最強の5ツールプレイヤーは誰だ?

こんにちは。ハルです。

突然ですが、こんな記事を見つけてきました。

「5ツールプレイヤー」という単語は近年メジャーではよく聞く単語です。具体的には、ミート力長打力走力守備力肩力の5つ全ての能力を兼ね備えた選手のことです。

日本のプロ野球では、柳田悠岐選手や山田哲人選手、糸井嘉男選手が該当するでしょう。


そんな5ツールプレイヤーを今回はデータを使って分析し、真の5ツールプレイヤーをランキング形式で紹介していきたいと思います。


計算方法

統計的にミート力と長打力は数量化するのに簡単なものなので、下のような条件下でまず選手を絞りました。

  • 200打席以上

  • 打率.244

  • 長打力 .411       (いずれも2021年)

これらの絞られた選手の中で、FanGraphsのデータの Off, Def, BsRの3つ(それぞれ、打撃、守備、走塁の指標)で全てプラスの成績だった選手を選考する。

この時点で、残った選手は37人になった。

その後、Off、Def、BsRの3つをそのまま足す。

全く偏見など込んでおらず、全てデータによるランキングである。

データの全てはこちらから。

25位~21位

25位:Kolten Wong (MIL, 14.5ポイント)
詳細:Off : 6.8、Def : 6.3、BsR : 1.4

Wongは2桁本塁打・2桁盗塁のシーズンを4回記録している。また、2度のゴールドグラブ賞も受賞している。31歳の彼はキャリアハイの14本塁打、32二塁打を記録し、身長は低いが、まだパワーのポテンシャルを秘めている可能性がある。


24位:Steven Duggar (SF, 15.1ポイント)
詳細 : Off : 6.3、Def : 5.1、BsR : 3.7

長い間、レギュラーには物足りないような守備職人のセンターとして見られてきたが、昨年は.257/.330/.437で、キャリアハイの107OPS+を記録した。本塁打は8本で、長打は27本、盗塁も7回成功し、失敗は0だった。


23位:Wander Franco (TB, 17.6ポイント)
詳細:Off : 13.1、Def : 1.4、BsR : 3.1

昨年ルーキーとして盗塁は2個しかしていないが、走塁技術がかなり高かった。まだ20歳の彼は、パワーのポテンシャルはまだあり、今後開花していくだろう。それにしてもバットコントロールはもうすでにエリート級で、守備も、セカンド・ショート・サードをこなせる。


22位:Mike Trout (LAA、19.3ポイント)
詳細:Off : 17.7、Def : 0.1、BsR : 1.5

身長188cm、体重107kgの巨体をして、Troutは平均以上のセンターの守備をするのに十分な素早さを持っている。今は想像できないかもしれないが、ルーキーの年に49盗塁をした。今も走塁技術・速さ共にあり、打撃に関しては言うまでもない。


21位:Javier Baez (DET、21.3ポイント)
詳細:Off : 14.1、Def : 4.2、BsR : 3.0

184三振を喫しながらも、2021年は打率.265だったので、悠々と.244のラインをクリアした。彼のパワー・スピード・守備によって、球界きってのダイナミックな選手だ。メッツに移籍してからは、47試合で.299/.371/.515の活躍をした。


20位~16位

20位:Trevor Story (BOS, 22.1ポイント)
詳細:Off : 6.1、Def : 9.6、BsR : 6.4

Storyは2018年と2019年に2年連続で30本塁打・20盗塁を達成し、昨年は低調だったとしても、24本塁打・20盗塁で、103OPS+だった。打撃力によって隠れているが、ショートとして6年間で69DRSを稼ぐなど、守備も魅力的な選手だ。


19位:Willy Adames (MIL, 22.3ポイント)
詳細:Off : 13.8、Def : 8.3、BsR : 0.2

Adamesは昨年、シーズン途中にトレードでブリュワーズに移籍し、ブレイクした選手だ。26歳の彼はブリュワーズ移籍後、99試合で.285/.366/.521、20本塁打と、打撃面で大きな進化をした。過去3年間で11DRSと、守備でも進歩を見せている。


18位:Enrique Hernandez (BOS, 22.5ポイント)
詳細:Off : 10.2、Def : 9.3、BsR : 3.0

2021年は球界でもかなりの守備がうまいプレイヤーだった。セカンドとセンターを行ったり来たりしながらユーティリティとして活躍し、2年1400万ドルの契約はかなり安いものになった。主にリードオフとして出場し、.250/.337/.449、20本塁打、自己ベストの84得点を挙げるなど、チームのプレーオフ進出に大きな貢献をした。


17位:Harrison Bader (STL, 23.0ポイント)
詳細:Off : 7.6、Def : 12.9、BsR : 2.5

かなり守備がうまい選手で、守備に隠れて打撃はかなり成長が遅かったが、2021年についに開花した。27歳にして、.267/.324/.460、16本塁打、9盗塁をした。


