biscuits戦で打った117mphのHRはまさにその象徴と言えるでしょう。
2023年は2Aで 22HR .289/84RBI/.398/.519/.917・BB%=14.4%・wRC+144をマークし、チームが所属するサザンリーグ制覇にも貢献。しかし、K%=31.1%と三振は多く、ボールコンタクトは依然課題点。
守備は主にRFも、101試合(863.1IP)でエラー2つと悪くなく、Assist10を記録する肩の強さも持ち合わせるため、平均的なRFディフェンダーになれるとの見立て。
2023年3月に行われたWBCにもカナダ代表の一員としてプレーし、イギリス戦では108.3mphの打球をバックスクリーンにぶち込んだシーンはカブスファンの心を踊らせました。PCAとTriantosが観戦していてカメラに抜かれたのも記憶に新しいですね。
2023年ドラフト1巡目(全体13位)指名。メリーランド大時代の2022年夏にケープコッドリーグ首位打者&MVP。ドラフト年にはビッグ・テン・カンファレンスの年間最優秀選手、ブルックス・ウォレス賞を受賞するなどカレッジトップレベルのSSとして名を馳せたShawはマイナーでもその能力をいかんなく発揮。ACL〜2Aまで進み、8HR .357/.400/.618/1.018/15SB・wRC+170を記録。
大柄な体格ではないものの、思い切りの良いスイングから広角にバレル性の強烈な打球を量産するバットコントロールとパワーを備えたハイフロアな打撃が高評価。昨年の平均Exit Velocityは92.2mphを記録。(112mphの打球も打っていました。)
守備ではSSをメインで守るものの、肩の弱さが弱点で守備位置は2Bが適性ポジション。
こちらも近いうちにメジャー昇格が期待される注目株。
2024年1月にJackson FerrisとZyhir HopeのトレードでLADから獲得。非凡なバッティングセンスが光るコーナー内野手。
4月25日にメジャーへ昇格し、同日のPIT戦でメジャーデビュー。メジャーでは27試合で .167/.247/.292/.539・2HRと壁にぶち当たってしまっていますが、3Aでは全球団マイナーリーグの全選手の中で8位となるOBP.431、全体2位となるOPS1.049をマークし、パシフィック・コースト・リーグMVPとBaseball Americaが選出する2023年ドジャースのマイナー年間最優秀選手に選ばれました。
ソリッドかつマイナートップレベルのバッティングセンスと優れた出塁技術を持つ中軸のパワーヒッター候補になれる存在で、彼にとってもうマイナーでやることはすべて終え、今度はメジャーの舞台で長く活躍する番です。
マイナーで培ってきた経験を武器にメジャーでもバンバン打ってほしい。
守備では昨年から3Bに挑戦し始めたことによる経験不足もあるかもしれませんが、上手いとは言えず、Nick MadrigalやPatrick Wisdomらを押し退けてまで起用する肩の強さもないため、3Bでの起用はあまり期待できないかなと感じておりカブスでは1Bメインでの起用となるかなと予想。
2021年のトレードデッドラインでAnthony RizzoとのトレードでNYYから獲得したプロスペクト。
傑出した運動能力を兼ね備えたフィジカルモンスター。6ft6の長身と長い手足を活かし、広角に強烈な長打を量産するパワーツールが最大の強み。
2023年はA+で95試合に出場し12HR .286/.341/.466/.807・wRC+ 124と好成績をマークし2Aへ昇格。アプローチの脆さとスイングの長さは依然として要改善も、2024年は2Aで結果を残していきたいところ。
守備面も長いリーチを生かして時折ダイビングキャッチで沸かせるなど広いレンジと強肩を兼ね備えるも、将来的には両翼が理想。(なんせPCAがいるのでね。)
2021年ドラフト2巡目指名。洗練されたヒットツールを高く評価されている成熟したミドルヒッター。
開幕前に右膝を手術し出遅れたものの、2023年のA+では80試合に出場し4HR .285/.363/.390/.753 ・wRC+ 115をマークし9月には2Aに昇格しました。
A+ではBB%=9.7%・K%=10.6%。Contact%=83%とゾーンマネジメントに長けている点も彼の強みと言えます。
オフにはアリゾナフォールリーグにも選抜され、22試合で .417/.495/.679/1.174・3HRをマークし、打撃部門のMVPを獲得。
パワーツールにも磨きがかかっており、平均打球速度も82.6mph→ 87.6mphへと急上昇。Exit Velocityも、99mph→ 102.5mphと上昇しています。
SSにはDansby Swanson、2BにはNico Hoernerという高い壁がおり、守備での起用がかなり難しい立ち位置でありますが、バットでは確実にプラスを生み出せる選手のため、打撃でバンバンアピールをしてほしいところ。
洗練された投球術と精密にコマンドされたコントロールに長けた完成度の高いスターター。打者を圧倒するような球威はないものの、平均91-94mphのファストボールと彼の最大の武器縦にスーッと落ちるチェンジアップのコンビネーションで空振りの山を築き、発展途上ではあるスライダー・カッター・カーブを含めた6球種を交えて相手打者の芯を外しゴロアウトを量産する。
