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『ピクミン4』プレイ感想

 発売から五ヶ月遅れぐらいで遊んだので感想を書きます。

シリーズ経験は一応、GC版の1と2。それからWiiU版の3を遊んでいます。GC版はだいぶ前に遊んだので記憶が薄れ気味。この記事では3の悪口めちゃくちゃ言ってるので、3が好きな人はごめんなさい。


遊びやすさ

 全体的に見て3と同じぐらいの遊びやすさかなと思った。1と2を神格化しすぎかもしれない。

運搬周り

 真っ先に愚痴りたいポイント。今作で一番肌に合わなかったところ。逆に言うと、ここ以外はかなり好み。ここも気に入ってたら大絶賛モードに入ってた。

◆人員追加がムズい
 運搬人員の追加が難しい。まず、投げの場合だと運搬に必要な人数を投げたタイミングで追加で投げられなくなる。システム的にロックがかかるような感覚。トツゲキも同様に、運搬コストぶんのピクミンしか参加しない。近くで待機させても、やはり運搬コストぶんしか参加しない。そこから人員を追加したい場合、イイ感じに先読みして投げて祈るか、再度トツゲキする必要がある。いずれにせよ既に運搬しているところに追加しようとするので、綺麗に加勢できない。セイレツ笛を手に入れて「これなら行けるか?」と思ったが、運搬コスト足りてるとやはり加勢しない。どうするのが正解なんだ……?笛で呼び止めた隙にトツゲキとか……?

◆ピクミン達の笛に対する反応
 仕事中のピクミン達の、笛に対する反応の仕組みがまっっったく合わなかった。今回の仕様では仕事中のピクミンに対して笛を使って呼びかけると次のような挙動になる。【最初の呼び出しには応じず足を止める】→【そのままBボタン長押しをしていると仕事を放棄して隊列に加わる】。もしくは、【足を止めさせる→もう一回Bボタン押して呼び出し】──つまり、Bボタンを素早く二回押し。これになかなか慣れなかった。呼び出したと思っても呼び出せていないことが多い。運搬中に反応しないのはまだイイとして、問題なのは持ち上げ中にも反応が鈍るところ。これがキツい。人員を振り分け直すのが非常にめんどくさくなる。キンカイやシザイを運んでる最中に即時反応しないのは最高なので──3では即時反応で運搬中のキンカイやブドウが即消滅してキツかった──、【キンカイ系を運搬中のみ反応しない&それ以外は即反応】がよかったな~という愚痴で終わる。

投げ

◆自動ロックオン
 自動ロックオンがめっちゃ吸い付く。これが良し悪しある。普段は快適なんだけど、ふとした拍子に「違う!そっちに投げたいわけじゃない!!」と振り回されるときがある。かなりのじゃじゃ馬。本当に強力なので、能動的ロックオンを使う機会がほとんどなかった。なんかオプションで調整とかできたらな~。普段はホントに快適なんだけどな~。便利すぎて投げが雑になりがち。トランポリン的キノコにピクミン投げたつもりが、ロックオンされてなくてそのまま奈落に落としたことある。

この自動ロックオンの仕組みは、正確に投げるテクニックとその上達余地を大幅に削った仕様と言える。これ自体もやはり良し悪しがある。投げが上手いプレイヤーは少し不満かもね。僕は下手なのでありがたいと感じる側だったけど。

◆ジャイロ操作
 ジャイロ操作、まったく使いこなせなかった。ロックオン中 or 投げ中にジャイロ操作可能になるが、ロックオンしてるならもうそのまま投げればだいたい済む。となると、投げ中が本命だが、一投目は少なくともスティック操作する必要がある。一匹目はスティックで照準してから、ジャイロで投げ分けていく……いやムズいて。とはいえ、これは使わなくても別に不自由しなかった。笛のジャイロ操作は安定して有効なので、そっちがメインか?

