READ➕ vol.18 模倣犯5 宮部みゆき 著

皆さんこんにちは。

佐々木です。

今日は成人式でしたね。

突然ですが、皆さんの中で20歳を超えてる人で、自分が1月の何日頃に成人式がおこなわれたのか知ってる方っていらっしゃいますか?

私は去年成人したので、まだ覚えております。
私は1月の6日に地元の静岡で成人式に参加しました。

感覚として、成人式が1月の中旬あたりが成人式だってことは分かっているのですが、私が成人式に参加した日がそれよりも一週間前ほど早かったので、無意識のうちに成人式はそれよりはやいんではなかったっけと思ってしまいます

そんなことを思っていたので、今朝、電車に乗っていつもならとても混んでる渋谷行きの電車が座ることができたので、一瞬その理由がわかりませんでしたが、そういえば今日は成人の日なのですね。

20歳を超えてから月日が立つのが早くなる、と言う忠告を鼻で笑っていた昨年ですが、その意味をこの一年間でようやく理解できたような気がします。

今年一年間は大事に生きていきたいです。

...それでは今日も書評を書いていきたいと思います。

〜目次〜
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[1]本日の1冊
[2]はじめに
[3]内容
[4]独断ポイント
[5]終わりに
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[1]本日の1冊
           模倣犯5    宮部みゆき 著

[2]はじめに
ついに楽しく読んでいた模倣犯もこの本でラストとなりました。

この本は、個人的に非常に印象に残る本となりました。

それはどうしてかというと、3日前ほどに大学の図書館で借りようと思ったら、他の人に借りられていて読むことができなかったのです。

みなさん、思い当たるところがあると思うのですが、人間って自分のほしいと思ったものが手に入りにくかったり、ほしいときにちょうど手に入らないと、無性に欲しくなるものじゃないですか。

私もまさにそれと同じでした。

借りられないと分かったら、かえって無性に読みたくなってしまい、結果的に本屋で3時間くらい立ち読みして、一気に読みました。

立ち読みという行為は、本屋や著者からすると非常に迷惑ですが、

「立ったまま本を読むと、長時間立ちっぱなしで疲れる半面、早く読み終わって座りたいから、異常な集中力で読むことができる」

という新たな気付きがありました。

家にいるときでも長時間集中してなにかしたい時は立ってやってみたいと思います。

[3]内容

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真犯人Xは生きている―。網川は、高井は栗橋の共犯者ではなく、むしろ巻き込まれた被害者だと主張して、「栗橋主犯・高井従犯」説に拠る滋子に反論し、一躍マスコミの寵児となった。由美子はそんな網川に精神的に依存し、兄の無実を信じ共闘していたが、その希望が潰えた時、身を投げた―。真犯人は一体誰なのか?あらゆる邪悪な欲望を映し出した犯罪劇、深い余韻を残して遂に閉幕。
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[4]独断ポイント
この本を読むまで、ミステリー小説系は、最後の最後まで犯人が分からないものだと思っておりましたが、この本は結構早い段階で犯人が誰かということが分かるので、最後までハラハラということはありませんでした。

こういった文章を読むと、

「なんだ、最初から犯人が分かっちゃうなんて、ちょっとつまらなそう...」
「ミステリー小説って、犯人がわからないからこそ楽しいんじゃないか」


という感想を持たれる方も一定数いらっしゃると思います。
私も模倣犯を読む前だったら、みなさんと同じ感想を抱いたと思います。

この本では物語の登場人物がどのように互いの心に影響を与えあい、刻々と変化する心情がかなり詳しく描写されます。

ただ、犯人がわかっている分、犯人を含めて登場人物たちの心の中にどういった心情の変化が起きるのかについて注力して読みすすめる事ができます。

一見なんでもないように思えるこの技術ですが、個人的には現代社会で生きていく上で非常に大事な技術なのではないかと思ってます。

なぜかというと、最近の特にネット社会、SNSにおいて、

「他人にこういったらこういう感情になるだろう」とか、
「"ここで自分の言いたいことを突き通すだけでは議論が進まない"ということがわからず、自分の世界に閉じこもってしまう人がとても多いように感じるからです。

これまで違う時代、違う家庭環境を育ってきた他人の意見と全く同じということがありえないということは分かっております。

ただ、ここ最近
「そんなこと言ったらどうなるか、小学生でもわかるだろ」というようなことを言ったり、してしまってしまう人が多いと思います。

もしそれを分かってやっているのだとしたら、問題は個人にあるためなんともしがいがありませんが、もしそういう能力が欠如してしまっているのならば、人間の感情の変化を時系列的に追うことができる読書はとても効果的だと思います。

ただ、個人的には、こういった事態が起きている問題の1つとして時代背景的な問題もあるのかなと思ったりします

今は人とのコミュニケーションツールはスマホでのやり取りが基本で、 相手の顔は基本わかりません、


これはどの方も経験があると思うのですが、スマホで非常にポジティブなことを送ったが、内情はそれとは正反対で、泣きながら文章を送ったり、
具体的な例だと、友達からの遊びの誘いに、本当は行きたいくないけど、行かないと嫌われそうだからやむなく誘いに乗ったり...

スマホができる前、私が中学生くらいまでは情報伝達手段は電話か対面が基本でした。

私より年上の人は、それが普通だったのですが、人間の適応力とは恐ろしいもので、相手の感情を読み取る力を麻痺させ、結果的にそれが"炎上"という形であらわれたりします。

でもそういう人であっても、オンラインでの情報伝達以前を生きてきた人は、対面での情報伝達も経験しているため、相手の感情の変化についてなんとなく違和感を持つことができます。

反対に"スマホ以後"を生きる今の小学生くらいの子どもたちは、スマホでの情報伝達に慣れきっているために、自分がしたこと、発言したことに対して相手がどのような印象を受けるのか理解できないままおとなになってしまう人が現れてもおかしくないと私は思います。

そんな「相手の心理がわからない人たちが相互に意思疎通をすることは難しいと思います」

これには、少し憶測が入ってますが、もし私の仮説が正しかった場合、自分の感情を介さずに第三者の心の変化を客観的に感じることができる読書はかなり役に立つのではないかと思います。

[5]終わりに

「最近、自分の感情が制御できない時がある」
「相手の気持ちが理解でいない時があると思ったことがある」と感じたら、

推理小説を読んでみると良いかもしれません

ここまで読んでくださりありがとうございました



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