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2009-09-01制限 酒ネクロミラー

あけましておめでとうございます。遊戯王してますか?
自分は最近「2009-09-01制限 酒ネクロミラー」で遊んでいるのですが、これが思ったよりも面白かったため、簡単にご紹介させていただきます。

酒ネクロとは

「酒ネクロ」とは、2009年の後半という一時期に活躍した、「酒吞童子」と「ネクロフェイス」を主軸に据えたデッキです。ネクロフェイスの除外効果によるライブラリアウトに加え、馬頭鬼などのアンデシンクロのギミックによる展開力を持ち合わせています。特に、この時期はライトロードという自分から勝手にデッキを削るテーマが環境トップの座に君臨していたため、そのキラーデッキとしての役割を持っていました。

なお、現代で「酒ネクロ」で検索すると、某DCGのデッキリストが引っかかるため、「ネクロアンデ」と呼んだ方が良いかもしれません。

デッキの生い立ちなどに関しては『遊史』様が既に紹介してくださっていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

ルール

プレイ人数:2人
適応リミットレギュレーション: 2009年9月1日 (馬頭鬼などが準制限)
適応ルール:マスタールール (先行ドローあり、優先権による起動効果の発動あり)
デッキ:メインデッキ45枚、エクストラデッキ15枚の中から自由に構築(後述)

2人にはそれぞれ以下のカードプール(メインデッキ45枚、エクストラデッキ15枚)の中から自由にデッキを構築して対戦して頂きます。メインデッキは40枚以上であれば良いため、45枚全てをメインデッキとしても問題ありません。

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// モンスター(19枚)
1	クリッター
1	ゾンビキャリア
1	ゾンビ・マスター
1	ピラミッド・タートル
1	メタモルポット
1	冥府の使者ゴーズ
1	トラゴエディア
2	ネクロフェイス
2	馬頭鬼
2	バトルフェーダー
3	サイバー・ヴァリー
3	酒呑童子

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// 魔法(19枚)
1	ハリケーン
1	ワン・フォー・ワン
1	大嵐
1	手札抹殺
1	洗脳-ブレインコントロール-
2	DDR
2	おろかな埋葬
2	封印の黄金櫃
2	闇の誘惑
3	奇跡の発掘
3	異次元からの埋葬

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// 罠(7枚)
1	激流葬
1	異次元からの帰還
1	聖なるバリア-ミラーフォース-
2	威嚇する咆哮
2	奈落の落とし穴

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// エクストラデッキ(15枚)
1	ギガンテック・ファイター
1	ゴヨウ・ガーディアン
1	スターダスト・ドラゴン
1	ダークエンド・ドラゴン
1	ブラック・ローズ・ドラゴン
1	マジカル・アンドロイド
1	ミスト・ウォーム
1	メンタルスフィア・デーモン
1	レッド・デーモンズ・ドラゴン
1	氷結界の龍 ブリューナク
1	蘇りし魔王 ハ・デス
1	A・O・J カタストル
1	A・O・J ディサイシブ・アームズ
2	デスカイザー・ドラゴン


各カードの解説

ネクロフェイス
このデッキ、このゲームの主役です。
除外された場合、お互いのデッキの上から5枚を除外する』といった効果を持っており、酒吞童子やサイバー・ヴァリーはもちろん、封印の黄金櫃、闇の誘惑、異次元からの帰還のターン終了時効果など様々な方法によって除外されることで効果を発揮します。
このデッキのほとんどのカードがネクロフェイスとのシナジーを見越して採用されているため、このカードの除外がゲーム開始の合図とも言えます。
また、『召喚に成功した時、お互いの除外されているカードを全てデッキに戻し、その枚数×100ポイント攻撃力がアップする』といった効果も持ち合わせています。この効果は地味に強烈であり、お互いのネクロフェイスの連鎖によって除外されたカードを全て打点に変換することで、攻撃力3600のトラゴエディアを殴り倒してしまうといったことも発生します。このプールではモンスターを1枚で処理できるカードが限られているため、超高打点となったネクロフェイスが相手モンスターを蹂躙するといったことも珍しくありません。また、除外リソースが全て無に帰してしまうため、相手の異次元からの埋葬などの除外リソースを使用するカードを腐らせることも可能です。