◆投げ対象切り替え
 L∥Rで切り替え。最高。ピクミン3だと一方向にしか切り替えられないうえに、ピクミン五種類+リーダー二人だと七項目もありえた。投げたい項目を飛ばしてしまった場合、六回ボタン押し直さないといけない。しかも切り替えた際のアイコンのアニメーション速度が妙に遅くてミスりやすかった。地獄かな?4ではこの可能性から完全に解放されてる。嬉しすぎ。

そのほか

◆ピクミンは基本三色のみ
 はい最高。五色連れ歩くの、頭パンクしてたから本当に助かる。単純に切り替えやすさにも影響するからね。遊びやすいっす

「四色欲しいけど、三色しか連れ歩けないから工夫しないと…っ」みたいなシーンが発生するのかなと思ったけど、ジレンマ感じなかったな。基本三色で苦労せず遊べた気がする。

◆おすすめピクミン
 おすすめを自動編成してくれる。ありがたすぎ。従来作品だと、どのピクミンを連れ歩くか?もダンドリの一部だったけど、今作はこれで少し削られてる。補助輪みたいな機能かな。慣れてくると「いや、ここは赤50のほうが効率イイ」みたいに判断できるようになってくるかも。あと、これが無いと初めて遊ぶ洞窟で「あ、ピクミン間違えた or 足りないじゃん!」ってなっていちいち出入りしてた可能性もある。あってよかった。

◆コマンド 
 Yボタン長押しでコマンド開いて選択。うん。ボタン足りてねえなこれは。アクションまでがあまりにも遠くて、コマンドで選べるアクションの半分もやってない。ヒマしてるピクミンを拠点や吹いた位置に呼ぶ笛とか、かなり強力そうなんだけど、一回も使わなかった。アホすぎて使いこなせねえ。で、でもちゃんと全部プラチナメダルは取ったし……!

◆ショートカット設定
 で、この深刻なボタン不足を、ショートカット設定でプレイヤーにぶん投げている。ここがちょっとしっくりこない。なんとなく気持ち悪いなという感じ。

◆時間巻き戻し
 強すぎるけどいいのか?でも使っちゃう。【王の穴】のクイーンチャッピー戦で使いまくった。あそこ、いろんな意味で窮屈でひどい。ラスボスの【触れたら死亡するゾーン生成→恐慌状態にさせる雄叫び】でいきなり全滅したときにも使った。あれも初見殺し過ぎてひどい。だいたい「いや、そこまで悪いことしたか?!」と文句言いたくなるときに使えてありがたい。理不尽な目に遭っても無かったことにできるので本当にありがたい。そもそもそんな理不尽要素を作らないでくれ

◆オッチンに乗った状態でトツゲキ笛吹こうとしがち
 初めのうち、ここにめちゃくちゃ引っかかった。

ストーリーモード

一周目における課題

 今作からダンドリというキーワードが強調されるようになった。ダンドリとは、物事を段階を踏んで進めていく手順のこと。

ピクミンのゲームプレイで考えると、どこにどのピクミンを何匹差し向けるか、その順序を計画し、実行する。これがダンドリと言えるか。この遊びに必要なのが情報だ。どこになにがあるのか。これを知らなければ、ダンドリは考えられない。しかし当然、プレイヤーは初めて遊ぶエリアのことを知っているわけがない。じゃあダンドリとか考えようがないじゃん。この課題の対策としてゲーム内に用意されているのが、【みまわしドローン】なわけだ。これでマップを全部見られる。……そこまでするならもう最初から【レーダーマップ】の内容全公開してくれてもよくない?ダンドリチャレンジはそうしてるじゃん。ここちょっとスッキリしないところ。

で、みまわしドローンがあれば【初見でダンドリ考えるの無理じゃね問題】を解決して終わりなのか。あるていど機能はする。した。が、見ているうちにめんどくさくなって「ま、とりあえず動いてみるか」になった。多少はダンドリを考えるが、基本的には場当たり的に行動していた。こうなる理由はさっきも書いたとおり、見てるうちにめんどくさくなるから。もう一つが、“圧力”の弱さ。ダンドリが悪くてもゲームに咎められない。適当に行動してもクリアできるからそうする。

さらに付け加えると、ダンドリよく進められているかどうか判断する際に問題がある。比較対象が存在しない。オンラインランキングも無い。こうなるともう、自分の過去の記録ぐらいしか比較できる対象が見つからない。しかし、一周目だと過去の記録と比較するのも不可能になる。だって無いし。

というわけで、初見ではあんまりダンドリダンドリって感じがない。もちろん、一切無いとは言わない。ただ、やはり真価を発揮するのは二回、三回とやり直していくときだろう。二周目以降ならばダンドリを考えるようになるハズだ。どこになにがあるかひととおり見て回り、「あーここ先にやってたほうがよかったじゃん!」みたいな失敗を経てボトルネックや失敗パターンも体で覚えている。じゃあ二周目からはダンドリだな!

