READ➕ vol.13 「ヨーロッパ戦後史」 トニー・ジャット 著

みなさん、こんにちは。

佐々木です。

遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

年末年始いかがお過ごしでしょうか?

人によっては明日から仕事始めの方もいらっしゃるかもしれませんね。
寒い日が続いておりますので、体調にはくれぐれもお気をつけてお過ごしください。

私は、年末年始を長野の会員制のホテルで働きながら過ごしているのですが、カウントダウンもそこの社員寮で、題名にある「ヨーロッパ戦後史」という本とずっと格闘しておりました。

書評がずっと更新できておりませんでしたが、その原因もこの本にあります。

新年一発目とても重い本ですが、今回も書評を書いていきたいと思います。

〜目次〜
---------------------
[1]本日の1冊
[2]はじめに
[3]内容
[4]独断ポイント
[5]終わりに
---------------------

[1]本日の1冊
「ヨーロッパ戦後史 上」 トニー・ジャット著 

[2]はじめに

...まず驚くのがその値段ですね。

この本は上下の二冊で構成されているのですが、2冊で約1万5千円とかなりお高くなっております。

もちろん、ページ数もその分多く1冊で600ページ超え、2冊で1000ページを超えます。
また一ページに文章が2段でとても細かい字で書かれており、内容も1ページごとにとても濃いものなので、この本100ページで普通の新書一冊分の情報量に匹敵するのではないかと個人的には思います。

そこで、これからしばらくの書評は、この「ヨーロッパ戦後史」の100ページごとの内容を求めたものにしたいと思います。(この本を書評一回でまとめることは私にはとても無理なので...)


そもそも、なぜこの本を読もうと思ったかというと、大学の授業で使うためだったのと、「そういえばヨーロッパの戦後史って受験で勉強したくらいであまり深く知らないなと思い、時間のある今のうちにきちんと学んでおきたいと思ったこと、大学の図書館に置いてあったのと、大学が休みに入り、時間があったので、読んでみることにしました。

[3]内容

まず、下記がアマゾンの紹介ページに載っておりました書評なのですが...

△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼
数千万の死者と瓦礫の中からヨーロッパは再生の道を歩み始めた。以降60年、いよいよ結末を迎えつつある「戦後」を途方もない筆力で描き切った、いま最も注目される歴史家の快著。
△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼

この本、いろいろな切り口から語ることができすぎるが故に、どこから切り口を見つけるのかがとてもむずかしい本なのです!!

内容は確かに濃かったはずなのに、「今誰かに内容を説明しろ」
と言われてもできる自信がありません。

私は、高校のとき世界史でヨーロッパ戦後史を勉強しておりましたが、あの複雑な欧州の戦後史を本2冊だけででまとめるのは無理があるだろうというのがこの本を読むまでの正直な感想でありました。

今、私のこの文章を読んでくださっている方の中にも私と同じような感想を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。

「もしかしたら、時間の無駄で終わるかもしれない...」
と考えたりしたものの、各方面のこの本に対する評価がとても高かったのと、ピューリッツァー賞の最終候補まで残った、と言う理由から読んでみることにしました。

[4]独断ポイント
まずはじめに、この本を読んで非常に良かったです。何が一番良かったかというと、いかに高校で学んだヨーロッパ戦後史が表面的だったのかということが、ひしひしと感じられたことです。

また、そもそもの私のヨーロッパ戦後史における知識がいかに欠落していたかがよくわかりました。(笑)

高校の世界史では、ヨーロッパ戦後史はさらっと触れるくらいで終わりますし、「受験において抑えておくべきポイント」という観点からでしか勉強しません。
そのまま大学に入り、文学部の人の人とかを除き、戦後史を学ぶ機会は殆どないと思います。

かく言う私も、大学に入ってから自発的に勉強しなければ一生学ぶ機会は訪れない立場にいます。

ただ、私を含めて各国の戦後史を学ばないのは国際社会を生きる上で非常にもったいないことだと思います。


突然ですが、これを読んでくださっている方の中で、「関が原の戦い」に人生が非常に左右されたというかたはいらっしゃいますか?

おそらく、そこまで多くはいないのではないでしょうか?

それと同じように、今を生きるヨーロッパの人たちも、例えば「十字軍の派遣」や、「ワーテルローの戦い」にはそれほど影響は受けていないと思います。
    (上記の戦い系の例は特に深い意味はありません。)

その理由は、その時代に生きた人たちが現時点で一人もいないから。

これは非常に個人的な考えですが、どれだけ偉業を成し遂げた人でも、死んでしまえば影響力は限りなく0に近づきます。

この考えからいくと、今の私達の思考を形成しているのは、多分に戦後史の歴史の影響があるのではないかと思います。

なぜなら、1940年後半を生きていた人たちがまだまだたくさん生きているから。

そして、私達の各民族に対するそれぞれの反応も戦後史の影響を多分に受けているから。(日本で言えば日韓、日中、アメリカで言えばキューバ、ドイツ、ユダヤ人で言えば、ドイツ、東欧、アメリカ等)

このようなことから、海外の人とコミュニケーションを取る上で、英語が非常に重視されている昨今ですが、英語が大切なのは大前提としてあるとしても、それと同じかそれ以上に各国の人々が近隣諸国とどういうふうに関わり、どういう感情を抱いているのかを知ることは非常に重要なことなのではないかと個人的には思います。

この本の素晴らしかったところは、

著者のトニー・ジャット自身はイギリス人ですが、だからといってヒトラーやソ連に対する批判に偏って書いているわけではまったくなく、極めて中立的な立場で、事実に基づいて中立的な立場で書かれていたことです。

先述したとおり、日本の国際問題といったら、日韓問題、日中問題、北方領土問題等を想起される方が多いかと思いますが、 歴史家と名乗っていらっしゃる方の中にも、日本側に偏ったり、また反対に韓国、中国、ロシア側に偏って書いている方がかなりいらっしゃいます。

でも歴史家、ジャーナリストに限らず、発信をする人の最低限のマナーとして、それがいかにこちら側が不快になったり不利な状況になったとしても、まずは事実を発信する必要があると考えます。

どんなに面白おかしく文章を書いていたり、読者の気分が良くなるように書かれている本でも、それがれっきとした事実に基づいていなかった場合、文章としての価値は0になってしまう。

文章を書く上での優先順位
①事実
②ロジック
③言葉遣い


と、最近読み始めた下記の本に書かれておりました

が、トニー・ジャットの場合は

一部の人種、民族に偏って書かないから、読者が感情的にならずに、淡々と事実を追うことができる。

事実に基づいているからこんな長文な文章でも内容に矛盾点が生じない。

ということがひしひしと伝わってくるような文章の書き方をしており、文字通り、「歴史家」というネーミングがある意味非常に適している方だなと思いました。

[5]終わりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。

アウトプットをなるべく早くしたいと思ってるので、内容がよくわからないところもあるかもしれませんが、時間のある時に修正を加えたいと思います。

ここまで読んでくださりありがとございました。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?