このカードの存在によりさまざまな駆け引きが発生するため、それらについては次の章「ゲーム中に意識すること」の中で解説いたします。

酒吞童子
ネクロフェイスと同じく、デッキ名を冠するモンスターです。ネクロフェイスの除外、回収を一人でこなす良き相方です。1ターンの間にネクロフェイスの効果でデッキの大半が消し飛ぶ場合はこのカードと馬頭鬼が酷使されていることがほとんどです。
除外コストは2枚必要なため、墓地にモンスターが存在しない状態で異次元からの埋葬で馬頭鬼とネクロフェイスとこのカードを墓地に回収して、馬頭鬼でこのカードを蘇生してもネクロフェイスを除外することはできません。墓地にアンデットの余剰を作ることを意識しましょう。
また、除外されているアンデットをデッキトップに置くこともできるため、除外されたネクロフェイスをデッキトップに戻し、闇の誘惑で引き込むことでさらにデッキデスを加速させるといったことも可能です。

トラゴエディア
手札誘発です。相手の安易な攻撃を咎める壁役はもちろん、高打点による戦闘要員、レベル調整効果によるシンクロ素材、コントロール奪取など、ネクロフェイスとの直接のシナジーはないものの多くの役割を1枚でこなします。
特に、このゲームはミラーであり、お互いに同レベルのカードが多く採用されているため、コントロール奪取が光る場面が多いです。
バトルフェーダーを捨てることでサイバー・ヴァリーのコントロールを得られるということは覚えておくと良いでしょう。

冥府の使者ゴーズ
手札誘発です。トラゴエディアと違って手札の枚数などに左右されないため、場に出すことさえできればどのような状況でも安定した打点を出すことができます。また、手札が事故気味の場合でもこのカードがあるように振舞うことで相手の攻撃をけん制することもできます。

バトルフェーダー
手札誘発です。上記の2枚の手札誘発と違って殴り返しの打点はありませんが、貫通されることなく確実に相手のワンキルを咎めることができます。
また、レベル1という点も重要です。前述したように、トラゴエディアでサイバー・ヴァリーをパクる場合や、ブラック・ローズ・ドラゴンやミスト・ウォームなどレベルが奇数のシンクロモンスターを出したい場合に足りないレベルを補ってくれます。
逆に、攻撃側は過度な展開をしてバトルフェーダーに止められて返しにバトルフェーダー+ゾンビキャリア+レベル4=ブラックローズで全壊といったことが起きないように心がけましょう。

サイバー・ヴァリー
このデッキの潤滑油です。とりあえずこのカードを召喚しておくことでドローしながらターンを稼いだり、盤面に残ったネクロフェイスと一緒に除外することでドローしながらデッキを掘り進めることができます。
特に、ネクロフェイスは守備力が1800もあり、初手でセットした場合は突破されることがほぼなく、ドローのコストに変換できることが多いためとても相性が良いです。
ただし、安易に召喚してターンを返したことで、洗脳-ブレインコントロール-にパクられて大変なことになる場合もあるので気を付けましょう。

クリッター
もちろんこのゲームではエラッタ前のテキストを採用しています。
そのサーチ対象はとても広く、臨機応変に必要なカードをサーチすることができます。
特に、ネクロフェイスをサーチすることで相手に召喚時の効果を意識させ、ネクロフェイスの起動をけん制することもできます。また、ピラミッド・タートルをサーチすれば返しに自爆特攻からゾンビ・マスターで1800打点を用意することができます。
ただし、このカード自体はネクロフェイスを中心としたアンデットギミックと直接的なシナジーはなく、盤面にも干渉しないということは意識しておきましょう。