しかし残念ながら、二周目は遊びにくいのが実状だろう。これには大きく分けて三つの課題があると考えられる。長さ、複雑さ、そして余計な枝葉。この三つだ。

①長さ
 まず長さについて。単純にボリュームがあって、一周が長い。この長さで二周目やる?長いと「もう一回やろう!」とはなりにくい。「他にも遊びたいゲームがあるから」と言ってもいいが、その主張はいったん封じるとして……

長いと周回が難しいのは、全体像が見通しにくいからだ。ダンドリチャレンジならば、そのチャレンジ内に配置された運搬物をすべて回収するだけで終わる。しかしストーリーモードの場合、一つのエリアで完結しない。ストーリー進行はすべて地続きなので、一日目にこのエリアで赤ピクミンを60匹まで増やし、二日目にこのピクミンをここに15匹割り振って……というようなプラン構築が必要になってくる。まぁ、これは本気でダンドリをもっと改善しようとした場合のハナシではある。ともかく、これが長さの問題。

②複雑さ
 ダンドリを考えるのに役立つのが、「これをやらないとその後の作業に取りかかることができない」という必須になる手順。あるいは「これを先にやったほうが効率が圧倒的によくなるぞ!」といったボトルネックだ。これらがダンドリを考えるための道しるべになる。拠点までのショートカット開通は分かりやすい。それ以外だと、各種ピクミンとの遭遇→繁殖がある。黄ピクミンが居ないと高いところや電気が流れているところを進めないとか、そういうのだ。もう一つある必須手順が、必要パーツの入手となる。エリアボスを倒して手に入るレーダー強化アイテムを回収することで、別のエリアに行けるようになるとか、そういうのだ。こうした道しるべを軸にすれば、あるていどダンドリを考えやすくなるわけだ。

ところが、今作ではピクミンの遭遇場所にあるていど幅が用意されている。洞窟で回収か?オニヨン回収から進めるか?選択肢は多そうだ。また、探索エリア拡大に関しても今作では少しひねってある。キラキラエネルギーが一定量に達すると新たに探索できるエリアが増えるという仕組みだ。キラキラエネルギーは主にオタカラを回収して増やすが、ここにダンドリを考える余地がある。新エリア解放に必要なエネルギー量が4,000、現在探索できるエリアにあるエネルギー総量が6,000とすると──これらの数字はテキトーに書いてます──、この6,000のうち、どういう順序で4,000取るかを考えることになるわけだ。新エリア解放条件が【特定パーツを回収する】だった2や、【ボスを倒すと落とすパーツを回収する】だった3と比べると、少し複雑になっていると言えるだろう。

他にもルートの幅が広がる要素がある。連れ歩けるピクミンの数が増えるガーリップはかなり重要そうで、今作ではこれが道しるべとしてのパワーが強いだろうか。しかしガーリップも余剰に用意されたうえで、各エリアに散りばめられているので、ここでも複雑さが増している。まだまだあるぞ。ソウビ、アイテム、オッチンのスキル、どういう順序で取っていくか考えなくてはならない。いずれも探索の報酬なので、遡ればその探索の順序も考える必要があるな。ソウビとアイテムの開発にはシザイを消費するが、このシザイの調達にもあらゆるルートが考えられる。しかもシザイはケンチクにも使う。うーん、あらためて見るとかなり幅があるように感じるな……これが複雑さの問題。

あんまり複雑複雑と喧伝するのも正確ではないので、ここでフォローもしておく。今作では拠点が複数箇所に点在するのがイイ。まず、拠点を足がかりにして考えるのが有効になっていそうだ。最初の一歩目は分かりやすくなっていると思う。

③余計な枝葉
 ストーリー進行のための会話シーンとか、二周目以降はあまり楽しめなくて邪魔にしかならなくないですか?チュートリアルとかも要らんでしょう。このように、二周目以降に価値が大きく減じてしまう要素が存在する。もちろん、これは一周目には欠かせない。どうしても必要だ。一応、今作は細かいムービーや会話は全部スキップできるようになっていて、しっかり配慮されている。とはいえ、そもそも存在しないのが理想ではある(ワガママ)

