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ドグマブレード

2019年7月から適用されるリミットレギュレーションが公開されましたね。やはり目を引くのは《E・HERO エアーマン》の制限解除でしょうか。一時代を築いた往年のパワーカードが遂に3枚使用可能となったことで沸き立ったプレイヤーも多いのではないでしょうか。

そこで簡単にではありますが、今回はそのエアーマンを使用したデッキ【ドグマブレード】をご紹介したいと思います。


1.ドグマブレード とは?

ドグマブレードとは、先行1ターン目に自らのデッキをフル回転させて墓地に魔法カードを溜め、相手のターン開始時に《マジカル・エクスプロージョン》で相手のライフを削り切るワンターンキルデッキです。フィニッシュの補助輪として《D-HERO ドグマガイ》を使用するほか、手札コストとして《神剣-フェニックスブレード》が多用されることからこの名がつけられました。

2.戦術

このデッキの勝利手段は2種類存在します。1つ目は先ほど述べたマジカル・エクスプロージョンによるワンターンキル。2つ目はモンスターの攻撃によって直接相手のライフを削り切るビートダウンプランです。基本的には前者のプランを目指しますが、手札の都合によっては後者のビートダウンプランを選択する場合もあります。後述しますが、このデッキのモンスターの質はとても高く、今回の改訂で制限解除されたエアーマンを含めて単体で優秀なモンスターが多いため、ビートダウンによって8000のライフを削りきることも難しくありません。

3.リスト

では、実際のドグマブレードのリストを見てみましょう。以下は私が2019年6月15日現在使用しているドグマブレードのリストです。

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モンスター (9)
1 混沌の黒魔術師
3 D-HERO ドグマガイ
1 光帝クライス
1 E・HERO エアーマン
1 D-HERO ディスクガイ
2 サイバー・ヴァリー

魔法 (29)

3 名推理
3 モンスターゲート
2 増援
2 魔法石の採掘
2 トレード・イン
3 デステニー・ドロー
3 アームズ・ホール
1 ハリケーン
1 手札抹殺
1 封印の黄金櫃
1 死者蘇生
1 次元融合
1 魔力倹約術
2 神剣-フェニックスブレード
2 D・D・R
1 早すぎた埋葬

罠 (2)

2 マジカル・エクスプロージョン

何度見ても、この完成された美しいリストに言葉を失ってしまいます。
しかし、初見でパッと見ただけでは「なんじゃこのデッキは」となってしまうと思うので、各々のカードの役割を簡単に解説していきます。

4.各カード解説

《混沌の黒魔術師》
デッキの核です。このモンスターが場に出るか否かでワンターンキルの成否が決まるといっても過言ではありません。役割が余りにも多すぎるためこの場で余すことなく解説することは難しいですが、間違いなくこのデッキで最も柔軟なカードです。ドグマブレードは如何にしてこのカードにアクセスするかを常に意識してプレイするデッキでもあるのです。

《D-HERO ドグマガイ》
このデッキの名前の由来となっているこのカードですが、主な役割は「コスト」です。エアーマンでサーチが可能であり、トレードインとデステニードローの両方に対応しているため、デッキの回転に大きく貢献します。また、戦士族であるためフェニックスブレードのコストにもなります。さらに、特殊召喚モンスターであるため名推理やモンスターゲートを阻害しないのもポイントです。

しかし、上記のコストに関連する点だけでなく、このカード自身がバトルゾーンに出て活躍する場合も多々あります。このデッキでは、後述のディスクガイをリリースすることでこのカードを特殊召喚することが可能です。そしてこのカードは「相手のスタンバイフェイズ時に相手のライフを半分にする」という豪快な効果を持っています。

このデッキは主にマジカル・エクスプロージョンでのワンターンキルを目指しますが、魔法カードが29枚である都合上、マジカル・エクスプロージョン1枚で8000のライフを削りきることは不可能です。そのため、基本的にはマジカル・エクスプロージョンを2枚発動することでワンターンキルを実現するのですが、どうしてもマジカル・エクスプロージョンを1枚しかセットできない場合があります。
ここでドグマガイの出番です。ドグマガイの効果で相手のライフを4000にした後にマジカル・エクスプロージョンを発動することでワンターンキルが可能になるのです。

