観光資源豊富な町でのインバウンド事業
初めまして、英語通訳ガイドのMayukoです。
半年弱経ってしまいましたが、インバウンドファクトリーがお手伝いした2021年度の事業の1つをご紹介します。
昔からの「観光地」でのインバウンド客の現状
本事業のパートナーはとあるDMOさんです。
「やはり地域の活性化のためにもインバウンドで外貨を。観光に力を入れよう!」と立ち上がったわけではなく、以前から観光地として人気の観光の老舗地域。自然、歴史、食べ物、温泉など観光資源がとても豊かなところです。
これを聞くと、今更観光に改めて力を入れる必要があるのか?と羨ましく思う地域の方もいるかもしれません。
お客様のインバウンドに関する悩みは、インバウンド観光客が訪れても町に長く留まってくれないこと。宿泊をするお客様が少なく町にあまりお金が落ちないのです。
日本人であれば週末や三連休などを利用して1か所に観光に行きそこに宿泊するのが一般的。でも、インバウンドのお客様だと限られた時間で日本をたくさん楽しみたい!となると、必ずしも訪れた地域=宿泊先ではないのです。
インバウンド客のこの動向は、グループツアーでも同じ。グループは大型バスでメイン観光地を訪れそのまま次の目的地へ。FITもメインアクティビティの終着点が駅なのでそのまま夕方の電車に乗り込み大都市へ。
この悩みの解消の1つの策として、町に留まってもらえるようなツアーの造成と、そのツアーに添乗できるガイドの育成をインバウンドファクトリーにご依頼いただきました。
インバウンドツアー造成
元々日本人観光客向けにあったツアー4つをインバウンド仕様に変更。OTA(Online Travel Agent。日本でいうと楽天トラベルやじゃらんなど)に掲載したり旅行会社に提供したりする英語のツアー内容ドキュメントと、ガイドさん向けのマニュアルを作成しました。
ツアー4つを作ったのですが、それぞれ
集合/終了時間や各所滞在時間
グループの規模
各所で説明するトピック
リスクマネジメント
を海外からのお客様向けに再検討しました。
ガイド経験のない地元の方もガイドとして稼働していただく予定なので、集合場所でお客様をどのようにお迎えするか、自己紹介や行程の説明などどのような流れでどのような点に注意して行うか、までガイドノートに盛り込みました。
私はツアーオペレーターに勤めていたこともあり、ガイドノートは昔からよく作成しているのですが、実際のツアーを想像しながら、こういうところに注意してあれやこれやする、というマニュアルを作るの、実はよだれ流しながら作業するほど大好きです、ふふふ。。
ガイド研修
DMO公認のツアーガイドを育成するための2021年1月と2月に研修も行いました。
県外から参加された経験もりもりのベテランガイドさんたちから、県内にお住まいのインバウンド関連の経験が多少ある方、外国のお客様の案内はほとんど経験ない!でも外国のお客様のご案内は興味ある!という地元の方まで様々な方にご参加いただきました。もちろん年齢も幅広いです。
内容は、1回のオンライン研修と1泊2日の実地研修。
オンライン研修では、DMOさんが目指すこの地域のインバウンド観光の姿、作成した4つのツアーの概要を説明。
実地研修では、行程管理(タイミングや安全管理)と外国人目線で各所でどのようなご案内が必要かを共有していきました。4つのツアーを2日間でダイジェストランスルーというハードスケジュールでしたが、身体も脳みそもフル回転して実りのある研修になりました。
4つのツアーは以下の通り。
超王道のツアー
時間も短く移動も少ない手軽な座学的ツアー(このエリアの歴史や精神をじっくりと知れるので他のツアーとの組み合わせもオススメ)
認められたガイドと一緒でないといけない場所に行く1日1組限定のツアー
早朝2時間ほどのツアー(宿泊しないと参加できない)
この4番のツアー、インバウンド客が来るけどお寺や自然を見るだけで、宿泊も食事もしてくれず、お金が落ちない!とお悩みの自治体におすすめの手法です。
早朝の日の出ツアーや、市場見学、夜のバーホッピングや星空ツアーなどは宿泊しないと参加できません。ツアーにしなくてもおすすめのアクティビティとしてプロモーションするだけでもある程度効果はあるのではないでしょうか。
2022年度に続く
実地研修後のアンケートでは
実際どのようにガイドするのかの流れが細かく説明された資料があり分かりやすかった
お客様に合わせて臨機応変にガイドをすることの大切さを学べた
緊張して参加したが、和気あいあいとした雰囲気で安心して参加できた
いろいろなバックグラウンドを持つ方が参加していたので勉強になった
ガイドの同志と2日間過ごしてガイド像が見えてきた
などと言った感想をいただきました。
引き続きこのDMOさんとガイド育成事業のお仕事をさせていただけることになって2022年度も継続中ですので、次回はその様子をお送りします。
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