自分の好きを分析し、相手に伝えるためのフロー

突然ですが、「あなたの好きななにか」をなんでもいいのでひとつ思い浮かべて見てください。
その「好きな何か」は"何故"好きなのですか?

思いつきましたか?

では、その"何故好きなのか"という要素を持つ「別のなにか」は全て好きですか?

こんにちは!GOです!
今回は「自分の好み」は一体どんなものなのか??ということを紐解いていくお話となります。

「好きに理由なんてない!理由をもって好きなものは本当の気持ちではない!」という意見もあるかと思いますが、そういった方はかなり感覚派かつ本能的かと思います。(実は僕が割とそう)
しかし、「好きをアウトプットする」為には、自分が"何故"それを好きなのか、という理由を明確に認識することが かなり重要 となってきます。

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さて、初めに「好きななにか」を思い浮かべて頂きましたが、これは実にアバウトな問いかけです。
ここで思い浮かぶ"なにか"は大まかに次の3段階の階層に分けることができます。

---具体的---
「個」
例:「Minecraft」というゲーム

「種類」
例:サンドボックス、オープンワールド、一人称視点のゲーム

「要素」
例:自由に遊べる、友達と遊びやすい、四角形ベースのデフォルメのデザイン
---抽象的---

「好きななにかは?」と聞かれて、「Minecraft!」と具体的に答える人もいれば、「オープンワールドのゲーム!」とジャンルで答える人もいて、「友達とワイワイすること!」とかなり大きな括りで答える人もいます。
もちろん全て「正解」です。
そして「好きをアウトプットする」為には、この例のように自分が思った「好き」は「どこの階層の好き」なのかを明確に線引きすることが必要です。

〜穴埋めをする〜

例えば、「ハンバーグが好き」という「好き」を見つけたとします。一般的にはこの時点で「好みを持っている人」となるので楽しむには十分なのですが、これだけでは「ハンバーグが好きなんです!!!」としかアウトプット出来ないので、上の"何故"を解析していきます。
今分かっている部分は

「個」の好み
指定なし

「種類」の好み
「ハンバーグ」という料理

「要素」の好み
指定なし

と言った感じとなります。
この状態だと、人に伝えた時に「じゃあ極論ハンバーグならなんでも好きなのか?」となってしまいますので、より詳細に"何故好きなのか"を分析していきます。
例えば、

「個」の好み
好みのハンバーグが提供されている店"ステーキハウス・HOWDY"のハンバーグ

「種類」の好み
これは、「ハンバーグという料理が好き」という好みのそのもの

「要素」の好み
渋谷のカジュアルでオシャレな店、美味しい、牛肉が9割以上のつなぎ少なめ、熱い鉄板に乗っている、1ポンド(450g)ある

と、穴埋めをしてみます。
そうすると「ハンバーグが好き」と人に伝える時に

「ステーキか!?ってレベルの"肉"を感じるマジで美味しいハンバーグが好きなんだよ!渋谷のHOWDYって店の1パウンドハンバーグが最高でね、カジュアルでオシャレな雰囲気もあってオススメなんだよ〜!」

と、1つの「好き」に含まれる 沢山の「好き」を把握することで手駒や切り口を沢山持つことが出来、100%主観的に沢山の好きを伝えることが可能となります。
(参考単語:限界早口オタク)
(ステーキハウス・HOWDYというお店は執筆時に適当に考えた架空のお店です。実際のものとは一切関係がありません。)

そして、このくらいの解像度で「好き」を分析できると、「共通した好きを持つ別の個」や「同じ個ではあるが、別の要素を持つすぐ隣の個」等にも視野を広げることが可能となります。

1つ目「共通した好きを持つ全く別の個」
例えば、「ハンバーグ」という種類の「牛肉が9割以上のつなぎ少なめ」の要素を持つ「家で作った手作りハンバーグ」もまた良さそうでは無いか?

2つ目 「同じ個ではあるが、別の要素を持つすぐ隣の個」
例えば、「ステーキハウス・HOWDYのハンバーグ」という個の隣は「ステーキハウス・HOWDYのビーフステーキ」という個だったりする。このステーキはそもそも「ハンバーグ」ですらないが、これもまた良さそうでは無いか?