このように、デッキの名を冠するに相応しい大活躍を見せてくれます。

《光帝クライス》
このカードの役割は多岐に渡りますが、主な役割はもちろん「ドローソース」です。このデッキには名推理、モンスターゲート、死者蘇生、次元融合、D・D・R、早すぎた埋葬の計11枚の特殊召喚カードが存在します。これら全てに対応し、どのカードで特殊召喚されたとしても単体でドローができるカードはこの光帝クライスのみです。中でも一番多いのは、早すぎた埋葬による特殊召喚でしょう。特殊召喚成功時にクライス自身と早すぎた埋葬の2枚を破壊することで強欲な壺のような動きをすることができます。
また、戦士族であるためフェニックスブレードのコストにもなります。

《E・HERO エアーマン》
制限解除おめでとう!!このデッキに2枚採用されている増援でサーチが可能であり、さらにこのカード自身でドグマガイやディスクガイをサーチすることができるため、カードの橋渡し的な役割を担います。
また、戦士族であるためフェニックスブレードのコストになるほか、フェニックスブレードの装備対象にもなります。その場合、攻撃力は
1800+300=2100
となり、上級モンスターであるサイバードラゴンと相討ちを取ることも可能です。

《D-HERO ディスクガイ》
遊戯王というカードゲームにおいては、ドローという行為に対して非常に厳しい制限が課せられています。無条件で2枚ドローできる強欲な壺は禁止ですし、先述の光帝クライスも自分のカードを2枚犠牲にすることでようやく2枚のドローが可能となります。
その中で、このカードは「墓地から特殊召喚された場合」という極めて緩い条件で2枚のドローが可能となります。また、このカードはD-HEROであるため

①エアーマンでディスクガイをサーチ
②デステニードローでディスクガイを墓地へ送り2ドロー
③死者蘇生でディスクガイを特殊召喚して2ドロー

という意味不明なまでのドロー連鎖が実現します。
また、先述のドグマガイの特殊召喚コストとしての役割も担うため、特殊召喚される頻度がとても高いモンスターです。

《サイバー・ヴァリー》
このデッキの縁の下の力持ちです。単体では能動的なドローができないため他のモンスターに比べると派手な動きは出来ませんが、手札に来てしまったモンスターを除外しながら名推理やモンスターゲートで墓地に落ちたマジカル・エクスプロージョンを回収したり、混沌の黒魔術師と合わせて無限ドロー(後述)を行ったりと小回りの利くモンスターとして重宝します。

《名推理》
初動となることが多いカードです。モンスターの効果を駆使してドローを効果的に進めながら墓地に魔法を溜めて勝つということを目的としているこのデッキにおいて、モンスターの特殊召喚と墓地肥やしの両方を行うこのカードはとても重宝します。多くの場合、混沌の黒魔術師を警戒してレベル8を宣言されることが多いですが、このデッキにはレベル8の混沌の黒魔術師の他にもレベル6のクライス、レベル4のエアーマン、レベル1のディスクガイとサイバーヴァリーと上手くレベルがバラけているため、初動として発動した場合は高い確率で何かしらのモンスターが特殊召喚されます。

《モンスターゲート》
先述の名推理と同系統のカードですが、名推理と違って初動とならない代わりに確定でモンスターが特殊召喚されます。また、場のモンスターをリリースするという点も地味に重要な要素で、名推理で捲れてしまったディスクガイをモンスターゲートで墓地へ送り、デッキ内のモンスターを特殊召喚しつつ死者蘇生でディスクガイを蘇生して2ドローするというような、場にいると邪魔なモンスターを効率的に処理するという役割も果たします。

《増援》
初動兼デッキ圧縮です。サーチ可能なカードはエアーマンとディスクガイの2枚です。どちらをサーチするかは手札によりけりですが、ディスクガイをサーチすることが多いです。ディスクガイをサーチすることで名推理やモンスターゲートのハズレを山札から除きつつ、デステニードローに繋げるという動きは理想的な初動であると言えます。
対照的に、エアーマンをサーチして通常召喚時の効果でHEROをサーチするという動きは、後述のアームズ・ホールの発動を阻害してしまうため可能な限り避けたい動きです。

《魔法石の採掘》
超万能カードです。主な役割はもちろん魔法カードの再利用ですが、手札コストでモンスターやフェニックスブレードを捨てられる点も見逃せません。
また、このデッキのフィニッシュ手段であるマジカル・エクスプロージョンには「自分の手札が0枚の時に発動する事ができる」という制限が課せされているのですが、デッキを掘り切って手札が溢れている場合でも