以上、三つだ。長い、複雑、枝葉。二周目を遊ぶためには、これら三つの課題がつきまとう。とはいえ、長くて複雑なのは【そのぶん、手応え十分で腕が鳴る】という見方もできる。また、対抗措置として時間を巻き戻す機能によって「こっちのほうが効率がイイかな?いや、ダメだった巻き戻そう」と、ダンドリよく進めるための実験がしやすい。とはいえ、やはり“圧”が弱いのでそこまで効率を求めないのが実状な気がする。

ここまでのハナシをまとめるとこうなる。

  • ダンドリには情報が必要だ

  • しかし初見では情報を把握するのは難しい

  • そのためのドローン

  • でもあんまり機能しない

  • なぜならダンドリが悪くても咎められないからだ

  • 比較対象も無いのでダンドリ自体の良し悪しが判断しにくい

  • 二周目ならダンドリよく進める遊びができるハズ!

  • 長いと全体像の把握が難しいぞ

  • しかも今作めっちゃ複雑だぞ

  • 二周目だと会話シーンとかチュートリアルが冗長じゃない?

というわけで、今作のストーリーモード全体がダンドリの遊びかと言われると、そこまでダンドリ!って感じでは無いかなぁと思った。これが言いたかった。

領土拡大

 で、じゃあ二周目に手を出しにくいピクミン4がおもんないのかというと、まったくそんなことはなかった。むしろめちゃくちゃ面白かった。これはダンドリではなく、領土拡大の遊びなんじゃないか?と思った。

開拓、制圧、略奪、繁殖、強化。これを目に付く範囲で片っ端からこなしていくのがシンプルに楽しい。ダンドリ以前に、シマを荒らすのが楽しい。移動して殺して奪って居座って運んで増えて蓄えて強くなってまた移動して、の繰り返しが楽しい。ダンドリの前に、まずこの前提となる部分の生理的快感が気持ちいいなって思った。

これはピクミンがもともと持っていた魅力なんだけど、4ではなんかやけに楽しかった。影響が大きそうなのをいくつか考えてみる。大別すると、四つかな?マップサイズがコンパクト、異なる遊びが織り交ぜられている、複雑なギミックが無い、オッチン最強、の四つ。

①マップサイズがコンパクト
 まず、マップサイズがコンパクトなのが好き。前作のピクミン3だと一つのエリア内でも複数のエリアがあって画面切り替えが発生していた。これが結構苦手で、今作はそういうのが無くてサクサク遊べた。3の蓮の葉に乗って移動するヤツとかめっちゃ嫌いだったな……

なんで今回はマップサイズがコンパクトだったのか。これは拠点になる場所が複数存在するのがデカかったんじゃないかと思う。これがあることによって、あるていど開けた場所がエリア内に散財することになる。で、そこから各拠点をつなぐ通路があり、それぞれの拠点から周辺にサブエリアが展開されていく。結果的につながりが分かりやすく、全体像を理解するのが速くなる。遊ぶうえでは、まず最初に拠点を足がかりにしつつ、進めばいい。最初の一歩目が分かりやすくなってる。運搬距離が過剰に長くなりにくい効果もあるな。やはり全体的にテンポがよくなっているんだろう。

②異なる遊びが織り交ぜられている
 月並みなハナシだけど、違う遊びが混ざってると飽きない。フィールドは領土拡大的遊び。それ以外に、ダンドリバトル、ダンドリチャレンジ、洞窟、夜の探索の四つがある。マリオのコース選択っぽい感覚で選んでいける。

③複雑なギミックが無い
 もう一つ嬉しいのが、複雑なギミックが無いところ。爆弾岩で壊す壁とか、二箇所しかない。分かりやすい。この点で言うと、むしろ一作目が一番複雑だったまであるな。黄ピクミンで高台からパーツを落とす→青ピクミンで陸地に引き上げる→赤ピクミンで炎が噴き出すエリアを運ぶ……みたいな複雑な手順が要求される仕掛けが無くなった。2のシーソーみたいなヤツとか。3のリーダー投げ駆使するヤツとか。

