僕が"介護"にこだわるわけ
"あのさ、佐々木くん、
介護って高齢者のお世話をすることだって思ってるんでしょ。
でも実はそれだけじゃないんだよね。"
1. 変化が起きるのが「いい言葉」
最近、GO三浦さんの「言語化力」という本を読みました。
変化が起きるのが「いい言葉」。
本の中で三浦さんはそうおっしゃっていました。
そして、その言葉を頭の中で反芻しながら、これまでの人生で、自分が一番変化を与えてくれた言葉を思い出していました。
それが冒頭の言葉。
"介護は高齢者のお世話をすることだけが仕事では無い"
これは後述する介護施設でのアルバイト中にある女性から言われた一言でした。その一言のおかげで今の私があります。
2019年3月から1年間、大学の同期が公務員や大企業に内定をもらう中、私は休学をして介護と関わってきました。
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これまでの介護との関わり
2018/12〜 Join for Kaigo のサポートメンバー(KAIGO LEADERS)として参画
2019/2-4 ヤングケアラーの実態調査を中国・北京で行う
2019/4-10 介護、相続に関してのブログ(note)を書く
2019/6〜 介護系のサービスで作ってみたいものができ、プログラミングの勉強を再開
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2. 介護施設で働こうと思ったワケ
先述した通り、以前私は神奈川のとある介護施設でアルバイトとして働いていました。
介護施設で働こうと思った理由を一言で表すと、ありがちですが、
”高齢化に危機感を持った”から。
高校を卒業するまで住んでいた地元静岡でも、高齢者の数は増え続け、大きな問題となっていました。
東京の大学を選んだのも、どんどん活気がなくなっていく地元に虚しさと焦燥感を持ったから。
上京して、横浜にある祖母の家で居候を始め、たまに渋谷や新宿なんかに遊びに行くと、あまりの同年代の多さに、高齢化は地方だけの問題だ、と錯覚することもありました。
ただ、なんとなく若者が多そうな横浜は、特に平日の日中などに出歩くと街中は高齢の方が目立ち、また大学で社会保障を勉強する中で都市部の高齢化も深刻化することを知りました。
結局日本全国が高齢化するのか。
何からしたらよくわからないけど、きっと手がかりがあるはずだから、とりあえず介護施設で働いてみようー。
介護施設で働き始めたのにはそんな経緯がありました。
3. ある介護職員の方との出会い
いざ、意識高い志を持って始めた介護施設でのアルバイトでしたが、
業務は認知症を患った方、自分の足で歩くことができなくなった高齢者の方にトイレや食事の介助をする日々の業務に忙殺される日々。
慢性的な人手不足で職員の方も疲れ切っている方も多かった印象で、私自身正直疲弊していました。
ただ、その中でも1人だけ、イキイキと働かれている方がいらっしゃました。
仮にその方をAさんと呼びます。Aさんは40代くらいの女性で、優しく、利用者の方からとても慕われてました。
アルバイトを始めてから1ヶ月ほど経過したある日、私はたまたまAさんと2人で洗濯物を干すことがありました。
私はずっと疑問に思っていたことを尋ねてみることにしました。
"なんでAさんってそんなに楽しそうに働かれるんですか?"
その時、Aさんは洗濯物を干す手を止めて出てきたのが冒頭の言葉でした。
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Aさん:あのさ、佐々木くん、介護って"高齢者のお世話をすること"だって思ってるんでしょ。でも、私はそれだけじゃないと思うんだよね。
佐々木: いや、それ以外に何があるんですか笑
Aさん:確かに、仕事自体は高齢者の方のお世話だよ。
佐々木:ですね。
Aさん:私ももともとさ、介護なんて全然興味なかったし、長いこと別の業界で仕事してた。だから偉そうなことは言えない。おばさんの独り言、みたいに受け取って欲しいの。
佐々木:わ、わかりました。
Aさん:佐々木くんが今どうなのか分からないけど、私、若い頃は、仕事で成功したい、成長したい、ってとにかく思ってたのね。
私が佐々木君くらいの頃は、まだまだバブルの名残があってね。
当時は今とは比にならないくらい女性差別が酷かったんだけど、私はそれが悔しくて、必死に仕事してたわ。
佐々木:そうだったんですね。
Aさん:それで、若い頃はずっと仕事一辺倒だったんだけど、結婚して子どもができたら、考えが180°変わったの。
佐々木:考えが変わった?
Aさん:うん。これまでは自分の成長だけにこだわってきたんだけど、子供の成長を見ながら、日本の将来についても考えるようになって。
私1人の成長を追うことは簡単だったんだけど、それが子供のことも考えると途端に難しくなるのよね。私が若かった頃と比べて日本は明らかに体力がなくなってきて、色々おかしくなってる。
例えば、今の日本の財源の結構な部分は、引退した方々のために使われていて。これまでの日本を作ってくださった方に感謝しなければいけないのは当たり前なんだけど、私はやっぱり若い人たちにもリソースが配分されるべきだと思っているの。
佐々木:それは確かに問題だと思います。
Aさん:ただね、それを横で傍観したり、批判するだけじゃなくて、介護の現場で働きながら考えてみたらわかるものがあるんじゃ無いかと思って。
それで前の会社をやめて介護施設で働いてみることにしたの。
佐々木:なるほど。
...........
Aさん:ここでいきなり質問なんだけど、介護の"護"は、文字通り、「まもる」って意味だよね。じゃあ、"介" って、どういう意味かわかる?
佐々木:うーん、分からないです。
Aさん:実はね、"間に受け持つ"って意味があるんだよね。
これ100%私の受け売りなんだけど、"介護"って言葉の意味は
日本社会に尽力してきた人たちの最期を護って、それと同時にこれからの社会を担う子供達が生きていけるように橋渡しをする。
だと思うの。ちょっとカッコつけすぎたかな笑
佐々木:カッコ良すぎです。笑
でも、介護を考えることが、同時に将来の子供達のことを考えることに繋がるなんて全然考えてなかったです。
Aさん:そうだよね。あ、あと、私と同じような考えを持って介護業界で働かれている方も結構いるのよ。それも合わせて覚えておいてほしいな。
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「介護は高齢者のお世話をするだけじゃない」
その言葉に文字通り強い衝撃を受け、
その言葉で私の心の中に大きな変化が起きました。
「介護って高齢者のシモの世話とかするんだろ、俺そんなの絶対無理。」
「よくそんなことやってるよね、偉いね」
バイトしてる最中も、介護のことに携わっている今も、同期の友人たちからこんなことを言われることがありました。
そんな言葉にブレることなく、これまでやってこれたのも、わざわざ中国まで行って100人に突撃インタビューをすることも、noteを書き続けることも、プログラミングの勉強を再開することも、ひとえに、その一言があったからだと思います。
たった1つの言葉で、自分の行動が、人生が変わってしまうなんて、本当に言葉は大切で、怖いものだなと思います。
最近、なかなかうまくいかないことが多くて、悶々としてましたが、改めて言語化してみると考えがまとまって良いなと思いました。
4. 最後に
変化が起きるのが「いい言葉」、
の他にも、一回読んだだけでは消化できないくらい大切にしたい言葉をたくさん見つけたので、またうまくいかないことが続いた時に読み返したい本でした。
また、4/2に、三浦さんの2冊目の本も出るようです!
以下サイトから抜粋した目次(一部)ですが、とても面白そうなので予約しました
読むのが楽しみです
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました🙇♂️
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