①魔法石の採掘Aで魔法石の採掘Bを回収
②魔法石の採掘Bで魔法石の採掘Aを回収
③①に戻る


という動きを繰り返すことで簡単に手札が0枚の状態を作り出すことができます。

《トレード・イン》
対応モンスターは混沌の黒魔術師とドグマガイです。役割は手札に来た先述の2種類のモンスターの処理兼ドローソースですが、気を付けなければいけないことがあります。それは、混沌の黒魔術師を捨てるタイミングです。コストとして混沌の黒魔術師を墓地へ送った場合、それはもちろん相手にも公開されます。そうなると、自分のデッキ内に混沌の黒魔術師が存在しないということが相手にバレてしまうため、名推理の発動時にレベル8を宣言してもらえず、特殊召喚が成功しない可能性が高くなってしまいます。
そのため、後述のデステニー・ドローよりも少しだけ扱いの難しいドローソースです。

《デステニー・ドロー》
対応モンスターはドグマガイとディスクガイです。役割はトレード・インと同じですが、ディスクガイは増援とエアーマン2種類でサーチできるため手札に来る確率が高く、このカードのドローで蘇生カードを引き込みディスクガイを蘇生することでドローを連鎖させることができるため、積極的に発動したいカードです。

《アームズ・ホール》
装備魔法サーチ……なんて簡単な言葉で片づけられるようなカードではありません。恐らくこのデッキにおいて最も重要な魔法カードといっても過言ではないでしょう。このカードの強さは何といっても「墓地に存在する装備魔法を回収できる」という所です。通常召喚したターンには使用できないという重い制約があるものの、墓地の早すぎた埋葬やD・D・Rを回収するという目的であれば、手札コスト2枚を要求する魔法石の採掘と比べて遥かに優秀です。

また、「山札の1番上のカードを削る」というコストも地味に重要で、デッキを掘り進める他、例えば墓地に何もモンスターがいない場合でも運任せに発動することで、うっかりクライスが墓地に落ちたおかげで早すぎた埋葬を回収してクライスを特殊召喚して2ドローからドローが連鎖……など色々なミラクルを起こす可能性を秘めています。
上記の「早すぎた埋葬+クライス」の組み合わせは特にアームズ・ホールと相性が良く、早すぎた埋葬を回収するために頻繁に連打します。

《ハリケーン》
相手の伏せ剥がしはもちろんですが、基本的にはD・D・Rや早すぎた埋葬の再利用を目的としています。特にディスクガイを蘇生した早すぎた埋葬を回収することが多いです。
また、一応ではありますが

①手札を1枚捨ててD・D・Rで混沌の黒魔術師を特殊召喚
②混沌の黒魔術師でハリケーンを回収
③ハリケーンでD・D・Rを回収(混沌の黒魔術師は除外される)
④①に戻る


というような動きをすることで、手札が0枚というマジカル・エクスプロージョンの発動条件を満たすことができます。
仕方なくサイバーヴァリーのコストで魔法石の採掘を1枚除外してしまった時などに活かせるテクニックです。

《手札抹殺》
手詰まりになった時に仕方なしで撃つことが多いカードです。手札に溜まったモンスターやフェニックスブレードなどを墓地に落とすことはできますが、その後が完全に運頼みな上に手札の総枚数自体は1枚減っているため、使用せずに済むのであればそれに越したことはないカードです。
ですが、特別なコストを必要とせずにドローができる魔法カードはこのカードのみなため、サイバーヴァリーでデッキトップに回収したカードを引き込むために使用したりすることもあります。

《封印の黄金櫃》
このデッキは欲しいカードのために4ターンも待つ気は一切ありません。1ターンでデッキ内のカード全てにアクセスすることがこのデッキの目標です。モンスターゲートで特定のモンスターを狙い撃ちするためにハズレとなるモンスターを山札から抜いたり、クライスや混沌の黒魔術師を除外してD・D・Rや次元融合での特殊召喚に繋げるのが主な役割です。

《死者蘇生》
言わずと知れたノーコスト万能蘇生カードですが、このデッキではアームズ・ホールやハリケーンで再利用できる早すぎた埋葬に劣ることが多いです。墓地に蘇生対象がいたらパパッと使ってしまうくらいの感覚でもいいかもしれません。ですが、早すぎた埋葬の800というライフコストが地味に重くのしかかってくることもあるため、なんだかんだで手札にあると嬉しいカードです。

《次元融合》
最強。この一言に尽きる魔法カードです。フェニックスブレードのコスト等で除外ゾーンに溜まったモンスターが全て帰還して一瞬でモンスターゾーンが埋め尽くされるのはまさに圧巻。この豪快な特殊召喚効果によって、ドグマガイの特殊召喚条件を満たすことが一気に楽になります。中盤辺りからはほぼこのカード目当てでデッキを全力で掘りに行きます。
しかし、この効果の代償として設けられた2000というライフコストは決して軽くありません。その問題を後述の魔力倹約術で解消しています。

