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2020-10-01制限 召喚ドラグマミラー

昨年組んだ「2020-10-01制限 召喚ドラグマミラー」がなかなかに面白かったので、今さらながら簡単な紹介記事を書いてみました。
比較的最近のデッキであり、当時の解説記事や対戦動画などが多数存在するため、デッキの概要や細かいテクニックなどについては割愛します。


特色

このミラーの特色として、以下のような点が挙げられます。

テキストが難しいカードが少ない
当デッキに採用されているカードはどれも比較的シンプルなテキストのものが多いです。そのため、「言われねえと気づかねえよこんな効果!」となることが少なく、初見の方でも割とすぐに慣れることができると思います。

ややこしい展開がない
召喚ドラグマというデッキはそこまで横並べをするデッキではありません。何ならエクレシア単騎で攻撃するような試合も多々あります。そのため、展開ルートを覚えていないと勝負の土俵に立てないといったこともなく、比較的とっつきやすいデッキとなっています。最低限、アレイスター→アルミラージ&セキュアガードナー OR アルテミス→メルカバーさえ覚えておけば問題ないでしょう。

後手捲りが頻繁に発生する
前述のように、召喚ドラグマというデッキはあまり横並べをしないため、先行の盤面の強度が緩いデッキです。もちろん先行のメルカバーは強力ですが、豊富な手札誘発がどれもアレイスターに直撃するため、そう簡単には成立しません。それに、万が一メルカバーが成立したとしても、後手捲り用のカードも豊富なため、妨害を一枚一枚しっかりと踏んでいくことで捲りを発生させることが可能です。

抹殺の指名者の存在
このカードの存在こそが、このミラー最大の特徴だと考えています。マスターデュエルでは手札誘発を貫通できる先行展開用の札としてかなりのヘイトを集めていましたが、このミラーにおいてはそれ以外にも多くの役割を持ちます。
まず、お互いのデッキに採用されているカードがほとんど同じであるため、エクストラデッキ以外のほぼ全てのカードを弾くことが可能です。そのため、どのカードを使うにしても常にこのカードの存在を意識する必要があります。
また、このデッキには強欲で貪欲な壺が採用されているため、採用カードの枚数を下手に減らすとコストで全て除外されてしまい、抹殺の指名者で弾けないといった現象が発生するため、構築段階からこのカードの存在を意識する必要があります。


ルール

プレイ人数:2人
適応リミットレギュレーション: 2020年10月01日 (天底の使徒、墓穴の指名者などが準制限)
メインデッキ:45枚のプールの中から自由に構築
エクストラデッキ:15枚固定

カードプール

以下のメインデッキ45枚の中から自由にデッキを構築します。エクストラデッキについては15枚固定です。

メインデッキ(モンスター)
// モンスター(20枚)
3 召喚師アレイスター
3 教導の聖女エクレシア
2 教導の騎士フルルドリス
1 教導の大神祇官 // フルルドリスと入れ替えを予定
3 アーティファクトーロンギヌス
3 増殖するG
3 灰流うらら
2 ダイナレスラー・パンクラトプス
メインデッキ(魔法)
// 魔法(20枚)
3 強欲で貪欲な壺
3 召喚魔術
2 ルドラの魔導書
2 天底の使徒
2 墓穴の指名者
3 抹殺の指名者
3 暴走魔法陣
1 テラ・フォーミング
1 ハーピィの羽根帚
メインデッキ(罠)
// 罠(5枚)
3 無限泡影
2 ドラグマ・パニッシュメント
エクストラデッキ
// エクストラ(15枚)
2 召喚獣メルカバー
1 召喚獣プルガトリオ
1 召喚獣アウゴエイデス
2 灰燼竜バスタード
2 旧神ヌトス
1 中生代化石騎士 スカルナイト
1 F・G・D
1 PSYフレームロード・Ω
1 ウィンドペガサス@イグニスター
1 転生炎獣アルミラージ
1 セキュア・ガードナー
1 聖魔の乙女アルテミス

なぜ「2020-10-01」なのか

召喚ドラグマの代名詞でもある「天底の使徒」は 無制限、準制限、制限 と三つの時代を経験しています。当ミラーは、この11期を代表するパワーカードを発動する瞬間の快感をもう一度体感したいという思いから作成したものです。2020-10-01というのは、このカードが準制限になったタイミングに当たります。では、なぜ今回このレギュレーションを選択したかについて軽くお話します。

この 2020-10-01 は天底の使徒が準制限になったタイミングであると同時に、「超魔導竜騎士-ドラグーン・オブ・レッドアイズ」が禁止になったタイミングでもあります。それ以前、すなわち天底の使徒が無制限の頃は、ドラグーンと同時に幅を利かせていたサンダードラゴンの存在を意識して、メインから「禁じられた一滴」が投入されていることが一般的でした。しかし、このミラーにおいては一滴を有効的に使える場面が限定的であり、どうしても浮いてしまうように思えました。また、天底でアプカローネを落として「影依の偽典」でミドラーシュを構える構築がほとんどであること、墓穴の指名者が無制限であること、これらの理由からあまりにも先行側にバランスが寄り過ぎると判断しました。

