READ+ vol.1 「クラインの壺」

こんにちは。
佐々木です。
わたしは読書をするのが好きで、毎日1冊は読むようにしているのですが、現状アウトプットするのはtwitterでつぶやくくらいしかやっておらず、なんだかもったいないように感じているので、これからnoteでもう少し詳しく詳細について書いてみたいと思ってます。
読書マラソンのような感じで、1日1冊ペースで紹介できればと思います。
「READ+」という題名は特に意味はないです。また変えるかもです。

私はかなり忘れっぽい性格であるため、1日1冊投稿ではなく、一週間で7冊投稿をするという自分ルールを作りたいと思います。

どこまで続くかわかりませんが、とりあえず一週間やってみたいと思います。

※この文章はスマートフォンで読みやすいように書かれています。予めご了承ください。

  〜目次〜
  1]本日の1冊
  2]はじめに
  3]内容
4]ポイント解説
  5]終わりに

[1]本日の1冊  
クラインの壺 岡嶋二人 著 講談社           <amazon ・ kindleで購入する>

[2]はじめに
本日紹介する1冊は、1989年に出版された少し古い本ですが、「クラインの壺」について紹介します。

著者は「岡嶋二人」と書かれておりますが、名前の「二人」の通り、徳山諄一と井上夢人というお二方の共作筆名です。他にも2人で書いた本が何冊かあるようですが、クラインの壺を最後にコンビを解消されているようです。

この本は、私が親しくさせていただいているエンジニアの方に教えていただいた本ですが、その内容のユニークさと著者の先見性に舌を巻き、気づいたら授業に出るのも忘れて読んでおりました。(ちゃんとお昼は食べました。)

[3]内容
とりあえず、内容紹介にいきたいと思います。

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ゲームブックの原作募集に応募したことがきっかけでヴァーチャルリアリティ・システム『クライン2』の制作に関わることになった青年、上杉。アルバイト雑誌を見てやって来た少女、高石梨紗とともに、謎につつまれた研究所でゲーマーとなって仮想現実の世界へ入り込むことになった。ところが、二人がゲームだと信じていたそのシステムの実態は…。現実が歪み虚構が交錯する恐怖。(amazonの説明欄より)
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本作は1989年に出版された古い本ではあるのですが、VRの世界を題材にしています。今話題の技術を30年前に考えていた人がいた、それも小説家で、というところが個人的にとてもユニークなところだと思います。

[4]王道ポイント!!
王道ポイントはやはり、主人公の上杉が今、機械の中にいるのか、それとも機械の外にいるのか考え続けるところにあると思います。
この機械は「KLEIN-2」という名前なのですが、これがとても精巧に作られており、また今のVRは主に目を覆うものが主流かと思いますが、このKLEIN-2は体全体を包むように出来ており、五感の全てを現実世界さながらに再現できるので、物語の主人公が、現実世界にいるのか否かはわかりません。

本を読んでいっても、そこを見極めるのが難しいので、見極めながら読んでいくのが面白いのではないかと思います。

[4]偏見ポイント!!
偏見ポイントですが、デバイスのメモリーの表記が30年前らしいなと思ったと思った箇所です。

本文中に
「一般に使われているパソコンには、その本体に約一メガ・バイトという大きさの記憶素子が入っている。」
という記載があります。

現在、誰もが使っているLINEの、画像送受信一枚あたりのデータ消費量が3MBということなので、30年前のパソコンがどれほどのものだったか想像が垣間見える文ですね。
また、KLEIN-2の記憶容量が「ペタ単位」だと書かれておりました。
実感がわかなかったので、色々と調べてみたところ、どうやら、

「世界中のすべての言語で書かれた文章の総合計」

が1ペタバイトということです。個人的には途方もないようなデータ量に感じられますが、

「googleが1日に処理するデータ量」
 
も同じく1ペタバイトと書かれておりましたので、あと10年後とかには同じような装置が開発されていてもおかしくないのかもしれませんね。

[5]終わりに
ページ数は500ページ弱あり、私自身「分厚いな...」と思いましたが、ストーリーの面白さと、壮大さから、途中から「これ500ページじゃ少ないんじゃないかな」と思い始めるほどでした。

この本の良いところであり、また人によってはネガティブに感じる部分としては、結末はハッピーエンドではありません。
読了後になんとも言えないモヤモヤが残るのではないかと思います。

でも、これは現代を生きる私達が読む上ではとても良いことなんだと思います。なぜなら、現在のVR技術をどう使うかまだ誰も答えを出せてないからです。私達個人それぞれがVRを使う上での正解を見つけていく上では、この本はとても有益なのではないかと思います。

もし本書に登場するVR技術が本当にできたら....
皆さんはそこに一生入っていたいですか?

おそらく世界中で貧困がなくなり、ストレスを抱える人がいなくなり、貨幣の価値もなくなり、みんなが幸せに暮らせるはずです。

現状、私達は、「クラインの壺(本書でのKLEIN−2)」に入って生活している、と考えて生活されている方は1人もいないかと思います。
それは、記憶も、感情も全て自分の脳が司っていると考えるからです。
でも、もし、私たちが生まれた直後に私の脳に基盤が埋め込まれて、今の私はその基盤を読み込んでいるだけだったら...

もちろんこの記述が馬鹿げていることは分かってますが、VRやその他デバイスの技術の発達とともに生きる私達は、こういった馬鹿げた問いから逃れることは出来ないと思います。

もしこういった装置が現実になったら...

...皆さんはそこに一生入っていたいですか?

ここまで読んでくださりありがとうございました。

明日もお楽しみに!

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