《魔力倹約術》
魔法カードのライフコストを0にする永続魔法カード。このカードにより、次元融合と早すぎた埋葬をタダ撃ちできるようになります。
また、この魔力倹約術+次元融合+混沌の黒魔術師+サイバーヴァリーで無限ドローが可能になります。

①次元融合で混沌の黒魔術師とサイバーヴァリーを特殊召喚

②混沌の黒魔術師の効果で次元融合を回収
③サイバーヴァリーの効果で自身と混沌の黒魔術師を除外して2ドロー
④①に戻る

といった動きがライフコスト0で行えるようになるため、デッキ枚数の許す限りドローができます。
また、初手でこちらのデッキが回り切らずに相手にライフを大きく削られてしまった場合、次元融合や早すぎた埋葬のライフコストを払うことができないといった事態を回避する役割もあります。

《神剣-フェニックスブレード》
墓地の戦士族2体を除外というコストさえ満たすことができれば何回でも回収することが可能なので、最強の手札コストとして機能します。自身がコストになるだけでなく、このデッキでは次元融合やD・D・Rなどで除外ゾーンのモンスターも積極的に利用するため、自身のコストまでメリットとなっているため、デッキの名を冠するに相応しいカードです。
名推理やモンスターゲートなど何かのついでで墓地に落ちただけで機能するため、基本的にアームズ・ホールでサーチできることはありませんが、攻撃力300ポイントアップの装備効果はビートダウンプランを取る際に使用することがあります。

《D・D・R》
除外された混沌の黒魔術師を特殊召喚するのはもちろんのこと、特殊召喚モンスターと手札コストの確保を1枚で果たすことができるフェニックスブレードととても相性のいい装備カードです。
クライスを特殊召喚する機会が多く、

①墓地のクライスを除外してフェニックスブレードを回収
②フェニックスブレードをコストにしてD・D・Rを発動
③クライスを特殊召喚し、クライスとD・D・Rを破壊して2枚ドロー


という動きを取ることが多々あります。早すぎた埋葬に比べるとやや劣るものの、アームズ・ホールで再利用することが多いカードです。

《早すぎた埋葬》
今までの解説の中で何度もこのカードの名前が出てきたため、もはやこのカードについての解説は不要かもしれません。クライスとの組み合わせで2ドローしたりアームズ・ホールやハリケーンで再利用可能であったりと、このデッキにおいてはほぼ死者蘇生の上位互換として機能する蘇生カードです。アームズ・ホールは主にこのカードを再利用するために使用します。
ただ、アームズ・ホールの効果で回収しようと思ったら盤面に早すぎた埋葬と蘇生対象が残っていたせいで回収できなかった、というミスが稀に起きるため気を付けましょう。

《マジカル・エクスプロージョン》
フィニッシャー。先述したように、ドグマガイと組み合わせれば1枚でフィニッシュが可能になりますが、ドグマガイがドローフェイズに月の書で裏側守備表示になると、ドグマガイの効果を発動できずフィニッシュ不可能になり負けという可能性もあるため、やはり可能な限り2枚セットしてターンを終えるのが理想です。基本的にはデッキをほぼ掘り切ってからサイバーヴァリーの効果で墓地のマジカル・エクスプロージョンをデッキトップに積んでドローソースで回収というプランが多いため、中途半端なタイミングで手札に来てしまった場合は思い切って手札コストにしてしまいましょう。また、墓地に魔法カードが20枚あれば1枚で4000火力に到達してフィニッシュが可能になるため、デッキを掘り切れなかったという場合でも墓地の魔法カードの枚数を数えたら火力が足りていたということが多々あります。そのため、墓地の魔法カードの枚数は常に意識しましょう。
あと、「自分の手札が0枚の時に発動する事ができる」という制約は忘れがちなので、手札のカードを上手く捌き切る手段(魔法石の採掘など)を同時に確保しておくことも忘れずに。

5.ビートダウンプランについて

ワンターンキルを目指す際の細かいテクニックに関して一つ一つ言及していくとキリが無いためこの記事では割愛しますが、先程少し触れたビートダウンプランについて簡単に解説しようと思います。

このデッキは見た目からも分かる通り、ワンターンキルに特化したデッキです。そのため、約7割の確率で先行ワンキルが成立するという恐ろしいデッキに仕上がっています。しかし、残り3割は失敗するというのもまた事実。ではその3割は仕方なく敗北するしかないのかという問いに対する答えがこのビートダウンプランです。