2023年は2A/3Aで20試合(91.1IP)に登板し7勝0敗・ERA3.35/99SO/WHIP1.17と活躍し、8月26日にコールアップされ、同日のPIT戦で先発デビュー。
メジャーでも7試合に先発し4勝1敗・ERA4.41/24SO/WHIP1.27と実力を発揮しました。2024年もバックエンドスターターとしてのローテーション入りが期待されます。
2021年の国際FAで契約金120万ドルで入団したベネズエランキャッチャー。
2023年は19歳ながらA/A+で14HR .287/.379/.460/.839。wRC+もAで142、A+で128と打撃でブレイクし、9月には2Aに昇格。
その成績も評価され、2023年のカブスマイナー年間最優秀野手に選出されました。
彼のウリは優れたバッティングですが、一方で身長が低くずんぐりとした体型からアジリティは皆無で、2023年のCS %は25%と低く(20/59)、エラー6つにPBも5と捕手として今後残れるかは正直疑問符。1B/DHでの出場機会もあるものの、将来的にはDH専になる可能性もあるかなと思っています。
筆者が思うタイプ的にはTORのAlejandro Kirkみたいな感じ。
2022年の国際FAで契約金100万ドルで入団したドミニカ出身内野手。
コンパクトかつ力強いスイングから高いランチアングルの打球も打てる打撃が魅力で、2022年にDSLで.303/.391/.407/.797・wRC+119。DSLオールスターに選ばれるなど鮮烈なデビューを果たし、2023年は18歳ながらAで主に2,3番打者として7HR .265/.342/.400/.742/13SB/31RBI・wRC+115とソリッドなパフォーマンスを披露。2022年時よりも身体も一回り大きくなりパワーも付いて来ました。
守備も突出したツールはないものの、肩は強く、SSで残れるためのディフェンスはOK。
2022年のトレードデッドラインでDavid RobertsonとのトレードでPHIから獲得したプロスペクト。
6ft6の高身長から投げ下ろす平均94-96mphの速球とカーブを主体とし、ハードスライダー/カッターで2023年は2A/3Aで130奪三振をマークし、K%=32.6%と優秀な成績を残しました。三振をバンバン奪えるポイントは彼のストロングポイント。
開幕を2Aでスタートし4試合でERA0.45と無双し4月おわりに3Aに昇格するも72.2IPでERA5.33と苦戦。BB%も15.8%と高く、制球面での課題を露呈。今後先発ローテーションに入っていけるかは未知数。(入れてもミドルスターターが良いところ。)
トミー・ジョン明けという事も考慮しても、耐久性の部分でブルペンが適任かも?
2021年のトレードデッドラインでKris BryantとのトレードでCaleb Kilianとともに獲得。
2022年にマイナー2位となる37本塁打を放ったパワーヒッタープロスペクト。
同年オフに参戦したドミニカウィンターリーグで左足首骨折と左肩脱臼の重傷を負ったものの、2023年は3Aで36試合に出場し、8HR .276/.342/.524/.866・wRC+111と好調な結果を残し、9月にはセプテンバーコールアップの対象となり念願のメジャー昇格。9月6日の古巣SF戦でメジャーデビューを果たしました。
2023年はなかなか出場機会には恵まれなかったものの、19日のPIT戦で放った豪快なグランドスラムはカブスファンの脳裏に焼き付いています。
2024年は競争に勝ち抜き、出場機会の確保を目指したいところ。
2018年にTORと契約したものの出場がなくリリースされ、2021年にカブスと契約。元々はSSの野手でしたが、カブスと投手として契約後は本格的に投手に転向。これが彼にとって転機となり、速球も100mphに到達するほどの最大の武器に。ここにプラスピッチとなるチェンジアップ、まだ荒削りではあるもののショートカッター気味のスライダーの3球種。
2023年はAでローテーションの一角として11試合に登板しERA2.55/64K/FIP2.83・K%=37.2%・K/9=13.61と支配的な投球で6月にA+へ昇格しました。A+では11試合でERA5.77と打ち込まれていますが、素質はピカイチ。与四球率が依然として高い点を改善していきたいところ。
2023年の活躍が評価され一気にトッププロスペクトの立ち位置に。絶賛急成長中。
6ft8/220lbの堂々たる体躯から力感の強いデリバリーで90mph後半の速球と曲がりの大きい凶悪なスイーパーのコンビネーションで打者を制圧する左腕。
2023年はA+から3Aに駆け上がり、計63.2IP ERA2.12/105K・WHIP1.29/xFIP2.69・K %=37.6%, 2Aと3Aでは40%超をマーク。9月6日にはセプテンバーコールアップの対象となりメジャー昇格、同日のSF戦でメジャーデビューを果たしました。メジャーでも6.2回を12奪三振無失点と実力を証明。
通年の課題である制球面を改善し、クローザーやセットアップのポジションを掴み取りたいところ。2024年の活躍も大いに期待されます。
オフに40人枠に追加されたプエルトリコ出身内野手。
2023年に2A/3Aで20HR .271/.361/.456/.817・wRC+112をマークしブレイク。2017年のデビューから6年間で17本(最高で22年の9本)だった選手が1シーズンで20本と打棒が開花。アグレッシブなスイングでブンブンプルヒッティングするその姿はまさに同胞のJavier Báezのよう。
