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社会保険の加入日は自由に決められる…? 加入漏れは会社・社員ともにリスク大!

「保険」と聞くと民間の医療保険を思い浮かべる人が多いと思います。

そのイメージのせいか、「社会保険」も民間の医療保険と同じように、任意に加入のタイミングを決められると誤解している会社があるようです。

社会保険は労働時間や日数が一定の基準を超えた時点で、加入の義務が生じます。

加入義務があるのに手続きをしないでいると、会社だけでなく社員にも大きな損害を与える事態になります。

┃社会保険の加入義務がある従業員とは?

社会保険の加入義務は、「正社員」や「パートタイマー」といった雇用区分で決まるものではありません。

就労の実態を見て、「常時使用される労働者」と判断されれば、社会保険の被保険者となります。

一番わかりやすい目安が労働時間と労働日数です。

勤務状況が所定労働時間・日数の4分の3以上あるかどうかを確認しましょう。

例 1週間の所定労働時間が40時間、月の所定労働日数が20日の会社の場合

  • ・週の労働時間: 40時間 × 3/4 =30時間 以上

  • ・1箇月の労働日数: 20日 × 3/4 =15日間 以上

どちらも満たしている労働者であれば、非正規雇用社員であっても社会保険の加入義務が発生し、直ちに加入手続きを行わなければなりません。

「まだ試用期間中だし、社会保険の加入は様子を見て…」

「社会保険の加入は正社員に登用してから…」

こういった事業主側の都合で、社会保険の加入タイミングをずらしていませんか?

┃加入手続きを放置していると…?

年金事務所は定期的に調査を行っています。

調査により手続き漏れが発覚した場合は、原則として加入義務が発生した日にさかのぼって加入することになります。

滞納した社会保険料も最大で過去2年分が徴収されます。

月の報酬が約12万円のパートタイマーでも、1か月あたりの社会保険料は全額でおおよそ3万円以上になります。

この金額を過去2年分請求されると考えると、加入手続き漏れのリスクは決して小さいものとは言えません。

社員にも金銭的な負担をかけてしまい、信用問題に発展しかねません。

社会保険は好きなタイミングで加入を決められるものでは無く、労働時間や日数が一定の条件を満たすと加入の義務が生じる点をよく理解し、手続き漏れが起きないようにしましょう。

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