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【リーダシップの旅編8:“積み上げた信頼”と“夢・志”擦り合わせする〜キャリアとはたった一回の人生を運ぶもの〜】

*本マガジンのこれまでの投稿は上記に入れています。

40代で、ある大企業の関連子会社の社長である健は、就任2年目を迎えています。1年目の業績は振るわず、戦略構築・マネジメントでも試行錯誤しているところのようです。そんな時、本社で取締役で元上司の哲也にたまたま出会います。健が現状の悩みを相談しているうちに、”リーダーシップの旅”を紹介されます。この本についてオンライン勉強会をする流れになり勉強会を開いています。本日は第3章「旅の一歩を阻むもの」の後半の解説になります。


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◆過去と現在の線を結んで未来を描く

🧒‍;おはようございます。

👨‍🦳‍;おはよう。今日は夢・志というところをもう少し見ていこう。前回、中年が見る夢は現実性とのすり合わせができていて意味がある、という意見は非常に深いとも思うんだ。

🧒‍;はい。世の中には初めから夢をもっていて、それに向かって突き進んでいける人もいる。それで成功できれば、一番しあわせかもしれないですよね。けれども、初めから夢を抱き、その実現に向かってスタートを切れる人はほんの一握りですよ。実際私も何もできなかったし。

👨‍🦳‍;著者の野田さんだって若い頃は、明確な夢が見つからず、心が中途半端に揺れ続ける不安定な若者だったそうだ。だからこそ、中年がある時期、立ち止まり、自らの来し方を振り返ることには意味があるというんだ。

🧒‍;確かに、私のような三十代半ばから四十代は、「人生の正午」に当たります。学校を出て働き始めて二十年近くが過ぎ、定年を迎えるまではまだ二十年少しを残している。十分に経験を積み、現実もそんなに甘くないことは分かっています。そのぐらいの年齢で、自分は本当は何を実現したかったのかを考え直す意味は非常に大きいかもしれません。そして、私は今リーダーとして一つの組織を任されている。仲間たちと一体何がしたいのか考えることができるかもしれない。

👨‍🦳‍;そうなんだよ。今なぜ仕事をしているのか、その会社や組織でくことにどういう意味があるのか、自分のいる場所にとどまり、会社や組織 社会に対しても貢献できて、そして何より自分が生きいきできる夢とは何なのかを、考えることもできるのではないか。とどまって挑戦する。 一杯やって、どうしても駄目だったら、別の場所を考え始めればいいのではないだろうか。そう私は、強く、とても強く信じている。決して、起業するとか家族を犠牲にしてもというような考えではないんだ。今いる場所に本当の自分はいないと考えてしまったのでは、悪い「自分探し」そのものになってしまうんだ。

🧒‍;信頼と夢のすり合わせする中で、自分を発達させていくということですね。

👨‍🦳‍;その通り。もちろん、中年の夢が、神の啓示の如く、非連続に突如降りてくるというわけでもない。むしろ今まで生きてきた自分、自分が無意識にしても大切にしてきた自分との連続線上に、夢が浮かび上がってくるもなんだ。変な比喩だが、ナメクジがゆっくりと這った後には白い線が残る。這っていく先に線は見えないけれど、後ろにはまるで道のように跡が残っており、それが進むべき方向を指し示しているように見える。

🧒‍;ナメクジですか・・。進んでいく前には見えなくて、歩いた後で見えてくる道が、人間にもあるということですね。大人が見る夢、それは一人一人が、自分にとってのナメクジの跡を振り返ることから始まっていのですね。自分の過去を現在を点で結んで、未来の夢を描いていくと。私はどう歩んできたのだろう。そして、それを、てこに何を描いていくべきなのだろう。

◆キャリアとは、「たった一回限りの人生を運ぶもの」

👨‍🦳‍;いいね。そう思い始めることが原点になっていくんだ。さて、ナメクジの話が続くが、ナメクジが這った後に残る白い線こそ、そもそもキャリアの語源にかかわるんだ。

🧒‍;キャリアって何度も口にしていますし、聞きますが、なんなのでしょうか?

👨‍🦳‍;いい質問だ。キャリアとは、「たった一回限りの自分の人生を運ぶもの」という意味で、馬車や車と同語源であり、馬車が去っていったあとの轍がキャリアにほかならないんだ。また、轍は振り返ったらついている過去という意味で大切なのでなく、その足取りを見てこそ、これからどう歩むべきか、違う旅にそろそろ向かうべきかどうかが垣間見られる点で大切なのだ。

🧒‍;つまり、キャリアというのは過去を振り返るものだけでなく、将来を展望するためのものでもあるということですね。

👨‍🦳‍;読者の皆さんの人生を運ぶものは、何を原動力に動いているのか。キャリアを歩む力やリーダーシップの旅に出る力、その原動力は何なのかを知る必要があるんだ。起業する人、冒険に出る人だけを特別視せずに。

🧒‍;そこですよね。起業する人や冒険に出る人を特別視することはなくて(実際すごい人ばかりだが)自分の道を振り返り、自分の場所で未来を描く。各々が各々のレベル・立場で描けばいい。そういうことですよね。フィールドもどこだっていい。会社だっていいし、地域社会への貢献だっていい。