④オッチン最強伝説
 まず、バトルで無類の強さを発揮する。攻撃面はだいたいの敵をトッシンで粉砕する。防御面についても見てみよう。足の遅い葉ピクミンが逃げ遅れて喰われるのがピクミンやられパターンの典型だ。あと、ピクミンの数が多いと小回りが効きにくくて隙ができやすい。オッチンに乗ると両方全部無視できる。強い。そのうえで、探索では泳げたり掘ったりジャンプしたり運んだりやりたい放題。強い。序盤は大人しいが、気付けば最強の犬になっている。

⑤そのほかテンポよくなってそうなところ
 細かいところも挙げとこう。拠点移動は、拠点に居るユニットもそのまま移動してくる。これ、地味に面白い。実質、拠点間ワープである。移動時間が減る。タイミングはプレイヤーが自由に決められるので、工夫の余地があっていいよね。同じく洞窟に入るときの処理も変化した。

◆ピクミン2
①【隊列に居るピクミンが同行】
②【脱出後は拠点からスタート】

◆ピクミン4
①【基本的に自由に隊列を編成できる】
②【脱出後は洞窟前からスタート、あらためて隊列を編成】

こうなった。隊列に入っているピクミンが同行する仕組みではなくなったので、入るタイミングの自由度が増した。遊びやすくなったと思う。さっきも書いたとおりマリオのコース選択的な気軽さがある。洞窟に入ること自体もワープみたいなものなので、効率良さそうなタイミングを見計らうのが楽しい。

遊び

 個別の遊びについての感想を書いていく。

ダンドリバトル

 ピクミンの対戦ゲーム、初めて遊んだ。友達が付属してるゲームで助かる。おもにプレミア品∥相手の妨害∥アイテムの三つの要素によって、即興的なダンドリを問う感じかな。ストーリーやダンドリチャレンジとは味付けを変えてる。まぁ面白いっちゃ面白い。けど、なにぶんコンピューターと遊んでもなぁ……という気持ちもある。同じような立ち回りをしたつもりでも、差が小さくなったり大きくなったりする。これがゲームルールによる展開の変化というよりは、敵AIの気分に振り回されている影響のように感じた。ただ、これが全体の中の一つとして組み込まれている点がイイ。操作は同じでルールが少し変化した遊びが挟まると、飽きが来ない。

ダンドリチャレンジ

 ピクミンの旨み成分が最も詰まったモード。ぶっちゃけこれだけ搭載されてるピクミンが発売されても買う。最初に長々と講釈を垂れた、【ダンドリ遊びにおける課題】をすべて完璧にクリアしているのが、このダンドリチャレンジ。(まぁ、そもそも“課題”は僕が勝手に作ってるだけなんだけども)

まず、初見でダンドリとか無理じゃね問題。これはシンプルにコンパクトマップ&最初から情報全公開で解決。長さと複雑さの問題も同じくコンパクトゆえに顕在化しにくい。長くてもだいたい8分とかそんぐらいだからね。そして余計な枝葉。これも無い。だいたい既に学んだことが出題されるので、チュートリアルなんて存在しない。リトライが高速でできる。前置きも短い。あと、今作の場合、葉っぱ人がちょろっとヒントをつぶやくのもいいね。進行を止めない形で、さりげなくぼそっと。

というわけで、相変わらず最高なんだけど、一個だけ「それよくないぞ!!」って思ったところがある。茂みに隠れてるピクミンがマップに表示されない!!!マジでよくない。悪質な情報隠蔽。ふつーに最初に提示しといてよくないですか?途中で判明したとしても、それを前提に計画の練り直しが必要になるだけとしか思えない。うーん。なんか見落としてるのかな。なにか運搬物の下に隠れてるのはまだギリギリ許せるんだけどね。運ばないと人員追加できないぞ、さぁどうする?っていう順序を考える要素になってるから。

洞窟

 2だと自動生成してアドリブ力を問う遊びになっていたけど、今作は全部ハンドメイド……?階層が少なめで、多くても五階とかになってる。ラストダンジョンは二十階あるけど、一つ一つが短いので楽しかった。全体的に2よりもコンパクトになっててやっぱり好き。コンパクトコンパクトってそれしか言ってねえなさっきから。やっぱり一つ一つの遊びが短くまとまってるのがイイんだろうな。洞窟内でも時間が流れるようになったの、地味にいいね。少ない日数でクリアしようと思ったら、洞窟内でもちゃんとダンドリよく進める必要がある。

