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Prismrose 制作メモ

お疲れ様です。
お世話になっております。自動車 原付です。

先日『Prismrose』という楽曲のMVを制作したのですが、このnoteでは何を考えながらこの映像を作ったかを紹介します。どういったコンセプトで作ったのか、イメージをどこから持ってきたか、などつらつらと書いていきたいと思います。

クリエイターたるもの、作ったものだけで表現を完結させ不必要な自分語りをするな!という意見もあるとは思いますがしゃべらせてください。語りたがりなんですよね……


楽曲

いい曲ですよね~~~!こういうクラブミュージックっぽいシンセやキックがなっているポップス、大好きです!


「プリズム」として直角三角形を

タイトルの「Prismrose」はPrismとPrimroseを合わせた造語だそうです。この2つをまずキーワードとして制作を進めました。

「プリズム」のモチーフとして三角形を取り上げることにしました。サビでの三角柱もそうですが、それ以外にもパーティクル、曲名ロゴ、ロゴモーション、背景のパターンなどでも三角形をキーワードにアイデアを出していきました。
ここでのポイントは正三角形だけでなく直角三角形を使うようにしたところです。プリズムといえば正三角形のイメージですが、あえて直角三角形を用いることで新しさが狙えるかな~と思い直角三角形を意識的に使っています(正三角形を使わないという段階以降のアイデアの掘り下げが雑……)。背景で敷き詰められている三角形などがわかりやすいと思います。イントロのたくさんロゴが表示されるカットでは、それぞれのどこか一部に必ず直角三角形が入るようにしています。

本当はすべて直角三角形にしたかったのですが技術的・見栄え的にしっくりこないところもあり正三角形も使っています。統一できていないことで見ている人にあまりこの特殊性が伝わらないかな…というのが反省ですね。


「プリズム」の光要素

プリズムのもう1側面として光を屈折・分光する点がありますね。
光の表現あるあるとしてはフレアがあげられると思います。この前AE定番プラグイン「Optical Flares」を買ったのでそれを挿しておけばいいだろうと思ったのですが、今回はそれだけだとちょっと印象が弱いかなと思いました。「分光」=「色がたくさん入る」、そのためにカラフルなパーティクルを飛ばしています。不透明度を落とした大きな三角形を複数配置することでプリズムのキラキラ感っぽいものを出しています。ParticularとOptical Flaresの合わせ技は最強ですね。
本当は3DCGソフトでプリズムを作って光の屈折・分光表現をするのが一番いいのですが、技術がないので諦めました。オクターンがどうとかみたいな話なんですっけ……?(本当に何も知らなくて良くないですね)


「プリムローズ」

曲名のもう一つの要素「Primrose(サクラソウ)」はロゴで回収しています。

「桜」ではなく「サクラソウ」、画像検索をしてみると小さくて淡いピンク色の花がヒットします。桜に比べ花びらのシルエットがスマートというかシュッっとしているように感じました。桜のロゴはシルエットをぷっくりさせるかなと思ったので、差別化を図るため直線でスマートに花びらの形をとりました。

花のシルエットの右上に粉々になって消えていくエフェクトを掛けています。なんかエモくて良くないですか?それだけです。
映像で動かせたら良かったんですがAEが使いこなせておらず……。やるにせよ小さい変化になりそうなので、せっかくの演出がうまく日の目を見ないかなあと思いやめました。


歌詞のモーション

そういえばあまり歌詞のある曲の映像を作ることがありませんでした。なので、文字周りのモーショングラフィックスをすることができてよかったです。

文字をパーツに分解して動かす、文字と合わせて図形が出てくる、などよく見かける演出ではありますが、自分の手で実際にやるとすごく手間がかかるのが実感できますね。キーフレームを効率的に打っていかないといけないのでショートカットキーをもっと覚えるべきだなあと感じました……。
しかし「やりこめばやりこむだけ良いものができる」という感触があり、作業している分にはやりがいあるなあと思いました。細かいモーションが僕の性に合ってるみたいですね。

持っているのに使ったことがなかった「GG 文解」にとてもお世話になりました。便利スクリプトだ……。当たり前かもしれませんが画数の多い漢字を一画一画分解するのは手でやるしかないですよね。今回はやりませんでしたが。


大量ピクトグラム起こし

「学校」「春」「女子」をテーマに十数個ピクトグラムを起こしました。イントロなどで使っています。

僕が以前「浮世絵横丁」という作品でした演出(43秒付近)をもう一回やろう!というモチベーションです。

こまごましたピクトグラムをシェイプレイヤーで起こすのは大変ですが、このちまちまとした作業の感じは嫌いじゃないです。それぞれに細かいモーションをつけていく作業も乗ってくると楽しいものです。100マス計算のようなものですね。

3年ぶりにやりましたが面白かったです。こういう演出は僕の映像制作の原点の一つである「B.B.K.K.B.K.K.」のまさにそれなので好きなんだと思います。


色を積極的に使っていく

色の組み合わせに苦手意識があり、「カット全体で2トーン」とか、「彩度固定で明度のみ変更」、といった配色をしがちでした。ですがいろんな映像を作るうえで配色センスは避けては通れないだろうと思い、配色の本を1冊買いました。数か月積んでいたのですが引っ張り出して使ってみました。

いきなり2を買ったのは挙げられているイメージ例にオリジナリティがあって即戦力になりそうだなあと思ったからです。

四季についての配色パターンが挙げられていたので、全体の配色として「春」の配色を、またAメロでは冬から春の移り変わりが歌われていたので「冬」の配色を使ってみました。
我流だとついコントラストの強い配色ばかり作ってしまうので「このパレットじゃどう頑張ってもコントラストが出ないんですけど!?」となりました。今客観的に見るとちょっと面白いですね。濃い味ばかり好き好んで食べてると繊細な出汁の味とかわかんなくなりますよね。柔らかい配色も使いこなせる脳みそになりたい。



以上です。
毎回映像を作る際にいろいろ考えるようにしているのですがこのように文章でまとめたのは初めてです。ちゃんと伝わってますかね?(思考の表面をなぞっているだけだなあ……読んでくれている方にちゃんと伝わっているだろうか……)と読み返して思っています。文章力、というか伝達力・表現力という感じですね!

以前配信でこういった解説を口頭で行ったことがあるのでこういうのもっと知りたいわ~~~~という方はこちらをご覧ください。(時間に対する情報密度が薄いのであまりお勧めはできませんが……)

僕は創作物のこだわりを自力で見出すのがそんなに得意ではないんですが、インタビュー記事や自己解説記事を読むのはとても好きなので皆さんも自分の創作物に込めたポイントや想いをまとめてみてはいかかでしょうか?

キュレーションサイトみたいな締めになってしまいましたが、今後も気持ちと時間があればこういった紹介記事を書きたいと思いますのでチャンネル登録よろしくお願いします!!!!!(noteの仕組みがまだ良く分かっていないのですがチャンネル登録みたいな機能ある……よね……?)

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