風邪をひくと高熱がでるお子さん 漢方薬の治し方をマスターしておいた方がよい 3つの理由
僕は虚弱児だったので、小学生のころは年に何回も風邪をひいて寝込んでいました。
夜中に高熱がでると、悪夢をみるので苦しいんですよね。
うなされていたと思います。
だって、悪夢怖いですもの。
そして、喘息の発作。
これがキツイんです。
息がうまく吸えないし、呼吸をしても楽にならない。
一生懸命に呼吸しているのですが、闇夜が白白としてくる頃にようやく眠りにつけるのです。
今では懐かしい思い出です。
あんな感じの風邪は、幸い大人になってからは経験が事がありません。
(その理由も漢方小噺としては面白いのでまたいずれ)
地元の薬剤師会の理事になり、休日夜間診療所の業務に携わっていた当時、休日や夜中に限って、多くの人が風邪で受診するので、正直驚きました。
実は、僕は幼少期に風邪で発熱し喘息の発作がでていましたが、その当時一度も病院に受診した事がありません。
(今になって僕のほうが希少なほうであった事がわかりました)
実は風邪が悪化しそうな時に、寒い中を無理に診療所に連れていく方が、風邪が悪化するリスク高いのです。
しかも診療所は、風邪ひいている人ばかりが集まるところですから、さらに色々もらってしまい、その後に悪化する事だって想像できます。
2019年は8月頃からインフルエンザの流行が確認され、高熱によりインフルエンザ脳症を発症する例が多く、死亡例も出ました。
解熱剤を使っても下がらないと、脳症を発症して重篤化してしまうリスクが高まります。
男児であれば無精子症のリスクファクターでもあります。
高熱が引き金となる熱性けいれんの発症も心配です。
脳波の異常だととらえて、てんかんの薬で痙攣を抑えたりしますが、漢方では違うアプローチがあります。
日本以外の国では、肺炎など治療介入が必要と判断しなければ、風邪の治療に薬物療法を選択しない事が多いのです。
病院に受診しても、よっぽどの状態でなければ薬を出してくれる事がないのです。
私の場合は、実家が漢方薬局だったものですから、父がその時に最適な漢方薬をえらび、治るまで漢方薬で治療をしてくれました。
おかげさまで、解熱剤も抗生物質も、気管支拡張剤も、今だに飲んだ事がありません。
漢方の臨床家になり、休日夜間診療所での業務にも携わり、わかったことは現代の医療は風邪の治療が苦手だということです。
これから必要なのは、お子さんが風邪をひいたら、どのように対処すればよいのかを学ぶことです。
具体的には、漢方の風邪の治療観念を学ぶことをおすすめします!
どのように病気が変化推移し、そのときにはどのような病状(自覚症状・バイタルサイン)が現れて、適材適所の薬は何なのか、という3つのことをマスターするのです。
マスターするのは実際は簡単ではないので、勉強はしつつも、漢方の風邪治療マスターのいるところに相談に行くことをおすすめします。
漢方の風邪治療を知っておいたほうが良い 3つの理由
理由1 風邪の考え方 「正邪の攻防」を知ろう
風邪を細菌やウイルスの疾患であるという、一方的な見方しかしていないという点にあります。
そのため、抗生物質や抗ウィルス剤での治療になりがちです。
日本では早めの抗生物質という手を使いすぎてしまったため、菌交代症という抗生物質が効かない細菌を生み出す問題点が浮き彫りに成り、抗生物質の使用を制限する通達が出ました。
風邪という疾患のもう一方の見方は、細菌やウイルスに侵されてしまうほど、体の機能が低下しているという事です。
現代の風邪の治療には、風邪に打ち勝つための体力を高める方法が不十分です。
漢方医学の治療観念の基本は「正邪の攻防」です。
病気「邪」と、体力「正」が、攻防を繰り広げているので、抗生物質で「邪」をやっつけるばかりではなく、体力「正」を高める治療という、もう一方の治療を一緒に行うのが漢方です。
