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『LA-MULANA (ラ・ムラーナ)』プレイ感想

 LA-MULANA遺跡に行ってきました。

しかしなにから書けばいいのか……いろいろとありすぎた。とにかくなにか吐き出さなきゃやってられんので、吐き出すことをを目的として、行き当たりばったりで書いていきます。印象的なエピソードをいくつか書く感じで。

ちゃんと調べないとセーブすらさせてもらえない

 これヤバない?最初に遊び始めたとき、よく分からないまま遺跡に突撃して【導きの門】→【巨人霊廟】→【双連迷宮】とさまよった挙げ句、天罰の雷で死んでそこまでの二十分が消滅した。その後、村の店で【ハンディスキャナー】を購入してようやくセーブ方法を知った。なかなかにクレイジーで、それでいて単なるお仕着せのチュートリアルになっていない。この体験を経たおかげで、新しいエリアに来たら【聖杯石碑】を見つけたくなるし、見つけたときに嬉しくなるのよね。痛みを伴う学びが随所にある──というかいきなりぶん殴られたあとになぜ殴られたのか気付く──ゲームだが、その最初の一歩がこれだった。

こうやってぶん殴られたときに「ふざけんな二度とやるかこんなゲーム」と反応するか、「このヤロウ面白くなってきやがった…!」と反応するかで考古学者適正が別れる気がする。僕はもちろん後者だった。

エルマックとの死闘

 最初に戦った【ガーディアン】は【エルマック】だった。

まず、このゲームのボス戦開始演出はどれもカッコいい。【アンフィスバエナ】と【サキト】はあまり印象に残ってないけど(アンフィスバエナは一回しか見てないし)、それ以外のボス戦開始演出は本当にカッコよかった。これはなぜかというと、通常時は画面があまり動かないからだ。ゲームシステム的に画面がスクロールするのは画面移動時のみ。背景は調べる対象になるし、その多くは動かない壁画になっている。あまり“動かない画面”になっていて、じっくりと探索するのに向いている。一方でボス戦が始まると、これがとんでもねえスクロールを見せ始める。奥に動いたり、高速で横に流れたり、回転したり。静と動の切り替えがボス戦で起きるうえに、コントラストが激しい。最高だ。毎回ボス戦開始演出が楽しみで仕方なかった。テンポも絶妙で、毎回登場演出を見るのはふつうだったら苦になるのだが、ギリギリ飛ばさなくても我慢できる尺に収まっている。このバランス感覚も素晴らしい。ボスからのリトライ時はアンク前から始まり、Aボタンでそのままボス開始演出に突入するようになっている。ボス開始演出が休憩時間になるわけだ。

 で、エルマック戦のハナシに戻ると、これがまー強かった。中距離~遠距離を粉砕する火球連弾に、それを避けて攻撃しようと近づいた相手を轢殺する突進。たった二種類の行動しかないのに、圧倒的に強い。これを実現しているのはトロッコが動く線路の不規則な上下動によるものだ。突進は下がって距離を取れば問題ないが、火球はそうはいかない。線路の高さと距離によって避けかたが変化する。しかもトロッコの上下動によって、ジャンプしなくても体が強制的に上に跳ね飛ばされる。ジャンプして躱すか?くぐってしのぐか?──火球をくぐる場合、火球の着弾点に上がる火柱をジャンプで躱す必要がある。ムズすぎ!──下がって捌くか?単純な攻撃に、不規則で高速な地形の変化が加わると、こうも展開が豊富になって手強くなるものなのか!それでも何度もやられているうちに攻撃のしのぎかたがなんとなく体感できていくからスゴい。最初は手裏剣でしか安全に攻撃できなかったのが、最後には鞭でバシバシしばけるようになったのだからたまらない。そうして、エルマックとの死闘を制した。

撃破時のスロー気持ちいい。

ズーとの死闘

 印象に残っている戦い。もう一つが時間を止めてくる怪物、ズーとの死闘だった。いや、時間を止めてくるってなに?強すぎるだろ。LA-MULANA 遺跡を踏破した今の自分なら、というかプレイしていた当時も「ここは撤退して対抗手段を探してからでは…?」と思っていたが、こうしたあからさまなチート行為を見せつけられると逆にぶっ潰したくなるのが人のサガ。やろう、ぶっころしてやる!