と言った感じに。(筆者コメント:なんだかだんだんハンバーグが食べたくなってきました)

この時点で、「ハンバーグの好きな理由と、その周辺の情報」の情報量をかなり増やすことが可能です。
この段階でアウトプットに繋げるのも十分楽しいものが出来そうですが、さらにもう1段階視野を広げてみましょう。

〜「個人的」と「一般的」〜

辞書的にはこの二語は対義語ではない(個人的⇔公的、一般⇔特別/特殊)が、あくまで「自分から見たハンバーグ」と「みんなから見たハンバーグ」と言った視点での対比表現としています。

今までお話してきた内容は全て「自分から見たハンバーグ」であり「個人的な好み」のみとなります。これだけでは一方的に自分の好きを伝えるのみとなり、常に「自分が好きか否か」という土俵でしかお話が出来ません。



そこで大事なのが「一般的」にはどうか?という側面です。
「自分の好みさえハッキリ全て把握できてないのに、みんなの好みなんてそんな分からんよ〜😵」
となってしまうので、ここでは友達と"今ハマってるご飯"という話題で話す。というシチュエーションを考えていきます。

さっきの

「ステーキか!?ってレベルの"肉"を感じるマジで美味しいハンバーグが好きなんだよ!渋谷のHOWDYって店の1パウンドハンバーグが最高でね、カジュアルでオシャレな雰囲気もあってオススメなんだよ〜!」

これ、愛は伝わりそうですが少し押し付けがましいですよね。
フランクな会話上で「主張強めな意見ネタ」として持つには楽しそうですが、これの相手の直接的な答えは「HOWDYに行ってハンバーグを食べる」or「ハンバーグを食べない」の二択を強いてしまっています。

(間接的な受け答えとして、"有無を言わさず別の店をオススメし返す"等もありますが、どんどん話題が変化してしまうので割愛します。)

では何が足りないのか?
先にも書いたように、「一般的」つまり「相手」にはどう見えているのかという部分なのですが、今までで分析してきた内容ではこのお話には到達しづらいです。

ここで新たに
「好き」には「嫌い」を含んでいて、「好き嫌い」と「善し悪し」は必ずしもリンクする訳では無い。
という認識を加えていきます。
この上で「自分以外が好きになりそうな部分」を見つけていきます。
「渋谷」という要素と「ステーキ/ハンバーグ屋さん」という種類を固定して分析すると

「同じ個」
個:ステーキハウス・HOWDY
種類:ステーキ/ハンバーグ
要素:
・渋谷駅から徒歩15分程度
・オシャレカジュアル
・価格帯はランチで¥3,000~¥6,000程度
・どのメニューも美味しい
・ハンバーグは牛肉が9割以上のつなぎ少なめというこだわり有り
・ステーキとハンバーグメニューは熱々の鉄板に乗って提供される
・量は100g~500gまで100g単位で選択可能
・トッピングが豊富でチーズやパイナップルなどがある
・ランチはソフトドリンクフリー
・ディナーはお酒も有り(ウイスキーとビール中心)
・40席位はあり、団体予約も可能
・休日ランチは行列が出来ることも。平均待ち時間15分程度
「共通した要素を持つ別の個」
個:ゴールドマッスル
種類:ステーキ/ハンバーグ
要素:
・渋谷駅から徒歩30分程度、少し遠い
・ジャンクフード系
・価格帯はランチで¥1,000~¥2,500程度
・とりあえず肉が食べたい!人向け
・ハンバーガーも有り (¥1,000でポテトとドリンク付)
・ライスが食べ放題
・ステーキとハンバーグメニューは温められた鉄板に乗って提供される
・ステーキ/ハンバーグの量は150gか300gの二択
・トッピングはチーズのみ (+ ¥100)
・ドリンクバー形式でソフトドリンク有り
・ビールサーバー有り
・30席位はあり、団体予約も可能
・少し列が出来ることもあるが、回転率がいいのでそんなに待たない。平均待ち時間5分程度

※ステーキハウス・HOWDY及びゴールドマッスルは執筆時に適当に考えた架空のお店です。実際のものとは一切関係がありません。

といった感じで要素を整理することが出来ます。
これは何をしているかと言うと、「好きなところ」を見つけている訳ではなく、「良いところ」を沢山見つけています。

ここまで解像度が高くなってくると、その周辺にある「個」において割とどんなものでも「好き」を見出すことが出来るようになってきます。
このように共通項で括って集めた情報を整頓し、別の項で括ったさらに隣の情報も整頓し、、、と繰り返すと、かなり広く深く「好き」の引き出しを持つことができます。