メタモルポット
『お互いに手札を全て捨てて5枚ドローする』という豪快なドローソースです。このプールでは裏守備モンスターを反転させることなく突破する手段が少ないため、効果自体はかなり通りやすいです。
また、相手にもドローさせるということを利用してネクロフェイスによるデッキデスをアシストすることもできます。(ただし、リバースさせるタイミングを誤ると自分もドローできずに負ける可能性があるので注意)
多くの場合、このカードを伏せる際は基本的には自分もガバ伏せするため相手にバレやすいという問題があります。ですが、このゲームではネクロフェイスの守備力1800が下級では越えられないため「ネクロフェイスセット」が初手での安定択となります。また、そのネクロフェイスを無理にシンクロモンスターで突破すると酒吞童子などの効果で起動される可能性があるため、裏守備を無理に戦闘破壊することのリターンは大きくありません。そのため、初手であえて捨てたくないカードをセットせずメタモルポットを伏せてターンを返したとしても、相手目線ではネクロフェイスに見えるため相手が攻撃してこず、裏守備のメタモルポットが生き残ったままターンが帰ってくることがあります。もちろんリスクはありますが、リターンもかなり大きいため狙ってみる価値があるテクニックかと思います。

ピラミッド・タートル
範囲の広い優秀なリクルーターです。ネクロフェイスや酒吞童子、馬頭鬼はもちろん、デッキ内に1枚しか存在しないゾンビキャリアやゾンビ・マスターにもアクセスすることができます。
しかし、前述のネクロフェイスセットが安定択であるため相手が裏守備を殴ってこず、結果的に効果を発動できないままシンクロ素材やサイバー・ヴァリーのコストに使用されることも多いです。
また、自分自身もアンデットであり、墓地ではただのバニラであるため酒吞童子のドロー効果のコストとなることも多いです。

ゾンビキャリア
シンクロ全盛期を支えたチューナーです。デッキ内のチューナーはこのカード1枚のみであるため、シンクロ召喚をするためにはこの1枚のカードにアクセスする必要があります。ですが、デッキ内にはおろかな埋葬2枚に加えてクリッター、ネクロフェイスによる除外などアクセス手段が多く存在するため、そこまで大きな問題にはなりません。
ただし、このカードをとりあえず見える場所に置いておきたいと思い安易におろかな埋葬で墓地に落としてしまうと、相手のゾンビ・マスターやデスカイザー・ドラゴンなどに利用されてしまう可能性もあるため注意しましょう。

馬頭鬼
アンデットと言えばこいつです。異次元からの埋葬、奇跡の発掘がそれぞれ3積みされているこのプールでは使い回しは容易です。主な蘇生対象はゾンビキャリア、酒吞童子、ゾンビ・マスターとなります。
ネクロフェイスには『召喚成功時にお互いの除外されているカードを全てデッキに戻す』という効果がありますが、この効果は特殊召喚には対応していないため、馬頭鬼で蘇生してもただのバニラです。注意しましょう。
なお、攻撃力が1700あるため戦闘要員として駆り出されることも多いです。

ゾンビ・マスター
手札のモンスター1枚を墓地の下級アンデットに変換できる蘇生効果に加えて、下級の中では最も高い攻撃力の1800を持ち、パワーカードといっても差し支えないスペックを持つモンスターです。
相手の墓地からでもアンデットを蘇生できるため、このミラーにおいては凄まじい効果を発揮します。
先述のように、相手が不用意に墓地に落としたゾンビキャリアを利用したり、異次元からの埋葬で相手の除外されているアンデットを墓地に戻すことでこちら側が利用するといった芸当も可能です。
しかし、このカード自体を相手のゾンビ・マスターに利用されるというリスクもあるため、不用意な先出しには気を付けましょう。
また、蘇生効果解決時に表側表示で存在しない場合、効果が不発になります。そのため、優先権を行使してコストを払い起動効果を発動し、チェーンで奈落の落とし穴などを食らってしまうと効果が不発になるため注意が必要です。