当然、この時点では【時のランプ】はおろか、【双子像】すら持っていない。ぶっころされるのは自分のほう。積み重なっていく屍。「死はまったく怖くない。怖いのはこの怒りが風化してしまうことだ……」とかなんとかどこかで聞いたようなことを呟きながら、死ぬ度に太陽神殿→【灼熱洞窟】→双連迷宮と移動するのが地味に大変だった。双連迷宮に居る赤い猿みたいな敵が道中で体力を削ってくるのがウザすぎる。

10回くらいやられていると、ふとした瞬間に自分が振るった鞭が敵の顔面を捉えた。「……あれ?いま相手が時間を止めようとしたのをキャンセルさせた?」ついに見つけた一筋の光明。勝機を逃すな!ここまでにさんざんやられたおかげで、敵の動きはあるていど把握していた。プレイヤーが上段に居れば下段へ動くし、その反対にプレイヤーが下段に居れば上段に。直前にダメージを与えていれば時を止めてくる。動きの理屈が分かれば、勝つための戦術もおのずと見えてくる。そうして組み立てたのが、以下のような立ち回り。

中段の足場で待機して、下段からの羽攻撃を待つ。ギリギリまで中段で待機することで、敵を上段に誘導する。すかさず敵の眼前に移動し、敵が行動する前にジャンプ。ジャンプの上昇中に顔面に鞭を一発叩き込む。羽攻撃前にこちらの攻撃を入れたので、敵の次の行動は時を止める咆哮になる。が、返す刀でジャンプの下降中にもう一撃入れる。これで時止めをキャンセル。このあと敵が下段に移動するが、ここでぶつかってしまってダメージを受けてしまっては時止めをキャンセルした甲斐がない。すぐに最上段の足場へ飛び乗って敵本体との衝突も回避。これで敵がまた下段へ移動するので、以上を繰り返す。

これにてズーを討伐することに成功した。正直、ラスボス撃破より盛り上がった。ちゃんと勝てるように作られてるのもスゴいわ……

音楽

 このゲーム、音楽めちゃくちゃいいですね。がっつりキャッチーなメロディーが流れる。探索型のゲームってわりと環境音重視に寄るイメージがあるんだけど、LA-MULANA はメロディーで環境を表現するストロングスタイルって感じ。結構ベタなんだけど──いや、音楽語れるほど詳しくないけど、王道な作りでめちゃくちゃ主張しててなんならうるさいレベルなんだけど、それが押しつけがましくなくピッタリと合っている。

新しいエリアに来たとき、そのエリアの情報をもっとも最初に伝えてくるのが音楽だ。とくにそのイントロは印象的な仕上がりになっていて、耳に残る。

デンッデンッデンッデデンッ!デデデデデンッ!

【無限回廊】のイントロ

無限回廊のイントロ、マジで好き。今度からなにかの建物入るときに毎回これ口ずさみます。ヤバいヤツじゃん。【月光聖殿】の女性の声みたいなイントロ……ホラーゲームですか?太陽神殿ピラミッド上部から強制ワープさせられてこの音楽が流れたとき、怖すぎてパニックなった。【巨人墓場】のイントロは冷気が流れ込んでくる。巨人墓場はアウトロのデーデーデデーデ~~……デレッデーデデン!が気持ち良すぎる(伝われ)。【バハムート】戦のイントロとか、「出航!」感あって好き。【迷いの門】の曲、あらためて聞くとヤバすぎる。救いゼロじゃん。聞いてるだけで良いこと一個も無い気分になってくる。すべてのボスに専用曲があるってなにげにものスゴいことだと思うんだよな。これやってるアクションゲームがどれだけあるかってハナシよ。あとこれは効果音のハナシだけど、極太レーザーの効果音をクソデカボリュームで音割れさせてて、これもエグい。音割れって、アリか。アリなのか。

語り出すと止まらん。こんぐらいにしておくか……

ムーブルクさん

 LA-MULANA はキャラのセリフがとにかく面白い。語尾とか口調が安易でストレートで心地よい。とくにムーブルクさんとは何度も話すので必然的に親しみが生まれる。単純接触効果というヤツですね。我、単純。知識がなによりも大事な LA-MULANA 遺跡において、知識を貸してくれる存在なので頼もしい。なんか詰まったらすぐにこの人のところに行ってました。

ところが、この人、あんまり役に立たない!あはは。知識といっても、表層的な部分だったり、詳しいところは自力で頑張れよっていう態度なので、案外役に立たない。期待してたずねても寝てるだけだったりするし。【アヌビス】という攻撃が通用しない強敵に遭遇したときも、「たぶん解決策がポンと出てくるわけではないだろうけど、一応ムーブルクさんのところ行ってみるか~」というノリだった。

対策アイテムの【死者の書】、持ってる!www

ひょぉおおお。「あんまり役に立たないなこの人」と思わせておいてからの、ポンと解決策提供。この流れも計算して作られてそうで、本当にこのゲームはスゴい。長老もおんなじようなシーンがあるし。何回もおとずれるうちにたまにポロッと出る寝言がラストのヒントになってるところとか、計算してるんだろうけど攻めすぎててスゴい。

