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『LA-MULANA 2』プレイ感想

 イグラーナ遺跡に行ってきました。ネタバレいっぱいしてるし、前作のネタバレもあるので LA-MULANA 未プレイの人は初見の楽しみを自分で消さないように気を付けてね。

残念だったところと、それらがあまり気にならなくなっていくまで

 「ここ微妙だったな~」を最初に書いちゃう。ロード時間と序盤の自由度の無さ。この二つだけ。

前作『LA-MULANA』と今作『LA-MULANA 2』、両方 Nintendo Switch版で遊んだのだが、前作と比べて今作のロード時間がめちゃくちゃ伸びている。とくにガーディアン戦前の読み込みがめちゃくちゃ長くなっていて、最初は「え…?なんかバグった…?」って思ったほど長い。エリア間移動も結構待たされる。

即死トラップでリトライしたり、ちょっとミスって立て続けにダメージを負って回復のために村に戻ったり、そういうときにロード時間が長いと負荷が大きい。ロード時間って短いに越したことはないけど、高難易度のゲームだと必要不可欠になってくるんだなぁ。ていうか、前作はロード時間という概念が無いくらいリトライやエリア間移動が速かった。だからこそ今作のロード時間の長さが悪目立ちした印象だ。

 それと今作は序盤があんまり面白くなかった。続編だからか舞台説明やキャラ紹介の時間が最初にある。それと並行して、ふつーのゲームみたいなチュートリアルがある。チュートリアルがあることを不満に感じるって変なハナシだけど、前作のようなポンっと放り出される感覚が無くて、「おやっ?」となった。しかも今作の序盤は最初のエリアを攻略しないと他のエリアに行けないようになっている。ファフニール無視してニーズヘッグ倒して【炎氷の梢】に行っても、難易度が高すぎた。前作はもっといろいろ行けたのになー。

 ロード時間と自由度の低さ。ゲームを始めてすぐはこの二つが原因で期待してたほど楽しくなくて「前作より楽しい!!ってならなそうだなぁ…」と残念な気持ちだった。が、これは徐々にくつがえっていった。

僕はゲームがちょっとくらい不便でも文句言わずに遊ぶタイプの人間なので、ロード時間は慣れの問題だった。また、前作だと勝てそうもない相手にも頑張って挑み続けて倒したりしていたのだが、今作ではロード時間が長くなったおかげでトライアンドエラーの海に溺れることをためらわせた。戦力差をちゃんと判断して引くことを覚えた。これが結果的にゲーム体験をなめらかで心地良いものにしてくれたように思う。

序盤が退屈?最高に面白い中盤まで行けたらそんなこともうどうでもいいんだよ

フェアさが増した遺跡探索

 前作から立て続けに遊んだので、変わったところが目に付く。全体的にフェアさが増した。素晴らしいのが、フェアさが増しただけで難易度は変わっていないところだ。

前にジャンプしたあとでも多少後退できるようになったのはありがたい。遊びやすさ50%向上。垂直に並んだ足場を登れるようになった。……あれ?遊びやすくなったけど難しさが増してる?

はしご途中から掴める、手放せる。こりゃあラクだぁ。

【祈りの石碑】による簡易セーブ、これは素晴らしい。即死トラップや強敵の近くに置いてあることが多く、死んでも理不尽に感じない。一時的なワープポイントにもなるので、便利な場所を登録しておくこともできる。遊びやすく、そして工夫の余地がある!

強敵の体力が見えるアイテム、これもいいね~。いま勝てる相手かどうかの判断がしやすくなる。一方で、勝てるかどうか分からない相手に挑むドキドキ感は失われてしまう。今作はロード時間が長くて強敵に何度も挑戦したくなかったので、こうしたアイテムがあってとても助かった。

ジャンプ調整も、はしごも、簡易セーブも、体力ゲージ可視化も、すべて結局はプレイヤーの使いかた次第なところがスゴくイイ。まぁいろいろラクになっても無敵時間の減少で差し引きゼロなんだけどな!ノックバック→トゲのコンボやめて。

前作は「道徳の授業受け忘れたんか?」っていうような嫌がらせがあったのだが、今作では道徳の授業を受けたうえで嫌がらせしてくる感じ。結局嫌がらせしてくるんかい。「とうとうニビル行けるぞ」ってときの初見殺し、三回綺麗に引っかかったからね。先に進めてウキウキのタイミングで殺してくるのがやらしい。「この野郎!」ってすぐリトライ押しちゃう。やる気を失わせない嫌がらせ、これぞラムラーナ

 フェアになったといえば、謎解きもそうだ。四つほど特筆すべき素晴らしい点がある。まず、【文字の欠けた石碑】が消えたのがイイ。欠けた文字を想像∥推理するのは歯応えがある一方で、どうしても解釈の幅が広がりすぎる印象があった。欠けた文字を補ったうえで、意味を考える必要があったのはしんどかった。前提情報が誤りである可能性が常にチラつく謎解きはややアンフェアな部分もあったのだ。