16位:Yoan Moncada (CWS, 24.3ポイント)
詳細:Off : 16.6、Def : 7.4、BsR : 0.3

Moncadaは3150万ドルでキューバから来てホワイトソックスで契約したが、着々と成長を見せ、今ではホワイトソックスに様々な面で貢献している。キャリアハイはそれぞれ25本塁打、12盗塁で、サードの守備は常に良い印象だ。


15位~11位

15位:Jake Cronenworth (SD, 24.9ポイント)
詳細:Off : 15.4、Def : 7.4、BsR : 2.1

Cronenworthは昨年主にファースト、セカンド、ショートを守って、どのポジションでもよい守備で支えた。28歳の彼は昨年.266/.340/.460で、33二塁打、21本塁打を記録した。走力は平均程度だが、走塁技術はうまい。


14位 : Ozzie Albies (ATL, 27.2ポイント)
詳細:Off : 14.5、Def : 4.4、BsR : 8.3

Albiesは2021年、77長打を打ち、30本塁打でキャリアハイを更新した。また、20盗塁(失敗4)も自己ベストだった。通算打率は.273で、2019年には189安打で最多安打のタイトルも獲得した。メジャー5シーズンで23DRSを記録して、ゴールドグラブ賞のファイナリストにも選ばれた。


13位:Tim Anderson (CWS, 30.2ポイント)
詳細:Off : 19.6、Def : 4.5、BsR : 6.1

Andersonの過去3年間の打率は.322で、その間は162試合当たり25本塁打、22盗塁だった。28歳の彼は若いころは守備の人だったが、その後打撃が成長し、今では球界でもトップクラスの攻撃型遊撃手である。


12位:Jose Altuve (HOU, 31.0ポイント)
詳細:Off : 27.2、Def : 1.3、BsR : 2.5

Altuveは若いころ、首位打者3回、盗塁王2回の「ミート」「走力」のバッターだった。今まで程彼は走らなくて、ミート力の一部をパワーに譲り、2019年と2021年は31本塁打を放った。しかし彼の打率はまだまだ健在である。


11位:J.T. Realmuto (PHI, 31.8ポイント)
詳細:Off : 10.9、Def : 15.4、BsR : 5.5

このランキングの唯一のキャッチャーであるRealmutoはキャッチャーの5ツールプレイヤーの模範のような成績である。打撃成績は、.263/.343/.439、17本塁打、13盗塁である。それに加えて、通算盗塁阻止率は35%で、ゴールドグラブ賞の受賞経験もある。


10位

Bo Bichette (TOR, 32.3ポイント)
詳細:Off : 25.2、Def : 0.2、BsR : 6.9

MVP級の成績を残したチームメイトのVladimir Guerrero Jr.、Marcus Semienの陰に隠れてBichetteも良い成績を残していた。

23歳の彼は.298/.343/.484、123OPS+、30二塁打、29本塁打、102打点、121得点、25盗塁(失敗1)という成績だった。メジャー最初の2年間は75試合で8盗塁のみだっただけに、盗塁数の上昇は大きな驚きだった。

彼の弱い点を挙げるとするならば、ショートの守備で、2021年は24失策を喫した。これらの失敗にもかかわらず、DRSは∔2であり、Defも0以上と、最も重要なポジションの一つであるショートをこなした。


9位

Xander Bogaerts (BOS, 32.6ポイント)
詳細:Off : 23.7、Def : 7.7、BsR : 1.2

過去7年間で、.297/.362/.474、119OPS+、162試合当たり22本塁打、11盗塁の成績であり、近年はレッドソックスの中軸を打つバッターに成長した。

29歳の彼は、ゴールドグラブ賞を受賞することこそないだろうが、強い肩を持ち、最低限のショートの守備範囲は備えている。そしてその守備は数年前よりは大きな進歩を遂げている。

将来のサードへのコンバートはほぼ不可避な状況で、2022年終了後にもしオプトアウトしてどこかのチームに移籍する場合、そのチームはそれを考慮しなければならない。


8位

Ronald Acuna Jr. (ATL, 33.9ポイント)
詳細:Off : 29.7、Def : 0.9、BsR : 3.8


2019年(21歳の年)に、Acunaは121OPS+、41本塁打、37盗塁の成績を出し、ナ・リーグのMVP投票5位に入った。更に打席を重ねていくうちに、打撃力はさらに向上している。

昨年右ひざの前十字人体の断裂で戦列を離れるまでは、82試合で.283/.394/.596、24本塁打、17盗塁だった。そして長い目で見たらライトに行くかもしれないが、彼の身体能力とスピードでセンターを良く守っている。

もし2022年にケガ前と変わらない状態で復活したならば、Acunaは最も40-40に近い選手だろう。


7位

Brandon Crawford (SF, 36.8ポイント)
詳細:Off : 27.8、Def : 8.6、BsR : 0.4

去年より前の2年間は74OPS+、-0.5WARと、自己最低の成績に終わったが、うって変わって2021年は自己ベストの成績を残した。

34歳の彼は、.298/.373/.522で、キャリアハイの141OPS+、24本塁打、90打点、79得点、11盗塁、6.1WARで、ナ・リーグのMVP投票では4位に入り、ジャイアンツの地区優勝に大きく貢献した。