大嵐
説明不要のパワーカードです。ですが、このプールにはバトルフェーダーといったケア不可能の手札誘発がしているため、伏せを全て吹き飛ばした後にワンキルするといった行為はあまり通りません。また、アンデットギミック自体が罠を踏み越えやすいため、このプールにおいてはそこまで影響力を持ちません。ただし、ガバ伏せメタモルポットを咎めることができる数少ないカードでもあります。

ハリケーン
説明不要のパワーカードです。ですが、大嵐と違って自分のDDRを再利用することができるといったメリットが存在します。墓地に馬頭鬼を用意したいけど異次元からの埋葬や奇跡の発掘がないといった場面でも、DDRで馬頭鬼を特殊召喚してハリケーンでDDRを回収することで疑似的に除外ゾーンのモンスターを回収することができます。

洗脳-ブレインコントロール-
説明不要のパワーカードです。相手の棒立ちサイバー・ヴァリーのコントロールを得ることで戦闘ダメージを通しつつドローに変換したり、相手モンスターをシンクロ素材としたり、シンプルに相手の高打点モンスターをパクって殴り返したりと柔軟な使い方が可能なカードです。
特に、ダークエンド・ドラゴンを効果使用可能な状態でパクられると悲惨なことになるので注意しましょう。

ワン・フォー・ワン
このカードでアクセスできるのはサイバー・ヴァリーとバトルフェーダーのため、実質サイバー・ヴァリー専用カードです。
サイバー・ヴァリーはもちろん単体でも頼もしい壁ですが、1枚ドローではやはり味気なく、洗脳-ブレインコントロール-などの裏目もあるため可能であれば2ドローで使用したいカードです。
ただし、そのためにはサイバー・ヴァリーに加えてもう1体モンスターが必要となり、召喚権を2回必要とします。この問題を解決するのがワン・フォー・ワンです。
また、手札コストで馬頭鬼などを捨てることができれば2度美味しいため、見た目以上に便利なカードです。

手札抹殺
メタモルポットと同じ手札入れ替えカードですが、素打ちすると自分だけ手札が減った状態になるので、やはりフィニッシャーとして使用されることが多いです。特に、ブリューナクで自分の手札を減らしつつ相手のカードをバウンスしてから手札抹殺を撃つことでデッキデスを達成するというテクニックは覚えておくとよいでしょう。

おろかな埋葬
万能アクセスカードです。デッキ内に1枚しか存在しないゾンビキャリアやゾンビ・マスターはもちろん、馬頭鬼やネクロフェイスなどのモンスターにもアクセスすることができます。
ゾンビキャリアを落とすことが多いですが、このカードで予めネクロフェイスを落としておくことで相手のネクロフェイスによる除外の連鎖を防ぐこともできます。自分のデッキ内のネクロフェイスの枚数が多ければ多いほど相手のネクロフェイスによるデッキデスが加速するため、相手のネクロフェイスの起動が怖い場合は予めこのカードで墓地に落としておきましょう。
(ちなみに自分はこのカードを中途半端にガメたせいで相手のネクロフェイスで自分のデッキ内のネクロフェイスを全て抜かれて1ターンでデッキを25枚吹き飛ばされて負けました。)

封印の黄金櫃
ネクロフェイスを除外する手段は多くありますが、何の前準備もなくいきなりネクロフェイスを除外できるのは実はこのカードだけです。手札に異次元からの埋葬や奇跡の発掘しかないという場合でも、このカードでネクロフェイスさえ除外できれば自分と相手のネクロフェイスの連鎖によって爆発的なリソースを確保することも可能です。また、除外したネクロフェイスはターンを跨いだ後に手札に加わるため、デッキデスできなかった場合でもそのネクロフェイスを召喚することで超高打点モンスターに変換することが可能です。
また、本来の使い方通り、デッキ内に一枚しかないパワーカードをサーチすることも多々あります。特に、異次元からの帰還はプール内でも頭一つ抜けたパワーカードであるため、積極的にサーチする価値があります。