では、天底の使徒が制限の頃ならばどうでしょうか。まず、天底の使徒を引く確率が落ちるため、当ミラーの「天底の使徒を撃って気持ちよくなる」という目的に反します。加えて、「暴走魔法陣」も準制限に規制されているため、召喚要素に触れない試合が増え、デッキの安定感が下がりゲームとしての面白みが半減すると考えました。

以上の理由から、天底の使徒が準制限である 2020-10-01 が妥当だと判断しました。


各カード解説

各カードを簡単に紹介します。詳しくは他の解説記事や動画などをご覧ください。当時のCSの対戦動画なども参考になるかもしれません。

召喚師アレイスター
アレイスター→アルテミス→召喚魔術→メルカバーが基本的な動きです。アルテミスはアルミラージ→セキュアガードナーでも代用可能です。
打点上昇効果にはターン1がないため、重ね掛けによるリーサルを見逃さないようにしましょう。

教導の聖女エクレシア
EXモンスターに対する戦闘破壊耐性があるため場持ちが良く、守備表示のこのカードを越えられず膠着状態になることもあります。
エクレシアだけでなく後述のフルルドリスにも言えることですが、特殊召喚の条件である「EXデッキから特殊召喚されたモンスター」は自分・相手を問いません。

教導の騎士フルルドリス
初めて効果を説明された時に「クソデカいエフェクト・ヴェーラー」と言われてとても納得したカードです。ただし、自分のメインフェイズにも特殊召喚できるため、エクレシアにメルカバーを撃たせてフルルドリスで踏み越えるといったことも可能です。
メインアタッカーのため、強欲で貪欲な壺で除外されるとそこそこ痛いです。プールに3枚目の追加を検討中です。

教導の大神祇官
非常に捲り性能の高いカードですが、相手に選択肢を与えてしまうカードなので、基本的には自分から使いたくありません。
ミラーにおいては特に不要牌となりやすいため、フルルドリスとの入れ替えを検討中です。

ダイナレスラー・パンクラトプス
後手側の最大の利点はこのカードを使えることと言っても過言ではありません。特に、妨害をパニッシュメントに頼っているような盤面に対しては非常に効果的です。

アーティファクトーロンギヌス
召喚魔術にチェーンして撃つことが多いですが、あえて召喚魔術の前に撃つことで、相手の召喚魔術の発動そのものを封じることができます(手札融合は可能)。これにより、相手の召喚魔術が墓地に行かないため、返しのターンで相手のアレイスターを利用して召喚魔術を撃つことでアレイスターの回収を封じることができます。
自分のターンに発動することはできないため注意しましょう。

灰流うらら
このデッキにおいては当て所が非常に多いため、発動するタイミングには十分に注意しましょう。中途半端に相手の展開に当てても貫通されることが多いので、自ターンでの増殖するGに対するカウンターとして温存することも多いです。

増殖するG
このデッキは横並べをするデッキではないものの、アレイスター1枚からリンクモンスターを経由して融合召喚する機会が多いため、見た目以上によく刺さります。

ハーピィの羽根帚
ノーリスクで後ろを剥がせるカードですが、このデッキの罠は全てフリーチェーンのため、むやみに撃つと効果を活かせません。ただし、メインデッキで相手のバックを破壊できるのは(EXのヌトスを経由する場合を除いて)このカードのみであるため、不採用にしてしまうと相手が伏せている抹殺の指名者を踏み越えられなかったり、暴走魔法陣の②の効果でこちらのメルカバーを貫通される危険性もあります。

テラ・フォーミング
サーチ先は暴走魔法陣のみです。字レアを刷って欲しいです。

強欲で貪欲な壺
デッキ内の不純物が少なく、手札の枚数が手数に直結するこのデッキでは非常に強力なドローソースとなります。除外されたカードはちゃんと確認しましょう。

召喚魔術
ダブった時が弱いものの、アレイスターにうららを当てられた際の貫通札として強力であるため、何枚採用するか非常に悩むカードです。一般的には2枚の採用が多いですが、このミラーにおいてはロンギヌスの欄で述べたように相手のアレイスターを利用して融合するというワザップが存在するため、最大枚数の採用も十分に考えられます。

天底の使徒
バスタードを落としてエクレシアをサーチするだけで8億アドくらい稼げます。ドラグマモンスターは墓地からも回収できることもを覚えておきましょう。

ルドラの魔導書
アレイスターを素材にして出したアルテミスをドローに変換するのが基本的な使い方です。相手の盤面に直接干渉するカードではないため好みが分かれるカードだと思いますが、アレイスターにGを貰った時の受けとして優秀なため、個人的には好きなカードです。

