Actually…
乃木坂46 29枚目シングル「Actually…」2022年の坂道グループの曲で最も衝撃を与えた曲はこの曲と言っても過言ではないだろう。
個人的な感想としては、この曲はとても面白かった。発売された後もそのキャラクターは色褪せない。
ただ、好きか嫌いかと言ったら嫌いだ。
この「嫌い」は自分でもよく分からない変なところから湧き上がっている。
まず、確実に言えるのはこれをパフォーマンスするアイドルは好きだし面白いと思っている。
自分で言うのも気持ち悪いが、センターの中西アルノは自分と似過ぎていると思う。もちろんセンスもビジュアルも表現力も彼女の方が圧倒的に上だが。
考える出発点が僕自身も見たことがあるところな気がしてならないのだ。
趣向も理想もどんな言葉になろうと、どんな絵になろうと、どんな音楽になろうと伝わる気がする。
だからこそ、MVを見た時は理解ができなかった。これは勿論、内容を理解できなかったわけではない。
「作り手は何を求めてやがる。ふざけるな」と、怒りのような感情だった。
とても独りよがりで暴走していると思ったのだ。無理やりアーティスティックと言ったらそうかもしれないが、19歳に対して創作したものがそれであるならば、僕はどうしてもそんな大人を許せなかった。
似た人があのように見られていると思っていたからでもあるだろう。そして世間は無益な恥を吐くツイートを重ねていった。
同時に「まあマイノリティなんだよな、どうせ」と、開き直る気持ちも起きた。
「Actually…」について話して理解できる人はほとんど巡り会えない。これが現実。あのネットの狂乱とその因子による勝手な私物化。このぐっちゃぐちゃな荒波こそがこの曲が作った表現。
バスラでの披露、中西アルノの表情に人間らしい所を見た。
「そう、それで良い」と思った。
どんな人間に育っていくのか。彼女の歩き始めに楽しみな気持ちが芽生えた。
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