闇の誘惑
ネクロフェイスと相性のいいドローソースです。手札に来たネクロフェイスを損失無しで除外できるのはこのカードのみです。その他にも、盤面が膠着状態となり手札で役目を失ったバトルフェーダーなどをドローに変換することもできます。
なお、酒呑童子は闇属性ではないためコストには使用できません。気をつけましょう。

D・D・R
属性・種族・レベルを問わない特殊召喚カードです。アンデットに関しては馬頭鬼が存在するため異次元からの埋葬だけで事足りることが多く、サイバー・ヴァリーなどの墓地からの再利用が難しいモンスターを特殊召喚することが多いです。

異次元からの埋葬
ネクロフェイスで得た除外リソースを墓地リソースに変換できるカードです。もちろん主な使い方は馬頭鬼やゾンビキャリアの再利用ですが、速攻魔法であり、また相手のモンスターも対象にできるため他にも様々な使い方があります。
例えば、相手の黄金櫃で加えようとしたネクロフェイスを墓地に戻して手札回収をスカしたり、相手のネクロフェイスの召喚に合わせて効果を発動することでネクロフェイスの打点を下げて計算を狂わせたり、相手のアンデットを墓地に戻すことで自分のゾンビ・マスターやデスカイザー・ドラゴンで特殊召喚するといったことが可能です。

奇跡の発掘
『自分のモンスターが5枚以上除外されている場合に自分の除外モンスターを3枚戻せる』「通常魔法」であり、異次元からの埋葬のほぼ下位互換です。要は、4枚目以降の異次元からの埋葬として採用されています。
某ナベルで型番がビギナーズエディションのものを6枚注文したところ、BE02とBE2のものが混ざった状態で送られてきて泣きました。

聖なるバリア-ミラーフォース-
古き良き罠です。攻撃反応であるが故に発動するまでに対処されてしまうことが難点ですが、このプールにはバックを剝がすカードが大嵐とハリケーンくらいしかなく、スターダスト・ドラゴンもゾンビキャリア+レベル6シンクロでしか立たないため、思った以上によく通ります。

激流葬
古き良き罠です。召喚反応であるが故に発動までに対処されることが少ないですが、自分のモンスターも巻き込んでしまう上に、破壊されたモンスターが墓地に行くためアンデットギミックによって踏み越えられやすいという点も持ち合わせています。ですが、発動するタイミングによっては相手に大きなダメージを負わせることができるため、使い手の技量が試されるカードです。

奈落の落とし穴
古き良き罠です。こちらも激流葬と同じく召喚反応ですが、破壊したモンスターが除外されるため、馬頭鬼による再利用を防いだり、打点確保のために召喚された馬頭鬼そのものを除外したりといったことが可能です。
また、ゾンビ・マスターが優先権を行使して効果を発動してきた場合はこのカードがクリティカルになります。(ゾンビ・マスターは効果解決時に表側表示で存在する必要があるため)

威嚇する咆哮
ロクな使われ方をしない罠です。上記3つの罠と異なりフリーチェーンですが、盤面に干渉しないといった欠点があります。ただし、どのタイミングで発動しても確実に相手の攻撃をシャットアウトできるため、場の酒吞童子を維持してアドバンテージを稼ぎたい場合や、裏守備のメタモルポットを守りたい時に重宝します。
また、こちらが裏側守備表示のモンスターを並べており、相手がレッド・デーモンズ・ドラゴンによる壊滅を狙ってきた際にこのカードを当てると、相手のレモンを除くモンスターを逆に壊滅させることも可能です。