暴走魔法陣
アレイスターのサーチ効果に目が行きがちですが、②の効果によって相手のメルカバーを貫通してこちらの召喚魔術を通すこともできます。

墓穴の指名者
手札誘発の貫通はもちろん、相手のパンクラトプスに対するカウンターにもなるカードです。また、召喚魔術からメルカバーが出てきそうな時に相手の光属性モンスターを除外することで妨害することもできます。
次のターンまで効果が持続することは忘れないようにしましょう。

抹殺の指名者
ミラーであるがゆえに幅広い無効範囲を持つカードです。特に、無限泡影やパニッシュメントなどの灰流うららや墓穴の指名者では無効化できないカードに対して効果的です。
これは前述の墓穴の指名者にも言えることですが、エクレシアの戦闘破壊耐性によって盤面が膠着している際の突破口としても有効です。

無限泡影
先手と後手のどちらでも機能するカードです。特に、相手の先行メルカバーに対しては理想的な解答と言えます。

ドラグマ・パニッシュメント
単体除去としてはトップクラスの性能を持つ罠です。メルカバーの後ろに添えるだけで盤面の強度がグッと上がります。

召喚獣メルカバー
これまでの解説の中でも散々名前が出てきた通り、このゲームの中心となるカードです。先手の目標はこのカードを着地させることであり、後手の目標は必然的にこのカードの成立を防ぐ、もしくは少ない損失で突破することになります。

召喚獣プルガトリオ
相手の多面展開に対するカウンターになり、エクレシアの戦闘破壊耐性による延命を咎めたりと、思いの外活躍の場が多いカードです。アレイスターの打点上昇を絡めてワンショットを狙うこともよくあります。

召喚獣アウゴエイデス
優秀な除去効果に加えて守備力2800というステータスに目が行きがちですが、打点上昇効果も馬鹿にできません。パニッシュメントで落としたヌトスを除外するだけでも4500とフィニッシャーとして十分な打点になります。

転生炎獣アルミラージ
アレイスターからリンク召喚するのが基本ですが、使い道のない手札誘発をアルミラージに変換することで手札のフルルドリスを特殊召喚し、ビートダウンを仕掛けるといったことも可能です。破壊耐性付与によってパニッシュメントをケアすることができます。

セキュア・ガートナー
アルミラージからリンク召喚することでメルカバーの素材となる光属性を供給します。稀にダメージ軽減効果を使用することがあります。

聖魔の乙女アルテミス
アレイスターからリンク召喚することで、メルカバーの素材となる光属性を供給します。前述のルドラの魔導書のコストにできるととても気持ち良いです。

灰燼竜バスタード
パニッシュメントや天底の使徒などのコストとして最も優先度の高いカードです。ただし、天底の使徒と異なり、墓地からの回収はできません。
初めてプレイする人に「こいつって融合召喚できる?」とよく聞かれますが、残念ながらコスト専用です。

旧神ヌトス
パニッシュメントで落とすだけで1対2交換ができるカードです。他にも光属性であるためメルカバーの素材にすることも可能です。

中生代化石騎士 スカルナイト
前述のヌトスと異なり、モンスターしか破壊できない代わりに自分のメインフェイズならいつでも起動できるカードです。後述のウィンドペガサスもですが、1枚墓地に落としておくと安心感があります。ただし、ロンギヌスの先撃ちによって止まってしまいます。

F・G・D
パニッシュメント専用カードです。5000という破格の攻撃力ゆえに、全てのモンスターをパニッシュメントで対象に取ることができます。特に自身の効果により打点が上がったフルルドリスを対象に取ることが多いです。

PSYフレームロード・Ω
EXのリソースを回復できるカードです。特に3枚目のメルカバーをどうしても出したいといった時などに特に便利です。相手の墓地にも触ることができるため、何か嫌がらせができないか検討しましょう。

ウィンドペガサス@イグニスター
スカルナイトのように能動的に起動することはできませんが、その代わりに相手のバックに触ることができ、なおかつデッキバウンスという高性能な除去効果を持ちます。一応レベル4+灰流うららでシンクロ召喚することができます。


最後に

現在の遊戯王の環境は非常にアーキタイプが豊富であり、わざわざゲートボールを組まなくても十分に楽しめるゲームになっています。
その中で、わざわざこの召喚ドラグマミラーを組むことに意義を与えるのであれば、それはこのデッキが「近代最後のミッドレンジ」であるからでしょう。
ミッドレンジの明確な定義は持ち合わせていませんが、先攻で何体もモンスターを並べたりすることなく、確実に後続のリソースを抱えて数ターンをかけてライフを削っていくというデッキスタイルはまさしくミッドレンジであると思います。(もちろんワンキルもありますが)
また、先にも述べましたが、後手捲り用の札が多く存在するため、先手後手の格差がそこまで大きくないというのも面白い点の一つです。特に、後手番で使う「抹殺の指名者」の強さをここまで体感できるゲームはないと思います。

昔使っていたエクレシアがストレージに眠っている、といった人はお友達を誘って一度遊んでみてはいかがでしょうか。

ご覧いただきありがとうございました。


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