美術大学で現代美術を学んだ僕が何故、小説を書いたか④
小説を公開する前の前書き④
大分前のことで、記憶が曖昧だけど、確か公募のタイトルが「100人の詩人たち」だったと思う。そしてお題が「翼の記憶」。
僕はこの頃「記憶」について深く考察していて、描く絵も「記憶」をテーマにしたものばかりだった。だから、このお題を与えられた時、真っ先に「書いてみたい」と思い、応募したのだけは覚えている。
結果、僕は「詩人」に選ばれた。
初めて、自分の作品が本という媒体に記載された時は震えた。紙に宿ったその文字を手でなぞり、匂いを嗅ぎ、抱きしめ