異次元から帰還
ロクな使われ方をしない罠です。そのカードパワーから、封印の黄金櫃のサーチ対象となることも多いです。ただし、ライフコストが非常に重たいため、発動したターンに必ず仕留めるといった意識を持ちましょう。
また、特殊召喚したモンスターはエンド時に全て除外されるため、これを利用してネクロフェイスの効果を起動することもできるということは覚えておきましょう。

氷結界の龍 ブリューナク
手札の馬頭鬼を捨てたり、前述のように相手のカードをバウンスさせることで手札抹殺によるデッキデスのリーチを広げたりと流石元禁止カードといった活躍を見せてくれます。ただし、中途半端に立ててターンを返してしまったがためにゴヨウ・ガーディアンにパクられて大変なことになるのはご愛嬌です。

蘇りし魔王 ハ・デス
『自分のアンデットが相手モンスターを破壊した場合、そのモンスターの効果を無効にする』という効果を持ちます。メタモルポットのリバース効果やピラミッド・タートルのリクルート効果を貫通することができる貴重なカードです。また、馬頭鬼を戦闘で破壊した場合、その馬頭鬼は効果が無効になっているため墓地から除外してもアンデットを蘇生することができません(効果の発動自体は可能)。ただし、ネクロフェイスを戦闘破壊しても除外された時の効果を無効化することはできません。
また、2450という攻撃力も絶妙です。後述のデスカイザー・ドラゴンの攻撃力を上回っている他、除外されたカードを12枚戻した状態のネクロフェイスにも戦闘で勝ることができます。
ちなみに、「12枚」というとかなり状況が限定的なようにも思えますが、酒吞童子で墓地のネクロフェイスとその他アンデットを除外した場合、ネクロフェイス(1)+その他アンデット(1)+ネクロフェイスにより除外されたお互いのカード(5×2=10)で12枚になるため、思いのほかこの打点ラインは形成されやすいです。

デスカイザー・ドラゴン
このプールのエクストラデッキで唯一2枚採用されているカードです。『特殊召喚に成功した時、相手の墓地のアンデットを1体蘇生できる』という効果を持っています。このカードによって不用意に墓地に用意したアンデットを横並びされてワンキルされるといったことが多くあります。
また、このカードで相手のゾンビキャリアを蘇生することでこのカード1枚からダークエンド・ドラゴンなどのレベル8シンクロに繋げることができます。
加えて、効果の発動条件が「特殊召喚に成功した時」と比較的緩く、このモンスター自体が(ドラゴンの名を冠しながらも)アンデットであるため、馬頭鬼による蘇生が可能なのもポイントです。
ただし、不用意に先出ししてしまうと自分のデスカイザー・ドラゴンを相手のデスカイザー・ドラゴンに利用されてしまうため注意しましょう。

ゲーム中に意識すること

このゲームに用意された勝ち筋は『ライフを全て削る』か『デッキを全て削る』かの2択です。

プレイした感覚では、3:7くらいでデッキデスによる決着が多い印象です。
理由は、戦闘ダメージによる勝利は3つの手札誘発や威嚇する咆哮などによって妨害されることが多い反面、デッキデスは妨害することがほとんどできないためです。

これだけを聞くとそこまで面白いゲームのようには聞こえませんが、実際は奥が深いゲームです。

まず、ゲーム中は「何回ネクロフェイスを起動したら勝てるか」「何回ネクロフェイスを起動されると負けるか」ということを常に意識する必要があります。また、お互いのデッキの中に残るネクロフェイスの枚数も意識しなければなりません。相手のネクロフェイスが残り1枚であっても、自分のデッキの中にネクロフェイスが2枚残っていれば、相手のネクロフェイス1枚から除外が連鎖して自分のデッキが15枚吹き飛ぶ可能性があります。

