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とある担当さんの日常 く( ̄▽ ̄ 第二話

第二話 新規留置


係長「部長、変態の新規もういけそう??」
部長「いつでもいけますよ。」
係長「了解。ほな上がってもらうな。」

留置場では、この新規業務、釈放や移送業務が定期的に行われる。
日本に犯罪を犯すものがいる限り。

係長「まずお名前を確認します。滝 対太郎(だきついたろう)さんでお間違いないですか?」

「はい。間違いないです。」

係長「今日からあなたはこの中で生活して頂きます。私たちのことは担当さんと呼んでください。私たちはこの中ではあなたを63番と呼びますので呼ばれたら指示に従ってください。それで今から身体検査に入ります。両手を上にあげて靴を脱いでください。」

63番「はい。僕はこの中にどれくらいいないとダメなんですか?家族に連絡してもいいですか?」
部長「そうゆうのも弁護士の関係も中に入ってから説明するから。場内で続けて身体検査と持ち物検査していくからとりあえず中、はいろか。午後4時12分入場します。出入り口開閉準備!」
担当「異常なし!」
部長「解錠!」

こうして新規留置が始まる。新規留置の際の身体検査は股間やケツ〇も見る。それは、危険物や薬物を隠し持っていないか確認するため。
ヤ〇ザなどで全身の入墨を見ることもあれば、男のシンボルにシリコンボールが入っている輩もいた、あれはレアだった。
持ち物検査も財布や携帯だけならいいが、ホームレスなど持ち物が多いときは一点一点確認するため、何時間もかかることも。

荷物検査を行う担当と規則説明をする部長

部長「…規則の説明は以上になるからまたわからんことあったらいつでも聞いて。荷物は財布と眼鏡やね、携帯は刑事が持ってるんかな?」
63番「そうですね。これ嫁とかにも連絡いくんですか?」
部長「俺らが連絡とるのは希望があれば、家族のうち一人やねん。その時に差し入れやら面会の説明もするから安心して。嫁とかには刑事の方から連絡いくんちゃうかな。じゃあぼちぼち部屋いこか」
63番「最悪や。離婚やん。」

留置部屋の説明:3.5畳程度の畳の部屋とトイレ、壁は真っ白で殺風景。部屋は鉄格子に囲まれている。掃除するときなどは担当が都度用意する。

63番「まじかよ。ここで生活するんですね。取調べとか今日はないんですか?」
担当「刑事さんの都合によるからそれはこっちではわからないんですよ。またお声掛かったら声掛けますね。」

刑事と話す部長

刑事「あいつ他にも余罪あって、援交とかもやってる可能性とかあるんで、長くなりそうですわ。」
部長「63番おとなしそうなんで、僕らはいつまでも大丈夫ですよー。」
刑事「助かります。今日は取調べする予定なくて、明日の朝一検察庁行く方向でお願いします!」
部長「了解しましたー。」

部長「3の2!ごめんやけど、最初やからいつも通りよく回ったってな。また色々言うてきたら呼んで!」
担当「了解です く( ̄▽ ̄ 」

担当の基本業務は事務処理に、留置場内の巡回業務などどっちかというとアクティブ要素は警察官のわりに少ない。被疑者が暴れだしたりした時には拘束衣などを用いるが、そんなこと滅多にない。それが起きないようにコミュニケーションを取っているのだから。
稀に最初からラ〇って話にならない奴も何人かいるが、そんなやつでも丸め込むのが、俺の仕事なのだ (一_一 ✛)キラン

係長「60番入場」

部長「異常なし!解錠」

60番「あいつらマジふざけてるわ!ほんま、はよ釈放しろよな!」

担当「調べ長かったですね~」

60番「あいつら同じことばっか聞いてくるから話すすまへん」

担当「なるほどね~、もうすぐ晩飯ですけどお菓子いります?」

60番「せやな!せんべいとチョコいれて!あとお茶と!」

担当「OKです!」

機嫌の悪い被疑者の扱い方は、2パターン「①話を逸らすか、②お菓子をあげる」お金が無くてお菓子が買えない被疑者には話をそらし、お茶か水を入れてあげる。これを徹底すればほぼ何も起きない。

18時 夕食

47番「今日の献立予想するわ、コロッケと魚の塩焼き!」
35番「俺は唐揚げや思うけどなー、それかハンバークやな、願望込めて」
47番「いや絶対にない(笑)あるはずがない。担当さん正解は?」
担当「今日はささみの揚げ物っぽい奴ですね(笑)ほな配っていきますね~」
47番「なんなんっぽいって!嫌やわ~。」

47番「意外とうまい!チーズ入ってる!」
55番「僕これ好きっすわ!」

担当「よかたよかた!35番さん唐揚げニアピンでしたね!」
35番「そうかな?でもこれまだいけるね、ちなみに明日のパンはメロンパンやったかな?」
担当「さすが正解です!一週間分覚えてるんですか?」
35番「なんとなく覚えてるよ、そりゃ3か月もいたら覚えるよ」
担当「尊敬します」
35番「アホいえ(笑)まあいいわ、担当さんお茶ちょーだい」

夕食が終われば、次は布団運び、歯磨き、洗顔でその後に点呼があり21時には完全消灯。だが、21時に寝れる者はほぼいない。

被疑者が布団を運び終わり点呼が始まる。

宿直責任者「点呼を始める!35番!」
35番「はい!」

...

宿直責任者「おやすみなさい☺」

35番「おやすみなさい(ーー)」

という感じで部屋順に番号とあいさつを終え、点呼は終了する。

お茶を配る担当

47番「担当さん、そういやこの前の合コンどうなったん?」
担当「よく覚えてますね!」
47番「当たり前やん!俺らの数少ない話のネタなんやから(笑)」
担当「この前出会った子が、かなりイケイケで、今度一緒にBBQすることになりました👍」
47番「うわっ、ええなぁ~。俺らにも紹介してや(笑)」
担当「そうですね!逮捕してここ宿泊してもらいましょか!(笑)」
47番「それは可哀想すぎるで、、酷やわ」
担当「うそですよ!!本気にしないでください(笑)しかも女性は女性専用の留置場になりますし」
47番「そっか、女性留置場どんな感じなんやろ?」・・・

こんな感じで会話は止まらない。
彼らも暇すぎて、担当と話すしか時間が潰せない状況なのである。
それが、僕にとっても好都合なのだが。。

21時消灯

消灯と言っても真っ暗になるわけではない。
被疑者が自殺していないかなど担当が見てわかるようにうす暗い電気がついている。
だから爆睡できる者は少ない。そもそも、こんな不安を煽る環境と暇な時間が多い空間の中、夜の21時から寝れる者などほとんどいない。

新規留置の者など特に…。

そんなうす暗い檻の中で、自殺などよからぬことを考える者も少なくなく、この時間帯こそ留置場の平和な日常が崩れる恐れがあることを我ら担当は忘れてはいけない。

#創作大賞2023 


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