SASUKE2022 振り返り 〜練習すれば自信は付くか〜
この記事を書いているのは、2023年11月。
今回は1年前、2022年の出来事、
テレビ番組「SASUKE2022 第40回記念大会」に出場した記録を書いていきます。
結果から言うと、1stステージ「ドラゴングライダー」でリタイアでした。
トランポリンからバーへの跳躍でミス。
そこに至るまでの1年間の取り組みと、本番当日あの日あの場所で何があったのか、記録しておこうと思います。
SASUKE2022に向けた1年間の取り組み
まずは、SASUKE2021の結果を踏まえ、SASUKE2022に向けての方針を考えました。
SASUKE2021の振り返りはこちら↓
SASUKE2021では体調管理が上手く出来ず、1stステージで大ダメージを受け2ndステージ挑戦前には疲労困憊、「こんな状態でクリアできるのか」という不安に襲われ、結果、サーモンラダーの移行という有り得ない場所でミスをしてしまいました。
この経験から、
とにかく体力を付ける
疲れない身体、疲れても動ける身体を作る
体力面(1stステージにおける下半身の筋持久力、2ndステージにおける心肺機能)の不安ゼロで本番に臨む
ことを目標に1年間取り組むことにしました。
今度こそFINALステージに進出したい。モチベーションはとても高かったので、年明け1月からSASUKEに向けたトレーニングを本格始動。
新たに取り入れたトレーニングは、
仕事前の坂ダッシュ🏃💨
です。
自宅の裏山に坂と階段を織り交ぜたハイキングコースのような所があり、そこを全速力で走って100秒程度になるように坂ダッシュのコースを設定しました。
肺と脚がとてつもなくキツいので1日に1本、週に1〜3回、朝の仕事前に行いました。
毎回、坂に向かうのが憂鬱でしたが、この苦しさを乗り越える事が自信に繋がる、前回リタイアした原因であるメンタルの強化に繋がる、と信じて10ヶ月継続しました。
また、タイムと感想を毎回日記アプリに記録しました。
1月、初めて走ったときのタイムが1分44秒
3月、1分28秒台を記録。
ここで、コースを伸ばす(新コース)。
4月、新コース1回目2分6秒
6月、新コース1分48秒
この後、コースの距離を元に戻す(旧コース)代わりに4kgのウエイトを腰に装着して実施
7月、旧コース4kg加重初挑戦1分40秒
10月、旧コース4kg加重1分32秒
と、1年間やり通してめちゃくちゃ成長することが出来ました。
実際合同トレーニングに行っても心肺はかなり楽になりました。
ただ、自分の中で少し疑問がありました。
「心肺は楽になったけど、タックル後のそり立つ壁はあまり楽になっていない」
ミスターサスケ山田勝己さんの自作セットでタックルからのそり立つ壁を想定したトレーニングをした際にも改善はあまり感じられなかったのです。
ある程度のレベルならクリアできるけど、タックルの回数や重さを増やすとクリアできないことがある
この僅かな不安が本番当日の大きなミスに繋がっていったのです。
また、上半身・ぶら下がりのトレーニングも1月から本番まで継続しました。
この1年の取り組みの中で特に良かった点として、
トレーニング内容、結果、感想を日記アプリに記録するようにした
ことが挙げられます。
これまではきちんと記録を取っていなかったので、自分の最高記録がどれぐらいか分からなかったのですが、これをするようになってからは過去の自分を1回、1手、1秒でも超えられるように日々努力できるようになりました。
結果、腕力に関しても大きく成長することが出来ました。
いざ本番!
SASUKE2022 第40回記念大会当日
1年間の苦しい坂ダッシュ生活を経て、下半身の持久力と心肺機能は間違いなく自分史上最強。
さらに上半身の仕上がりも良く、3rdステージクリアも狙える状態に仕上がりました。
完璧な仕上がり。
とにかく、この辛く苦しかった1年を無駄にしたくない。
最後はしっかりとイメージを固めて本番に挑もう。
そう考えて本番2日前、自宅近くの公園で入念にイメトレをしていたときのこと。
ドラゴングライダーを想定して雲梯に飛び付く動きに違和感を感じたのです。ジュンサカ(※順手と逆手でバーを掴むこと)がしっくり来ない。気になったので何度もジャンプからの順逆掴みを練習しました。
その帰り道、スネの前辺りがめちゃくちゃ張っていることに気付きます。足の指先をスムーズに動かすことができない。
これはヤバい。完全にやりすぎました。
本番前日には物凄い筋肉痛。慌てて張りのある場所を自分でマッサージし、温泉のジェットバスを占領して水流を当て続けました。が、全く治らず。
さらに、前日の夜。過去2大会同様、緊張で全く眠れず。
実質の睡眠時間は2時間ほどだったと思います。あとは横にはなっていたもの意識はずっとあるまま。
睡眠導入ドリンクで前日夜の緊張対策をしていましたが全く通用せず。
ヤバい。
出番までまだ時間はある。とにかく休まないと。
が、寝ようとすればするほど眠れない。
本番当日。
ホテルから緑山に向かう途中でも「無理かもしれない」という強い不安に襲われます。
さらに、先に1stステージをクリアしていた、アクロバット俳優の才川コージさんと陸上十種競技プロアスリートの伊佐さんが口を揃えて「タックルがキツかった」と言っていたのが僕の心を乱しました。
