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私がまだ学生だった頃、少なくない他の大学生と同じように地元に帰省することがあった。

家族を、そして電車に乗ることを苦手とする私としてはそれほど楽しいイベントではなかったが、慣習上というかなんとなくで帰省し、適当にだらだらして大学に戻っていたように思う。

その「適当にだらだら」というのは今の私のような一日寝て過ごすようなものではなく、動画を観たりゲームをしたりするものだったのだが、我が家には一日寝て過ごしている人物がそのころにも一人いた。

私の祖父である。
これは大学生の私の時点では知らなかったことだが、祖父も若干うつ病の気があったらしく、我々兄弟が家を出てからというもの、それはそれは寂しそうに毎日を過ごしていたという。
帰省した私も、祖父が一日を睡眠に費やしている姿を何度か目にして、「よく眠るなぁ」とかそんなことを考えていた。

しかし昨日の晩に気づいたが、今の私はあれと同じことをやっているのではないだろうか。
何もすることがなく、起き上がる気力もなく、ただ一日を浪費する、祖父と私は同じことをしているようである。

となると、「血は争えないなぁ」とか「普遍的な症状なんだなぁ」とか色々と考え至ることもある。

祖父ともども、この症状から抜け出せればいいなと思う。

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