◆「不毛な忙しさ」にとらわれる

👨‍🦳‍;そう。そこで立ちはだかるのが、「アクティブ・ノンアクション;不毛な忙しさ」だ。中年が夢を見て、リーダーシップの旅を歩み出すことは、現実にはそれほど容易ではない。立ち止まり、自分と対峙し、自分のこれまで来た道、自分にとってのナメク の跡などを振り返る機会をもつこと自体が、私たちには難しい。ここをきちんと認識していこう。君は、こんなことに心当たりがないだろうか。

企業や組織の中核として、毎日の人生にそれなりの充実感がある。社交的で、仕事を越えたネットワークも広い。忙しいと自分でも思うし、時には人にもそうこぼす。その半面、自分は必要とされているのだという満足感も抱いている自覚症状がもしあれば、あなたは、「アクティブ・ノンアクション」というワナに絡め取られている可能性がある。毎日を多忙に過ごしているにもかかわらず、本当に必要で意義があり、真の充足感をもたらしてくれる何かについては、まったく達成できていない状態。

🧒‍;どきどき、、どきどき、、、めっちゃ当てはまります。。。

👨‍🦳‍;そして、厄介なことは、このワナにはまっているのは、組織の中で「できる」と評価されている人たちが多いという事実があるんだ。しかも、まさか自分が落とし穴にはまっている、などと思わないからなおさら厄介なんだ。

🧒‍;ネットワーク維持も人間には欠かせないし。

👨‍🦳‍;でも、その結果どうだろう。新しいものを創出したり、現状を大きく変えたりするようなチャンス、言い換えれば、リーダーシップにつながる何かが、ふと見つかったとしよう。そのチャンスに今と同じエネルギーをつぎ込めば、何かを実現できたかもしれないのに、そこから意識的に目を背け、忙殺を言い訳にしてしまう。絶えず多忙に追いまくられているにもかかわらず、本当に意義があると思われること、本当に必要だと思われることを、「できる私」が避けて通ってしまう。

🧒‍;それがアクティブ・ノンアクションの核心というわけですか・・・。

👨‍🦳‍;アクティブ・ノンアクションには慣性力があって、一度その中に絡め取られてしまうと、加速度がつき、そのまま走り続けてしまう。その慣性と自分が完全に重なると、私たちはその中にいることすら見失ってしまう。

🧒‍;でも、なぜそうなってしまうのでしょう・・・。

◆忙しいのは大きな絵が描けていないから

👨‍🦳‍;こんな言葉がある「忙しいから絵が描けないのではなく、描けないから忙しいだけだ」。この言葉もアクティブ・ノンアクションにかかわる。多忙だと嘆くビジネスパーソンほど、大きな絵を描いたり、それをじっくり、必ず完遂するための集中力をもったりできない場合は多い。このような状態を見てとった、前出のH・A・サイモンは、「悪貨が良貨を駆逐する」という「グレシャムの法則」になぞらえて「計画のグレシャムの法則」と名付けた。小さな意思決定が大きな意思決定を駆逐し、小さな意思決定のためのささやかな計画が、より長期を見越した戦略的な絵、グランドプランを作成する時間を奪ってしまうという意味だ。

🧒‍;まさに、今の私です。描けていないのに、日々忙しく、目の前の問題に忙殺される結果、少し長い目で見ても何も変化を起こせていないです。

👨‍🦳‍;ここから二つの指針が生まれる。一つは、活動が過ぎる度に内省して、後付け、後知恵でもいいから、意味付けること。もう一つはモータリティ (mortality)つまりいつかは死ぬべき運命への深い自覚だ。

🧒‍;過去を否定しない。そして、人生は有限であると明確に自覚するということですね。

👨‍🦳‍;では、中年になってからでも夢を見る人と、そうでない人を分けるものは一体何なのだろうか。

🧒‍;夢や志を追わずに、信用競争に埋没してきた人が、アクティブ・ ンアクションのワナに気づいて、ある時ふと自分を振り返ったとして、そう簡単に「大人の夢」を描けるものなのでしょうか。。

👨‍🦳‍;「何か根源的なもの」とは一体何だろうか。著者の野田さんは、iモードで有名な松永真理さんとの会話で気づきを得たという。

🧒‍;松永さんと言えば、リクルートで「とらばーゆ」の編集長を務めた後、NTTドコモに移って「iモード事件」の立役者となった人物ですよね。

👨‍🦳‍;野田さんは松永さんに「色々なことを実現してこられたあなたの原動力は何ですか。初めから何か夢をもっておられたのですか」と尋ねたことがある。松永さんからはこんな答えが返ってきたそうだ。