彼は元から多様なスキルを持っていたが、2021年は一番それらが発揮した年になった。その結果5ツールプレイヤーとしてもっともよいパフォーマンスの1つになった。


6位

Byron Buxton (MIN, 37.2ポイント)
詳細:Off : 25.9、Def : 6.9、BsR : 4.4

Buxtonは2021年、1年間を通して健康で過ごせていたならば、大谷翔平のア・リーグMVPの対抗馬になっていただろう。

28歳の彼は昨年61試合にしか出場できなかったが、254打席で42長打を打ち、.306/.358/.647、9盗塁で脅威の4.5WARを記録した。

球界トップクラスの走力を活かし、常に最高のセンター守備の一人であったが、昨年コンタクトとパワーの両方を発揮した。彼の次の目標は162試合を健康で過ごすことだ。


5位

Tyler O'Neill (STL, 40.7ポイント)
詳細:Off : 35.1、Def : 0.9、BsR : 4.7

マイナーで数回30本塁打を記録した後、カーディナルスで疑いようもなくパワーのポテンシャルを発揮した。2021年に入るまで一貫して打撃を続けられてきたわけではなく、450打席で打率.229、91OPS+だった。

彼は2020年に、守備要員でレギュラーになり、レフトでゴールドグラブ賞を受賞し、彼を使い続けた結果、翌年2021年にブレイクを果たす。

26歳の彼は.286/.352/.560、34本塁打、15盗塁、2年連続ゴールドグラブ賞を受賞、6.3WARと、チームのポストシーズン進出に大きく貢献した。


4位

Marcus Semien (TEX, 45.5ポイント)
詳細:Off : 31.5、Def : 10.0、BsR : 4.0

ブルージェイズは昨年オフ、2020年不振だったSemienと1年1800万ドルで契約した。その結果、Semienは期待以上の成績を残し、ア・リーグのMVP投票3位に入った。

.265/.334/.538のペースで打ち、45本塁打は2塁手による最多本塁打記録になった。また、キャリアハイの15盗塁も記録している。

守備面では前年までショートを守っていたが、チーム状況によりセカンドに移り、11DRS、6.6 UZR/150を記録し、ゴールドグラブ賞を受賞した。今彼はレンジャーズに移って本領を発揮できていないが、去年のようなパフォーマンスが1日でも早く帰ってきてほしい。


3位

Jose Ramirez (CLE, 47.5ポイント)
詳細:Off : 35.4、Def : 5.8、BsR : 6.3

Jose Ramirez以上に過小評価されている選手はいるだろうか?

クリーブランド・ガーディアンズのスーパースター、Jose Ramirezは過去5年間で4度ア・リーグMVP投票6位以内に入っている。昨年は.266/.355/.538、36本塁打、27盗塁の好記録だった。彼は既に2018年に30-30を記録していて、2021年もあと少しまで迫っていた。

彼が最初にメジャーに昇格してきたときはショート兼スーパーユーティリティだったが、2021年はサードでも堅実な守備を見せて10DRS、6.7UZR/150を記録し、ゴールドグラブ賞のファイナリストになった。

彼はどの項目も5.0以上を記録した2人の選手の1人だ。


2位

Starling Marte (NYM, 49.6ポイント)
詳細:Off : 34.7、Def : 2.6、BsR : 12.3

Marteは昨年はマーリンズとアスレチックスに所属し、.310/.383/.458、12本塁打、47盗塁を記録した。MLB史上初めて2球団で同じ年に20盗塁をした選手になった。ただ、リーグが異なるため盗塁を獲得することはできなかった。

2018年と2019年のパイレーツ時代には20-20を達成しており、2015年と2016年にはゴールドグラブ賞を2年連続で受賞した経験もある。

33歳の彼はMLBベストのBsR12.3を記録したためランキング上位に位置し、それは2位のTatis Jr. の9.3を大きく引き離した形になる。その点、彼はフィールド上で℉の役割もできて、メッツにとって4年7800万ドルはバーゲン価格になるかもしれない。


1位

Trea Turner (LAD, 52.1ポイント)
詳細:Off : 39.5、Def : 7.6、BsR : 5.0

今やドジャースのショートTrea Turnerはパワーも上昇し、5ツールプレイヤーを象徴する選手になっている。

28歳の彼は2021年に.328/.375/.536で首位打者のタイトルを獲得し、最多安打(195)、盗塁王(32)も獲得し、キャリアハイの28本塁打、319塁打も記録した。

シーズン途中にナショナルズからドジャースに移籍し、ショートからセカンドに移ったが難なくこなし、Corey SeagerがFAで移籍してしまった今年はショートに戻る。

50盗塁もできるスピードに30本塁打も期待できるパワー、守備でもかなりの期待ができるので、Turnerは球界で最も価値あるオールラウンドプレイヤーの1人だろう。

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