彼は守備面も20-80スケールで60評価を受けており優秀でSSとしてのスペックは申し分なし。しかし、カブスのDansby SwansonとNico Hoernerの鉄壁二遊間に割って入れるかと言われると正直難しい。UTという立ち位置での第3野手候補と考えればまだメジャーでも戦力になれるポテンシャルはあると思います。
オフにはプエルトリコウィンターリーグにも参戦し、オールスターにも選出されました。
慈善活動にも精力的に活動しており、自身の名前がついた財団 fundación Luis Vazquezをカブスと契約してすぐに設立し、地域社会への物資援助やプエルトリコの恵まれない青少年たちへの学業やスポーツ支援などを行っており、その功績が評価され、LBPRCからロベルト・クレメンテ賞を受賞しました。
野球だけではなく、人間性も優れた人格者。
IMGアカデミー出身の左腕。サイド気味のエクステンションからMax95mphのノビのある4シームとスライダー、発展途上ではあるがチェンジアップとカーブのコンビネーション。
2023年はトミー・ジョン手術から復帰するとAでの14試合(27.2回)でERA4.23・K%=36%をマーク。BB%=18.4%と制球面が課題だが奪三振能力やアップサイドの高さは抜群。
元々は野手としての評価が高かったので本格的な投手としての経験はまだ浅い。
Raw Powerと選球眼に優れた大型ファースト。ドラフト時はキャッチャーでの指名だったものの、プロに入ってからは本格的に1Bに。
2023年はA+/2Aで124試合に出場し、.275/19HR/88RBI/.397/.462/.859・15BB%・wRC+134と実力を証明。
しかし、8月は.192、9月は .200と急激に打撃が失速してしまったので、1年フルで戦える体力とグラウンダー系の打球が多いため、打球角度をもう少しつけて行きたいところ。
MLB公式がリリースしている1Bのプロスペクトランキングでは10位にランクイン。ドラフトでは15巡目という下位指名で2023年頭は球団傘下Top30にすらランクインしていなかった無名の選手が一気にトッププロスペクトの位置にまで急上昇。要注目株。
旧イギリス領 バハマ国出身のスイッチヒッター内野手。
両打席から長打を打てるパワーと優れた選球眼がプラスツール。
2023年は2Aで主力として124試合に出場し、16HR .263/.382/.462/.844・15.1BB%・wRC+128と好成績を残し、サザンリーグの制覇に貢献。7月には自身初となるオールスター・フューチャーズゲームにも選出されました。
走力は平均以下で肩も平均程度のため、将来的には1Bになるとの見立て。3月に行われたWBCでもイギリス代表のメンバーとしても出場しました。(4試合で BA.231/2RBI/OPS.697)
兄のBrandon Murray、Byron Murray、父親のBertie Murray Jr. 、祖父のBertie Murray Sr. 全員が野球経験者という野球一家出身。
Willson ContrerasのSTLとの契約で獲得したコンペンセーションピックにおいて指名した長身右腕。
平均94〜97mph・Max100mphに到達する威力抜群の4シームとプラスのチェンジアップ、80mph中盤のスライダー 、70mph前半の緩いカーブのコンビネーション。
ドラフト年となった2023年にUCL断裂によるトミー・ジョン手術で全休。アップサイドの高さを買われての指名だったと言えるでしょう。
出力自体は非常に高く、サードピッチの向上とコントロール改善の課題が良化してくれば、パワーリリーバーとしての活路は見出せるかと感じます。
球団国際FA史上最高額となる400万ドルの契約金で入団したドミニカ出身のヤングスター。国際FA2024クラスのトップレベルの評価を得るSSのトッププロスペクトでMLB公式では4位、Baseball Americaでは3位の評価を得ています。
筋肉質かつ無駄な体脂肪が少ないガッチリとしたボディーフレームからアグレッシブなスイングかつ抜群のバットスピードで左打者のような右方向へのギャップヒットなど強烈な打球を広角に飛ばす優れたバットコントロールがスカウトから高評価。平均以上のパワーもあり、体の成長に伴って20〜25HRも狙えるパワーポテンシャルを持っています。
守備も平均以上でスローイングに多少の不安定も、打球に対する一歩目が速く、柔らかなハンドリングと強いアーム、広いレンジ、素早い握り変えもあるため、SSとして長く活躍できるルックスとツールを持っており、その他にも平均以上のスプリント、アップサイドで高い評価を得ており、魅力的な5ツールポテンシャルをオールラウンドに備えています。
2006年にカブスと契約し、2015年まで活躍したStarlin Castroのいとこ。
以上、ざっと20人を簡単に紹介してみました。
次回は21〜40(?)あたりで考えてますが、リリースがいつになれるかはまだ不透明。。
ここからは徐々に知らない選手も増えてくるかと思いますが、少しでも知っていただけるよう筆者も努力します。
《参考文献》
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