伏線回収遺跡

 このゲームは基本構造として、謎が方々に散りばめられており、そこから必要な情報を取捨選択して進行するようになっている。体感としてはそのエリアの攻略に必要な情報が7,8割くらいあり、それ以外の2割くらいがのちのち役立つようになっている。この残り2割が進むにつれてどんどん積み重なっていき、あるタイミングで一気に爆発する瞬間がある。この怒濤の伏線回収がはちゃめちゃに気持ちいい。【印】の入手とかが顕著だ。

「うおおおここの謎がついに明らかに!」
「ここも行ける!ここも行けるぞ!!」
「これって絶対あそこの情報使うだろ!!」

みたいな盛り上がりが定期的に起きる。小人証明のところとかめっちゃ気持ちよかった。

ボリュームが怖い

 さっき書いた伏線回収みたいな出来事は、一つのゲーム中に一回、二回ていど起きれば充分だ。ところが、この LA-MULANA 遺跡はあまりにも広すぎ&深すぎなので、何回も伏線回収の波が起きる。やべえ。裏フィールドの存在が明らかになったとき、あまりのボリュームに戦慄した。「どこまであるんだよこのゲーム…?!」進めてて怖くなったね。

探索系のゲームって後半はもう「この世界を味わい尽くしたぜ」って楽勝ムードが漂うものだが、LA-MULANA は「本当に終わるんか…?まだ解いてない謎いっぱいある気がするが……」と最後まで息切れを感じさせないほど巨大だった。

攻略情報に頼ってしまった悔しい

 その数、八回。多いな。こういうのって一回頼り出すと歯止め効かなくなるよな。

①【エデン】の行きかた。これは四種類ある石碑の内容が全部同じだと勘違いしてた。うっかりミス。
②迷いの門で手裏剣出るところでしゃがむヤツ。「手裏剣出るな~?」までは気付いてたので悔しい。
③迷いの門、ドクロにオモリを置くヤツ。分かるか!w どっかにヒントあったのかな。ここからとにかく下入力するクセついてきた。
④【女神の塔】、アヌンナキとリブのくだり。アヌンナキはともかく、リブのほうはたぶん無理だった。ツボの上で下入力は自分には気付くの無理そう。
⑤【産声の碑】で命をたたえたけど、土人形起きないが……?これは【生命の歯車】を手に入れたところで使ってなかった。そこにも嵌めるんか~!
⑥【次元回廊】の残り一体中ボスどこ……?これはのちのちヒントを見つけられたので、我慢が足りなかった。“左を向いて武器を振るえ~” のくだりは命をたたえる踊りの一部だと勘違いしてたなー。
⑦【死滅の碑】、ロボットを叩き起こして上に乗るヤツ。ここも我慢不足。そのうち叩きまくって気付けたかも。数回は叩いたんだけどなー。惜しい。
⑧マントラどこで唱えるの……?これも分からんかった。一個目だけ情報を得たあと、結局各エリアの全画面でマントラを唱えていく総当たりした。おそらく “赤く光る十字架は裏と表をつなぐ道しるべ。” 辺りが関係してるんじゃないかと思うんだけど、「総当たりしたほうがはええな!!」ってなった。脳筋考古学者~!四賢者もっと分かりやすく【くさび】をうちこむ手順を文書化しとけやそろいもそろって不老になってやることがそれか

攻略を見る過程で軽度のネタバレを踏んでしまったのが悔しいところ。もっと言うなら全部自力で気付きたかった。この辺りは我慢が足りないのが主な問題なんだけど、ゲームが求める気付きに応じられなかったな~。ここでピタッと波長が合ってれば最高だった。LA-MULANA と自分がジャストフィットしなかった。悔しい。惜しい。

悔しいので誰かが LA-MULANA で詰まったときに絶妙なヒントを与える人になりたい。LA-MULANA で詰まったときは僕を呼んでください。駆けつけます。

おわり

 以上、調査レポートでした。あー面白かった。

僕はゲーム体験として、「そういうことか!!」や「もしかしてこうすればいけるのでは!?」みたいな気付きやひらめきができたり、「倒せたああああ!」って思わずガッツポーズしてしまうような強敵との死闘、「なんだこれ?!?!wwすげえええええ」と度肝を抜かれるような演出を味わえたり、「うわああこんなのあるのかよ!」みたいな世界が広がる&認知がくつがえるような瞬間、そういったモノが大好きなんだけど、LA-MULANA にはこれが全部詰まってた。というか、詰まりすぎ。終始圧倒されっぱなしだった。はースゴかった。

ほな、僕はムーブルクさんの父親に会ってきますんで……それ終わったら続編の『LA-MULANA2』もやりますんで……

とかなんとか書いてましたが、むちゃくちゃ前置きがあってなかなか辿り着けなさそうなのが分かってモチベが消滅してしまったのでムーブルクさんの父親には待ちぼうけ食らわせることにしました。

追記


おわり


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