理由2 風邪の病状の変化を知り それに応じた治療をしよう
時間経過にともない風邪は刻一刻と変化します。
その変化に対応する治療論が確立されていません。
漢方医学では、六経弁証や衛気営血弁証という、時間と深浅(位置)を判断して診断と治療をするスキルがあります。
六経弁証によると、
一風邪の初期は「太陽病」、
高熱期はその次の「陽明病」で、
熱が下がってからもグズグズと症状が残る場合は「少陽病」、
治癒力が発動してもなかなか治らないのを「太陰病」、
動けないぐらいに体力が低下しているのを「少陰病」、
じっとしていられないぐらい体が辛い病状を「厥陰病」、
という感じで(おおまかなざっとした表現にしてしまいまいた)六段階の病状変化があります。
順番通りに発病するとは限らないので、マスターになる道は簡単ではありませんが、病状の判断ができ最適な漢方薬がセレクトできるようになると、無事に治っていきます。
勉強したてのときは、どの段階かの判断がつかないことが多いと思いますので、漢方マスターに相談しながら最適なお薬を選びましょう。
理由3 できるだけ早く手を打とう
多くの人は「風邪ぐらい」と油断をしています。
実は僕もその一人でした。
20代後半の、男としても最も体力のある年代に、こんな経験があります。
地元の休日診療所の繁忙期には、日中の診療時間に300名以上の風邪の患者さんが来ることがります。
迂闊にも休日診療所の仕事を終えて、1週間後に高熱を出し、耳下腺や扁桃腺などのリンパ組織が可能してパンパンに腫れて、食事も喉を通らぬほどの風邪を引いてしまったのです。
しかも3年連続で・・・。
1月に自分の店を1週間休むという失態を3年連続でやってしまったのです。
2度あることは3度ある、とはよく言ったものです・・・。
自分でも「バカじゃないだろうか」と思いましたよ・・・。
4年目に行った対策は!
1,休日診療所の仕事に行く前と、その帰りに、とある栄養剤を飲みました。これに何度助けられたことか(笑)。
2,ほんの少しでも初期症状の兆候を感じたら、漢方の風邪の初期の薬を飲むようにしました。
これをマスターしてから、大きく体調を崩すことがなくなりました。
漢方の風邪治療のすごさを体感してから、僕の風邪という観念は大きく広がったのです。
風邪は百病の始まり
多くの慢性疾患の起点は実は「風邪」だった!
といったら、みなさまはどのように思いますか?
まさか、風邪ぐらいで慢性病になるとは思っていませんよね。
多くの人は、風邪を引いても予定を変えないですよね。
癌も、心筋梗塞も、脳卒中も、肺炎も、リウマチも、アレルギーも、漢方では「風邪」との関連が深い疾患です。
「風邪」をまず丁寧に治療する習慣を付けることができたら、その次への発展を防ぐことができます。
一事が万事!なんです。
解熱剤を使っても下がらない高熱が、漢方薬を使うと不思議と下がるのです。
新種のコロナウィルス
コウモリから新種のウィルスが他の動物を介して人に感染する事が報告され始めました。
ウイルスや細菌を完璧に消し去る薬はありません。
免疫細胞が戦い、勝利する事ができた時に、風邪は自然に回復するのです。
漢方薬だけで全ての風邪の治療ができるなんて思っていません。
漢方薬の風邪薬には必ず体を支えるための生薬が配合されております。
特に「高熱期」の治療には漢方薬が有効ですが、
「初期」
「高熱期」
「治り際期」
の3つの時期の「治療法」を学び
3つの時期に最適な「常備薬」をもっておけば
かなりのお子さんたち、およびパパさんやママさんのお力になれるのでは、と考えています。
子育て中のママさん、パパさんには、漢方の風邪治療のことを学ぶ機会をこれから開催していきたいと考えております!ネ
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