落下死あるのが相変わらずおもんない。ピクミンっていわば2アウト制で、振り払い→喰われるのプロセスを経る。振り払われる前に呼び戻せなければ1アウト、喰われる前に呼び戻せなければ2アウトで死亡。これが落下死があるとどうなるか。振り払いで死亡。急に1アウト制になる。これがなーんか楽しくないんだよなー。

夜の探索

 新しいルール、遊び。まず、ストーリー結構進めないと登場しないのがスゴい。新要素なのに。いつ来るんだ…?お、やっときたか。みたいな感じだった。ヒカリピクミンね。ヒカリペレットを集めると。ふんふん。なるほど。へぇーヒカリピクミンはワープしてくるんだ。フラッシュバースト、強いな。ほうほう。なんか、あんまり深みが無いな!

わりとなんも考えずに目の前にある作業をこなしていたら終わる印象がある。これはいくつか要因があるな。

  • ヒカリピクミンは暇になったら隊列にワープしてくる

  • ヒカリペレットは近くの塚に運搬する

  • 敵は凶暴化したら塚に向かって侵攻を開始する

  • 凶暴化する順序は固定

この四つが合わさると、とにかく塚から近い位置のペレットを回収する⇔侵攻してくる敵が塚に近づいてきたら倒す、をしてるだけでクリアできる。どのステージもやること変わらん気がした。困ってもヒカリのタネ使えばいいもんね。

じゃあダメかというと、そうでもない(定型句)。違う遊びが差し込まれるのはやっぱり効果的なんだよな。なんなら、夜の探索はわりと意図的に浅めの遊びにしてるんじゃないかなぁという気がする。まぁ、妄想だけど。

報酬サイクル

 一日の始めに強化→試したいから探索行くぞ!→探索の報酬でまた強化できるようになる。このサイクルが非常に強力。やめどきが見つからない。強化タイミングを限定するのってやっぱり効果的だな。「よし、ちゃんと強化しておくぞ」ってなって強化内容が強調される感じ。一日ごとにゲームプレイが区切られるピクミンと相性がイイ。

遭難者を救助するとオッチンのやる気が上がるが、さらに遭難者からサイドミッションが課されていくのがまた上手い。悪魔的報酬連鎖だ。さらに感心したのが、この、救出した遭難者によるサイドミッション爆撃を抑制する手法。何人かを葉っぱ人という形で一部抑制する。そこからチリョウしたあとに、あらためてサイドミッションを投下している。そして、チリョウでもオッチンのやる気が上がるので、この“抑制”に不満が生じにくい。ついでにふれると、葉っぱ人が居ないならヒカリのミツを集めても報酬はもらえないので、このとき夜の探索に行く動機が一時的に弱くなる。プレイヤーにもよると思うが、昼か夜、どちらかに偏って遊ぶことが発生しにくくなってるわけだ。あらゆる面で報酬を渡すペースの制御が完璧すぎる。

なにか達成のご褒美に能力強化→さらにいろいろできるようになる→達成のご褒美に……のサイクルはゲームをやめられなくする黄金パターンだが、これをピクミンでがっつりやるのがスゴい。ここまで充実した内容にできると思ってなかった。

ただ、副作用がちゃんとある。ダンドリバトルやダンドリチャレンジは、能力強化前よりも、能力強化がすべて終わった後に挑んだほうが間違いなく速い記録が出る。従来のピクミンでは、能力差など存在しなかったので少し戸惑うところだ。一応、救済措置と取れなくもない。てかそっちを重視してそう。最初に挑んだときにプラチナメダルを取れなくても、強化が終わった後に「今の能力ならイけるかも……!」と再挑戦をうながす要因になりそうだ。

オリマー遭難記

「オリマーさんが遭難したときのハナシ?」
「なんかムービーでも見せてくれるのかな^^」
─残り日数 15日─
( ゚Д゚)

なんか『ピクミン』(一作目)が始まったんですけど?!!?!