とは言っても、ちんたらと攻撃力1800のエアーマンで5回殴って勝利というような甘えたプランではありません。ドグマガイをはじめとした高打点のモンスターを叩きつけて、8000のライフを1回のバトルフェイズで削り切ることを目指します。

このデッキには、非常に美しい8000の削り方があります。それは、ドグマガイと混沌の黒魔術師とエアーマンを並べることです。この3体の攻撃力を合計すると……
3400+2800+1800=8000
なんとジャストキルが成立するのです。
さらに、このデッキには光帝クライスが採用されているため、相手の盤面を無理やりこじ開けて先述の3体でダイレクトアタックして勝ち、というようなことも珍しくありません。

マジカル・エクスプロージョンによるフィニッシュが困難であると判断した場合はこちらのプランで勝利を目指しましょう。

6.さいごに

このデッキは一つの記事で語るにはあまりにも深すぎるデッキです。また、直感的なプレイを要求されるデッキでもあるため、試しに自分で回しながら試行錯誤を繰り返すことが重要だと思います。

最後になりましたが、もう半月後には新しいリミットレギュレーションでの遊戯王が始まります。環境も大きく変わることでしょう。ちなみに、この記事で紹介した混沌の黒魔術師、ディスクガイはエラッタ適用前のテキストを前提としています。また、名推理、増援は現在1枚制限です。加えてハリケーン、次元融合、フェニックスブレード、早すぎた埋葬、マジカル・エクスプロージョンは禁止カードに指定されています。
そのため、このデッキは7月1日から適用されるリミットレギュレーションでは使用できません。

長文にお付き合いいただきありがとうございました。


6.魔力倹約術について(200613 追記)

とりで(@toride0313)さんが、2020年にもなって「ドグマブレードシミュレーター」という素晴らしいツールを公開してくれました。

そしてこのツールの公開に伴い「魔力倹約術は要らないのでは」というご指摘が多く挙がっていたため、リストを提供した私から回答させていただきます。

結論から申し上げますと、このシミュレーターにおいては魔力倹約術よりもおろかな埋葬の方が適していると思います。

<魔力倹約術>
魔力倹約術を採用している大半の理由は次元融合、混沌の黒魔術師、サイバー・ヴァリーとの組み合わせで無限ループを決めることです。この無限ループは初心者にとってはこの複雑なデッキの中での明確なゴール地点であり、優秀な補助輪として作用します。
またもう一つこのカードを採用するメリットとして「ライフが800からでもワンチャン捲ることができる」という点が挙げられます。
ドグマブレードはもちろんワンキルデッキですが、当然毎回のようにワンキルが決まるわけではありません。むしろ思った以上に失敗します。
そうなった場合、当然相手はこちらのライフを詰めてきます。この時に自分のライフが800以下となった場合、こちらは次元融合どころか早すぎた埋葬まで撃てなくなってしまいます。
こうなるとこのデッキは実質負けです。「ドローが止まってしまったけど、次のトップが早すぎた埋葬やアームズホールならばまた動き出せる…!」という手札でも、ライフを詰められた時点で実質負けなのです。
このような場面はミラーマッチでも発生します。もし相手が先攻で事故り、墓地の魔法の枚数が致死量に達していなかったとしても、とりあえずこちらのライフを2000以下まで削っておけば次元融合を封じることができます。こちらのライフが2000以下では、早すぎた埋葬も2回しか撃てません。ほぼ負けです。
このようなライフが詰まっている状態から捲り目を生み出すのが魔力倹約術です。

<おろかな埋葬>
おろかな埋葬を採用する理由は「安定性の向上」の一点に尽きます。
魔力倹約術は前述のようなメリットがある分、事故の要因ともなります。
このデッキは見ての通り墓地リソースを多用するデッキであるため、墓地に直接干渉できるカードの価値は高いです。ディスクガイを落として早すぎた埋葬で蘇生したり、フェニックスブレードのコストを供給するのも良いでしょう。
また、モンスターゲートのハズレを減らせるという点も大きいです。特にエアーマンやディスクガイはモンスターゲートから出てもあまり美味しくないため、積極的にデッキから墓地に落とすことでモンスターゲートの価値を高めることができます。
デメリットは、このカードを採用することで少しリストの見栄えが悪くなることです。(2008年3月1日のリミットレギュレーションではおろかな埋葬は準制限のため)

このシミュレーターでは相手からのライフ干渉が存在せず、また無限ループに頼らないことによって回し手の技術向上にも繋がるため、双方を比較した場合、おろかな埋葬に軍配が上がると思います。

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