「よく聞かれるんですが、これをしたいという夢は残念ながらありませんでした。でも、私は幼い頃から『松永真理』でいたかったんです」

だそうだ。

🧒‍;ん??松永真理でいたい・・。うーむ。

👨‍🦳‍;まあ、きょとんとするわな。「どんだけ自分好きなの?みたいな。」ただ、この言葉に、リーダーシップの旅を解き明かすカギがあるのではないか。そんなふうに野田さんは感じたというんだ。「松永真理でいたかった」それは、自分が自分として生きることだ。組織に属していながらも、自分という個人の存在を忘れない。信用蓄積をするにせよ、肩書やポジションで勝負するのではなく、一個人として、顧客や取引先、そして社会と向き合う。そんな生き方が松永さんの言葉からは感じられたというんだ。

🧒‍;なるほど。明確な夢や志をもっていなかったにせよ、それらの思いをずっと大切にして生きてきた。そんなことが伝わってくる回答ではありますね。

👨‍🦳‍;それでね。こう考えてみると、「結果としてリーダーになった」人は、この「私が私でいる」という自負が比較的強いのではないかって思うんだ。

🧒‍;自己肯定というか、自我を持っているというか。そんな風には感じますね。

👨‍🦳‍;それが、リーダーシップの旅において、重要な役割を果たしているように思えてならないんだ。

🧒‍;わかります。そう感じます。

👨‍🦳‍;すでに述べた通り、これらの来し方の振り返りは、将来を展望するためのものでなければならない。と同時にキャリアやリーダーシップの旅は、それを歩んでみないと、自分が何を求めていたのかわからないという側面がある。

🧒‍;そうですね、話をしているうちに頭が整理されて言いたいことが自分でわかるなんてこともありますし、やりながらわかっていくということはあると思います。

👨‍🦳‍;そう考えれば、ミドルが後知恵でもいいから自分のキャリアを振り返り、「あの時は辛かったけど、耐えた」「あの時は仕事が楽しかった」「あのタイミングで転職したのはよかった」などと内省する意味は大きいはずだ。人生を順繰りに顧みていって、どうしてもここだけは犠牲にしなかったという部分が見つかれば、それがその人のキャリアのよりどころ、キャリ

ア・アンカーである可能性が高いと考えられる。

🧒‍;その先に「中年の夢」が思い描ければもっといいということですね。実績や能力と夢をすり合わせていく。といことですね。

👨‍🦳‍;夢をもったり、志を立てたりすることは、「自分探し」と一見似たところがある。しかし、自分探しが、逃げ道や問題先送りの言い訳になっている限り、それは私たちをどこにも連れていってくれないんだ。自分探しに明け暮れるよりも、今の場所にとどまり、現実と向き合って、自分にとってのハードルを一つ一つ乗り越えていくことが必要がある。

🧒‍;まず小さな成功を積み上げていくということですよね。

👨‍🦳‍;実績を上げ、人の信頼をかち取り、信用を蓄積していくことは、自分にとってのリーダーシップの旅を準備するためにも、旅を始め、継続するためにも有効だ。では、私たちは、この数年で、どんな信用を蓄積したのだろうか。それは、裸の自分として得た信用だろうか。それとも、名刺や所属する組織の肩書によって得た信用だろうか。

🧒‍;でも、信用(信頼)の蓄積には、落とし穴が待ち構えている。手段であるはずの信用蓄積が、いつの間にか目的になってしまうと、私たちは旅に出ることができなくなる。しかも、皮肉なことに、努力家で責任感が強い人ほど、日常に追われ、不毛な忙しさから抜け出しにくい可能性がある。

👨‍🦳‍;その通り、だが、そこで立ち止まり、自分と対峙し、改めて自分が来た道を振り返る。そこに、自分が本当に望んでいたものがあれば、大人になっても夢や志を持つことができるんだ。現実と夢をすり合わせる。今まさに君に必要なところかもしれないな。

🧒‍;大きな絵を描くことを忘れていました。リーダーシップの旅においては、立ち止まって振り返らないと、見えないものがある。もう自分自身を振り返りたいと思います。

👨‍🦳‍;三章はここで終わりだ。最後くどくなってしまったが言いたいことはわかってくれたと思う。そして、自分が何から始めなければいけないかも。では、次回は4章の「旅で磨かれる力」について解説していく。後半戦に入っていくよ。

🧒‍;長いなと最初は思いつつ、、、もう後半戦ですか。ありがとうございます。

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今回はここまでです。第3章の「旅の一歩を阻むもの」の後半を解説しました。旅に出るための勇気が出ないと言ってしまえば簡単ですが、30後半から40代になってくると実績も積んできて、そこから抜け出せなくなる、いったんその貯金をおろさないと次のチャレンジには行けないんですよね。そこを下せないそこが阻む一歩であり、それを乗り越えるためには内省し、自分の実績と夢・志をすり合わせていく。それが重要だと感じました。まさに心に刺さるポイントですね。次回は第4章「旅で磨かれる力」に入っていきます。

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*なお、下記の固定記事に私のnoteの全体コンセプトを記載しています。
(初期のコンセプトからいろいろ飛躍していますが・・)

これまでの複数マガジン(書籍解説)を作成してきましたが、一覧と位置づけは下記です。(一つでも興味がおありでしたら、上記【導入編】のリンクを載せているので覗いてみていただければ嬉しいです。)

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番外編もあります。


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