身体が大きくパワーもあるはずの2人の言葉を聞いて、「自分には無理なんじゃないか」とさらに弱気になりました。
取れない眠気、疲労、足の筋肉痛。
手も攣ってきている…
でも1stステージさえクリアすれば2ndステージまでの時間で休める。
エナジードリンクなどでカフェインを摂る手も考えましたが、完全制覇を目指すならクリアしてしっかりと休む方が先決と考えあえてカフェインは摂りませんでした。
朦朧としたまま自分の出番に。
「慌てずに一個一個丁寧にやろう。少々体調が悪くても自分の実力ならなんとかなる。」
そう考えてスタートしました。
結果、ドラゴングライダー到着時にバーの位置を確認せずにテイクオフ。踏切の発射角度が違ったので空中ではもうどうすることも出来ず終了。
一番恐れていたこと、
「苦しかった一年を無駄にする」
が現実のものとなってしまいました。
ショックでした。
完全なる「メンタル落ち」
これで僕のSASUKE2022 第40回記念大会は終了しました。
反省 〜SASUKEの心・技・体〜
今回の自分のアプローチとして、
心・技・体の内、体を鍛えまくれば心も強くなる
という考え方がありました。
SASUKE2021で感じた不安は練習不足によるものだと思っていたのです。
が、それは違いました。
確かに、仕事前の坂ダッシュという苦しいトレーニングを1年中積み重ね、強くなったという自負はありました。
しかし、過程が苦しかった分、それを無駄にしたくない、これ以上はできない、何が何でも絶対に今回で決めなければいけない、という気持ちが強くなり余計に精神的に追い詰められたのです。
眠れない、脚が動かない、集中力を欠き変なミスをする…
今思えばミスターサスケ山田勝己さんが完全制覇できなかったのはこういうことかとめちゃくちゃ納得しています。
鋼鉄の森の漂流者 山田。
あの頃の山田さんと全く同じ場所に迷い込んだのでしょう。だとしたらそれはそれで少し嬉しくもあります笑
それはさておき、メンタルの問題を解決するにはメンタルのトレーニングをするしかない。
次回はこれを目標にトレーニングしていこうと思います。
そして、もう一つ提唱したいことがあります。
これは心・技・体の内の「技」の話になります。
僕は今回のSASUKE2022 第40回記念大会でSASUKE界の常識に疑いを持ちました。
それは、
「トランポリンエリアではトランポリンをしっかり見ろ」
というSASUKE界の常識中の常識。
僕の知る限り、提唱者は史上2人目の完全制覇者で漁師の長野誠さん。
SASUKE2022で僕がドラゴングライダーに到着したときにこの言葉を思い出しました。
「トランポリンを見る、トランポリン、トランポリン…」と、思って挑んだ結果、ドラゴングライダー到着から踏切までの間に一度もバーを見ていなかったのです。
もちろん自分の落ち度だし、長野さんには何の責任もありません。
しかし、しっかりとバーの高さと距離感を確認することの重要性を強く感じました。
後に、「実力はあるのにトランポリンでミスをした選手」の映像を色々と見てみると、ほぼ全員踏切の瞬間までバーを見ていなかったことが分かりました。
バーまでの高さ・距離感の目測を誤ったまま踏み切ってしまったら、空中ではもうどうすることもできないのでそのままジ・エンドとなってしまいます。
なので、次回のSASUKEでドラゴングライダーに到着したらしっかりと時間を取ってバーまでの距離感と高さを確認するということを徹底しようと思います。
トランポリンエリアはまず飛び付く対象の距離感と高さをしっかり確認する
これはSASUKE攻略を目指す全ての方に推奨したいです。
最後に 〜次回への抱負〜
「SASUKEはトータル競技。1st・2ndをクリアしてやっと3rdステージに着く。単発ならできると思うがそれがSASUKEの難しさ」
第10回大会、トランポリンシドニーオリンピック代表の中田大輔さんが残した言葉です。
「平常心で普通にやればできるところを、なんかいろいろ考えてまう」
ミスターサスケ山田勝己さんの言葉も死ぬほど分かります。
1年に1回しかない貴重なチャンス。
オリンピックやワールドカップに匹敵する緊張感。
出場した人にしか分からない独特の感覚に飲まれるのがSASUKEです。
鋼鉄の魔城の放つ異様なオーラに乱れ狂うのか、自分を律して乗り越えるのか、そのせめぎ合いこそSASUKEの醍醐味だと思います。
僕は常々言っていますが、SASUKEは体力と技術だけでは乗り越えられない。人として、男として強くならないといけないのです。
SASUKEは自分の弱いところを常に突きつけてくれる存在です。
次回、SASUKE2023では自分の弱さを克服して必ずFINALステージに進出したいと思います。
以上、SASUKE2022 第40回記念大会の振り返りでした。
今後とも応援よろしくお願いします!
ここまで読んで頂きありがとうございました。
そしてドラゴングライダーのCG再現画像を提供して下さったSASUKEの歴史チャンネル様、ありがとうございました。
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