ストーリーモードは長くて複雑で余計な枝葉がついているから周回に向いていないと、この記事でギャーギャーわめいているわけだが、クリア後にひっくり返った。「ピクミンってやっぱり一作目が一番スッキリしてて面白いよなぁ……」と少なからず思っていたんだけど、一作目のリメイクみたいな遊びが出てくるのにはビビった。まさか一作目がそのまんま内蔵されてるとは思わないじゃん。やりすぎです。最高のゲームだ。

新要素

 新要素について思ったことを書いていく。

オッチン

 最初はお助けキャラみたいな感じだと思ってた。途中で「あれ…?別行動できる…?二人目のリーダーじゃん!」ってなった。この辺り、段階を踏んでチュートリアルが展開されるのはさすがだった。

今までピクミンにオールマイティユニットは存在しなかった。コッパチャッピー?あ、あいつは洞窟限定だから。オッチンというジョーカーがついに登場したわけだ。状況によって戦わせたり、運ばせたり、掘らせたり、指揮させたり、なんでもできる。赤ピクミンを火のあるところに向かわせるのは、特性から当然の選択になるわけだが、これがなんでもできるユニットとなるとどうなるか。なんでもできるけど、その中であえて戦わせる、運ばせる。状況に応じて、役割を定めて指示する。これが上手くいくと、自分が的確な判断をしたと感じる。自分に酔えて楽しい。

さらにリーダーにもなれる。従来作品と違って、非対称性がこれでもかと強調されているリーダーで面白い。

  • ジャンプで段差が越えられる

  • 柵がある通路は通れない

  • 専用通路がある

  • ピクミンを背負って水場を渡れる

  • トツゲキ笛が使えない

  • トッシン必須の敵∥オブジェクトの存在

こうやってリーダーの能力に違いがあると、考える起点にできる。水場に青ピクミンを派遣するのと同じような感覚で、どっちのリーダーを向かわせるか?を判断する取っ掛かりになる。あと、やっぱりリーダーは二人がちょうどいいな。三人は難しすぎた……

オッチンを始め、今作は犬が主役なわけだが、そうなると3から新登場した犬っぽいビリーがなんか見方変わる感じしておもろい。

氷ピクミン

 原生生物を凍らせて粉砕!強いッ!トッシンからの氷ピクミンは最強のハメ技。逃れるすべは無い……あとふつーに泳いでて笑う。でも水自体には弱くて、葉っぱに水が当たるとパニックになる。これを分かりやすく伝えるために、散水機を使うのは上手いなぁと感心した。しかもその散水機を、バルブをケンチクして止めるという形でネタの連鎖。あー天才。

スプリンクラーに脱線したのでハナシを氷ピクミンに戻そう。水場を凍らせる能力。水が陸地になってショートカット。これだけでもう面白い。さらに、凍ったら水底のモノは運べない。となると、凍らせてショートカットにするか水底に沈んだモノを引き上げるか、二つの選択肢が生まれる。そして、これをどのタイミングで実行していくか、順序を考える要素になっている。これには膝を打ったね。最初は陸地にできるだけでしょ?と、単なるフィールドギミックで、ようは「氷ピクミンがn匹居ればこの水場を通行できますよ」ってだけの錠前だと思っていた。思わぬところに奥深さを垣間見た。今作の新要素で一番「なるほどねえ~~~~!!!」と感心した。

ベルトコンベア&ゲート

 むしろなんで今までなかったんだと思うぐらいしっくりくる。ベルトコンベアは上手くやると逆に加速できて気持ちいいね。ゲートはあんまりコントロールできなくて思ってたのとちょっと違ったかも。素早く切り替えて最短ルートで運搬しようと思っても、レスポンスが遅いので意外とピクミンが遠回りでさっさと運んじゃう。

寒い部屋

 今回の新要素で一番微妙なヤツ。これいまいちピンときてない。ピクミンが寒がるってなに?みたいな。状態が曖昧で分かりづらい。つまりどうすれば?みたいな。よく分からないままなんとなく遊んでた。

焼きぼっくり

 今回の新要素で二番目に微妙なヤツ。基本的に焚き火台を渡っていくわけだが、わりと時間がシビアだなぁと感じた。厳しいんだよね。ちょっとでも遅れると焼失しちゃう。で、焚き火台に焼きぼっくりを持ったピクミンを投げる必要がある。このとき立ちはだかるのが自動ロックオンである。いや、マジで悪さしすぎ。「焚き火台に投げたいの!!!オレは!!!!」ってめちゃくちゃなった。焚き火台の近くにだいたい敵がうろついてるのもタチ悪い。そしてトドメとばかりに存在するのが、ピクミンが投げられた位置に焼きぼっくりを置いてしまう仕様。すべてが微妙に困る。