また、自分のネクロフェイスによって相手に除外リソースを与えてしまうことも考慮しなければなりません。見切り発車でネクロフェイスを除外したもののフィニッシュまでたどり着けなかった場合、自分のネクロフェイスが相手に与えてしまったリソースを逆に利用されてしまいます。しかし、確実にフィニッシュできる状態まで待っていると、相手のネクロフェイスが先に爆発して自分のデッキが消し飛ぶこともあるため、仕掛けるタイミングの見極めが非常に重要となります。

なお、メインデッキのプールが45枚であるため、デッキデス対策を考えたら45枚全てをメインデッキに突っ込むのが良いように思えますが、実際はそんなことはありません。まず、ネクロフェイスを除外することによってリソースを得られると言っても、モンスターが除外されなければ意味がありません。さらに、デッキデスを狙う際は手札に存在する異次元からの埋葬や奇跡の発掘といったリソースを回復するカードの枚数が重要であるため、無意味にデッキを太らせると返ってデッキの回転が悪くなってしまいます。そのため、基本的には5枚の不要なカードを選別し、40枚でデッキを構築することをおすすめします。ただし、45枚でデッキを組むことで相手が40枚だった場合に除外が必要なネクロフェイスのカウントを1つ少なくすることができるため、一長一短ではあります。

もちろん、ライフによる決着も視野に入れておく必要があります。
このデッキのベースはアンデギミックにあり、DDRや異次元からの帰還といった展開カードも存在するため、デッキを全て削る事はできずととも、合計8000以上の打点を並べることは容易です。ネクロフェイスで相手のバトルフェーダーが除外されている場合などは積極的にライフを削るプランを狙いましょう。デスカイザー・ドラゴンの横並びや攻撃力の上がったネクロフェイスによる打点は馬鹿になりません。

特に、ネクロフェイスの召喚によって打点が確保できている場合、その効果によって除外リソースがゼロになり、お互いの山札の枚数が回復しているはずなので、デッキデスを狙っていた相手の計算を大きく狂わせることができます。

また、ネクロフェイスが場に存在するということはその分だけ山札の中に残るネクロフェイスが少ないということでもあります。例えば、場にネクロフェイスが1枚存在する状態ではお互いの山札には最大でもネクロフェイスが合計で3枚しか存在せず、回復した山札をこの状態から削り切る必要があります。

しかし、デッキデスのプランを諦めネクロフェイスの打点に対してネクロフェイスの打点で対抗しようとしても、除外する用のネクロフェイスと召喚用のネクロフェイスの2枚が必要となり、さらに召喚権を残したまま相手のネクロフェイスに対抗するだけの枚数を除外しなければならないため、相手にとってかなり厳しい状況を押し付けることができます。

このように、今自分が置かれている状況を見て、ライフかデッキデスかどちらの択を取るべきかを判断しましょう。また、デッキデスを狙う場合は相手のネクロフェイスの召喚によるカウンターのリスクと天秤にかけましょう。

プレイした感覚では、先にネクロフェイスの除外を仕掛けた方がやや不利になる傾向があると思います。理由は、先にネクロフェイスを除外した側がリソースを1枚吐いている分、相手側からすれば勝手に除外リソースを献上してくれたという形になり、その後の相手の回り具合を見てからデッキデスかライフレースどちらのプランを取るべきかを選択することができるためです。そのため、大味なイメージとは裏腹に、序盤はかなりヒリついた展開になることが多いです。

どちらが先にネクロフェイスという名の導火線に火を付けるか。

この探り合いがこのゲームの醍醐味の一つです。

まとめ

これまで色々と語りましたが、正直「何とかなるやろ!(笑)」と初手黄金櫃でいきなりネクロフェイスをぶっ放しても案外なんとかなります。また、「デッキデスが有力な勝ち筋となる」「自分の行動が相手にもリソースを与える」「紙でやるパチンコ感がある」など、一風変わったゲートボールでもあるため、個人的にはかなりおすすめのゲームです。
型番にこだわらなければそこまで集めるのが大変なわけでもないため、気が向いた方は遊んでみてください。

ご覧いただきありがとうございました。




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