ていうかそもそも古文書リーダー不要になったのが遊びやすい。スキャン演出無くなってパッと文字が出てすぐ読めるし、裏にうっすら LA-MULANA 文字が映って読みにくいのも無くなった。アレはアレでイイモノだったけどね。

もう一つが、【種族リーダー】。調べている石碑を書いた人間がどの種族・所属なのかが分かる。碑文だけの構成よりも情報量が増えるおかげでより謎解きがはかどるようになった。この仕組みの素晴らしいところは、各情報を結びつけやすくするところ。「同じ種族のヤツが書いてるから、これとこれは関係あるな?」という推理ができる。

フェアになったところ三つ目、画面外に影響を及ぼす変化がほとんど無くなった。前作では結構あった(と思ってる)、「仕掛け解いたと思うんだけど、なにも起きない……どっかでなんか変わったのかな……?」が消えた。これもすんごいありがたい。アンクが出現するときは「いまアンク出ましたよー」ってエフェクトで伝えてくれる。いま目の前で起きていることに集中すればよくなったのはとてもありがたい。ただ、そのぶん前作の【空の水源】みたいに、あるエリアの仕掛けが別のエリアに影響を及ぼすダイナミックな変化は無くなった。

最後四つ目、アナウンス量増加。LA-MULANA は意外にも?ゲーム進行に応じてイベントが発生して先へ進めるようになったりするのだが、そういうときに前作だとアナウンスが無かった。【女神の塔】の出現とか、スフィンクスの崩壊とか、その辺り。今作だと小まめに連絡が入ってしっかりと誘導してくれるようになっている。ありがてえ~~~。

文字欠け石碑消滅、種族リーダー、仕掛けの画面内完結、アナウンス量増加。以上四つの要素によって謎解きがフェアになった結果、今作では自力でクリアまで行けた!これがもう嬉しくて嬉しくて。達成感がスゴい。

 ここまでフェアさが増したって書いてきたけど、冷静に考えたら前作が頭おかしすぎたのと、そのおかげで鍛えられただけかもしれない。あと【ブラフマーの創造問答】、必要の無い情報があるのなんなんだろうか。徳がどうのって答えに全然関係無かったけど、アレは一体……?

あ、あと未調査の石碑が赤く光るのもありがたかったなー。途中までそういう仕組みなの気付いてなかったけど……

後付けが上手い

 やりきった感のある前作から世界観や時間軸を引き継いでるのがスゴい。ふつーできない。一応、前作で“0番目の子が~”みたいな石碑があったのは覚えてるけど、そこからよく膨らませられるなぁ。僕が遊んだ一作目はリメイク版?らしいので、そのタイミングで追加した文章なのかな?それにしても2まで間が空いてるハズ……よくもこんな上手くでっちあげるもんだなぁと感心しきりだった。

サキトのくだりとか、前作からさらに深みが増してるし。巨人族は本当に哀れな一族。魚?知らん。とはいえ、ラスボスに関しては前作が最高すぎたからいまいちだったかも。やはり生まれたてのベイビーにラスボスは務まらんぜ。

今作から立ち絵が追加されて、「この人こんな感じだったんだ~」と再発見するのが楽しかったな。妖精女王とかもっと優しそうな顔立ちをイメージしてた。こんなクールな人が前作で夕陽をバックに走ってたのか……笑っちゃう。

二作目特有の洗練

 シリーズ物のゲームで、面白かった前作が続編でさらに洗練されるのが好きだ。LA-MULANA はあらためて振り返ってみると、一作目は頭のおかしい仕掛けばかりだった。2になってこれらが整理されるだけでも既に面白い。前作も前作でよかったけど、やっぱりそのぶっとび具合に僕がついていけなかった。

謎を解いたら青い目が閉じて天罰を受けなくなる仕組み、すげえイイ。さらに【雷の槌】が素晴らしい。天罰を武器に変えられるとか最高すぎる。前作から続投する要素にひとひねりくわえてくるネタ、続編ならでは!

 一方で、前作でやりきった感もあり、ステージバリエーションは既視感が生じたところもある。とはいえ、どうしようもない部分ではある。ネタなんてそりゃ尽きるわけで。前作だとふらっと入った【滅びの塔】のSFっぷりに恐れおののいたものだけど、今作だと「まぁあるよね~」ぐらいになる。いや、充分楽しんだけどね。ニビルの無重力とか楽しかった。あの操作でガッツリ探索させてこないの、優しい。

2の名を冠する以上、どこまでいってもファンサービスというか、前作プレイヤーへの目配せというか、「お前らこういうのが欲しかったんだろ?」は入れないといけないというか。巨人族が滅んだステージは氷にしたいし、ボスラッシュは欲しいし。で、それがやっぱり嬉しい!前作のような衝撃はもう味わえないけど、再会の喜びこそが続編の醍醐味だろう。