友達と"今ハマってるご飯"という話題で話す。というシチュエーションでは、かなり大枠に要素だけをつまんだ「都心のステーキ屋さんのハンバーグにハマってる!」
という切り口も無限に掘り下げられますし、
具体的に「渋谷のHOWDYって店にハマってる!」という切り口もプレゼンができるレベルでの紹介まで出来ます。

また、相手の「好き」に対しても、知っていれば共通の話題として/知らなければまた新たなワクワク要素として レスポンスが出来るようになるので、本当に無限に話せるようになります。(筆者はこの手の話題で友達と2人で16時間くらいぶっ通しで話してることがよくあります。)

また、公にアウトプットする時も、
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「渋谷~新宿エリアのステーキ/ハンバーグ屋さん」を10ヶ所「一顧客として」分析して「個人的」と「一般的」のバランスをとりながら特徴ごとに分類をすれば、

「肉好き男子が選んだ、渋谷〜新宿のオススメステーキ屋10選!」

という、お店紹介ブログ記事として、
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「美味しいと評判のステーキ/ハンバーグ屋さん」を数ヶ所「味」や「素材」などを中心に分析し、実際に味の(一定ライン以上の)再現をする事で、

「美味しい手作りハンバーグのレシピ」

という、情報や料理という作品として、
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信頼性の高いアウトプットが可能となります。

さて、ここまで「好きに対する分析」と「アウトプットに繋げる方法」をお話しましたが、肝心な部分がすっぽり抜け落ちていることにお気づきでしょうか?

それは、「好きを見つける」という部分です。
これはかなりコツが必要ですし、エネルギーも必要です。
「興味があるものはあるが、好きなのかどうかはよく分からない」
「何かを見ても要素ばかりが気になって肝心の"そのものの好み"が分からない」
「そもそも興味がわかない」
など、「好きを見つける事」自体がなかなか難しいという方も多いかと思います。
そこで、僕なりの「何かを見る時のフロー」をお伝えします。

Step 0 「フラットな自分になる」
これは、まずものを見るときに「気分」や「先入観」などのノイズとなるものを取り払い、出来るだけ中立的な自分になることを指します。気分が高まっていたり、そもそも不健康な状態だと、脳が十分に情報を処理できなくて、盲目的かつ偏った先入観を抱いてしまう可能性がある為です。

Step 1 「頭の中を空にした状態で、"なにか"を見つける」
フラットにし、出来るだけシンプルな頭の中の状態で、"なにか"を見つける/触れる。この時点で、「好き」or「嫌い」or「どうでもいい」という感情がそのものに対して産まれるかと思います。この時に大切なのは、要素には着目せず、出来るだけ大きな枠で捉えることが重要です。あくまで、"本能的に"

Step 2 「そのものの第一印象は?」
そのものに対してどんな第一印象を感じたか、そして、さっき感じた「好み」とどうリンクしているか? という部分を考え始めます。ここで初めて脳みそに思考が巡り始めます。

Step 3 「要素を見ていく」
第一印象と好みが紐付いてきたら、徐々に細かい要素へとピントを合わせていきます。この工程でも、それぞれの要素でStep0~Step2の順で分析していきます。

Step 4 「まとめる」
そして、拾い上げてきた要素と好みを全て整頓していき、そのものは"今の自分にはこう見えている"とまとめます。これは、ある意味「認識の固定」の工程となります。アウトプットはこの時点で行うとある程度の説得力があり効果的です。

Step 5 「更新」
このままでは最初に見た時の認識のまま固定されてしまうので、極力短いスパンで再度Step0〜Step4を行い、前回の認識との差分を見ていきます。
この更新を多くやればやるほど、そのものに対する解像度・精度が高まっていきます。

僕はこのStep0〜Step5を身の回りのもの全てに適応し、目に映るもの・耳で聞くもの全てにおいて「好み」や「分析した情報ライブラリ」を持つようにしています。また、このフローを日常的に行っているので、初見のものでもかなりの速さで一巡はして情報を拾うことが可能です。

以上、「自分の好きを分析し、相手に伝えるためのフロー」でした!
少し長文となってしまいましたが、自分の「好き」をハッキリ把握出来るようになると身の回りの色々なものの良さや好きを沢山見つけられるようになるので、是非ともこの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございます!

ではでは〜

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