つーか前作がやっぱおかしすぎたって。何回でも言うけど。

ここ気持ち良かったな~ポイント

 LA-MULANA では溜まりに溜まった伏線を一気に回収していく瞬間がスゴく楽しいんだけど、今作では自力クリアできたのでこれを全部味わえた。適当に羅列してみる。

・【死者の門】に行くためのゲートの場所に気付く

 これファーストインパクト。世界樹の根、【神族の城】、【戦死者の館】、【妖精界】、【不滅戦場】、【霜の巨人殿】、炎氷の梢。これらのエリアをあらかた探索し終えて「もう行けるところねえよ~~~」と困ってしまってしばらくさまよっていた。すっかり行き詰まって、死者の門に関する情報をあらためて見直してみると、「あれ?この絵に描かれている地形、どっかで見たことある気がするな……ハッ!!」この気付きの瞬間と、確かめに行くまでの道中のワクワク感、そして考えが合っていたときの嬉しさ、止まっていた進捗が猛烈に動き出す楽しさが本当に最高

死者の門に入るための足場も、最初は「こんなところに足場出る意味、一ミリもなくね?」と不思議に思ってスルーしていたのもあって気付くと気持ちいい。同じ不滅戦場の【月の祭壇】も気付いたのは同じ流れだったな~。あれも気持ちよかった。意味の無い箇所、が存在しないのがスゴい。

・台座に……コショウ!w

 7割くらい冗談でやったらほら貝鳴ってワロタ。

・逆もまた真なり

 【冥星王の足跡】、最後だけ逆さになるヤツ。これもしゃべる鳥の人(名前忘れた)が言ってたことってこれのことか!!!と衝撃だったし、気付けたの気持ちいい。こういう、なんかちょっとギャグっぽさのある意味深なセリフがあとあとになって効いてくるの、好き過ぎる。

・【血の回廊】、実は回せる

 これは衝撃だった。最初は役に立たないことしか言わない美女ゲルズさんが急になんかものスゴい重要情報をポンとしゃべりだす。どのタイミングでセリフ内容が更新されるのかは知らないけど、これも意図的にやってそうだなぁ。「この人、役に立たねえ~」と思わせてから後ろからグサッと。探索が行き詰まって「羽根さえ……羽根さえあればっ……」みたいな状態になってから、血の回廊回せます→羽根手に入りますだったから興奮がスゴかった。

・血の回廊から冥界入れます

 これも気付いたとき嬉しかったなぁ。血の回廊が回せることを知ってから調査して「なんかコトアマツ族のマークで塞がってるところあるな~~」で最初はそのまま流した。血の回廊の門は六つあるらしいから、この塞がってるところが冥界かぁ~なんて思いつつ……コトアマツ……冥界……あれ?そういえばイザナギさんって冥界の入り口を封印したとか言ってなかったっけ…??!?ブラフマーの創造問答や、【アールブルの巫女の予言】なんかもそうだけど、冥界はいろんな人から情報を聞いているので、たどりついたときの「いよいよ来たぞ!!」ってワクワクする。集大成を試される感じがスゴくいいよな~。進研ゼミでやったところだならぬ「ここヤマさんから聞いたところだ!」的な。

・天体の円盤【天】を唱えると回ります

 なぜか【天】単体の詠唱を試してなくて詰まってた。前作の経験から【星】のマントラがあるのかなって思い込んじゃって……ずっと【天者迷宮】が進めない状態で止まってたので、「うおおこれで進めるー!」と興奮した。

・マアトの審判

 【原祖混沌】にいるヨコセヨコセって言ってくるおっさんを見て、「こんな無意味なキャラを置くハズがない」ってところから推理してひらめいた行動が正解だったのめっちゃ嬉しかった。あとカロンからも発想した。両方ゼロにするのが正解だったんかなぁ。

・ラタトスクの封印

 これ予言で聞いたところだ!スクルドの根のところで紋様が浮かび上がってほら貝が鳴り響いたとき、むちゃくちゃガッツポーズした。余談だけど、

(前略)
おぉ 世界樹を守る三女神よ
栗鼠のラタトスクは見逃さない
ラタトスクのたどる全ての場所は欠けることはない
水が絶えたと吠える黒竜ニーズヘッグの雑言を
梢のフレースヴェルグへ伝えるだろう

‐アールブルの巫女の予言 一章‐

ここの文章、全部のフレーズがカッコいい。「おぉ ○○よ」みたいな文章、好きなのかもしれん。“栗鼠のラタトスクは見逃さない”とか6・6・6のリズム気持ちよすぎない?

・【偉大なる乙女の聖杯】の紋章が描かれた門は無い

 (あとから調べたらこれちゃんとヒント書いてた。完全なる見落としである)これに気付けるかどうかが LA-MULANA 2 攻略における最後の壁だった。ここは LA-MULANA 2 では珍しいというか唯一?答えの確認が最後におこなわれるような構成なので、ドキドキワクワクが持続してどうにかなりそうだった。あとこの攻略の際に必要になる、柱に穴が空いたところからしゃがみ移動で抜けるヤツ、これたまたま気付けたからよかったけど気付いてなかったと思うとゾッとする。


 遊び始めは「大丈夫かな……?」って少し不安だったけど、最終的にはずーっと夢中になって遊び続けてしまった。最高のゲームでした。


おわり


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