「焚き火台に投げるぞ」
「自動ロックオンが別の対象に吸われて変なとこに投げちゃった!」
「ピクミン回収して投げ直さないと」
「って焼きぼっくり置いちゃってるじゃねえか!」
「あ、時間切れて焼失しちゃった……」

これが冗談のように頻発して頭抱えた。

  • 時間がわりとシビア

  • 焚き火台に投げる必要がある

  • 投げられた位置にピクミンが焼きぼっくりを置く

この三つどれか一つでも違ったらここまで手こずらなかったと思う。悪夢の仕様共鳴すな。

底なし沼

 これもあんまりピンときてない。これは氷ピクミンで凍らせるか?羽ピクミンで渡るか?の選択があるのかなぁと解釈した。でもあんまり「うおおおジレンマッ」「これぞダンドリッ」って感じのシチュエーション無かったな。ダンドリチャレンジに出演しなかったってことはやっぱりそういうことなのかな。あんま広がらんかったんかな。

それ以外のところ

 なんかあんまり入らなかったその他諸々の感想をここに放り込む。

ボス

 ボスに関してはもともと3が合わなかった。ダメージ量に依存して振り払ってくる──ピクミン100匹居ても瞬殺できない。これがスゴく苦手。そもそもボスを倒すために100匹投与していたらそのぶん他の作業ができなくなるので、瞬殺できてもゲームバランスは保たれると思っている。そのため、瞬殺できないことに不満があった。蜂のボスで顕著だが、明らかにシステム側でダメージ量が制限されるのが分かる。楽しくなかった。この記事、終始3の悪口言ってるな。3が好きな人、本当にごめんなさい。引っこ抜きモーションキャンセルは違和感強かったから無くなって嬉しい、とか3の文句はもっと言えてしまう

で、4のボスは全体的にわりと瞬殺できそうだったので悪くなかった。たぶん、アイテムを使うといろいろ悪さできそうな気がする。ボス関連は悪くない印象。まぁ、そもそもピクミンにボス必要か?みたいなのは感じてるんだけど……ゲーム的に課題を作ろうと思うとボスがどうしても必要になるのかなやっぱり。ラスボスとかなんかもうふつーにアクションゲームみたいだった。これはオッチンがアクションゲーム向きの能力を持っているからかも。

一番おもんなかったボスはオオハナタタキで、トッシンを二回当てると弱点を露出する仕組み。ところが、一回目と二回目のあいだ、特になにもすることはなく、本当にただそのまま二回やるだけ。なんだったんだアレ……どういう意図なのかまったく分からなかった。今作最大の謎。しかも一定ダメージ入ると強制的に起き上がるっぽいのもしんどい。あいつも爆弾とか上手く活用すれば素早く倒せるんかな。

逆に一番好きな新ボスはダマグモインフェルノ。いや楽しすぎ。瞬殺しちゃったけど。こういうサウンド演出はやっぱええな。こいつ相手なら瞬殺できなくても楽しかっただろうな。

細かいところ

 細々したところ。

◆トンネルとかで移動するときに画面遷移演出が入るの気に入らない
 アイリスアウト,インするけど、これが入ると集中が削れる感じがして好きじゃない。わりと近くに移動するときでも発生するのが違和感ある。なにかしら必要があってやってるのかなこれ。

◆図鑑
 見た目→生態→味,調理法の三段オチ。本編と関係無いところのテキストがここまで充実してるのスゴいわ。イメトレとかむちゃくちゃ充実してて、図鑑と言いつつトレーニングモードだった。

◆サイドミッション
 ピクミンを増やすヤツと花を咲かせるヤツ、終わりが無くてちょっと戸惑った。こういうの、全部終わらせたい。 

ケンチクサボってたらサイドミッションで全完了求められて気絶した。これ、全プレイヤーが引っかかるワナだろ。僕は【ヘドロが池】1階がラストでした。

◆キャラクター
 コリーさん好き。丁寧でフレンドリーなオペーレーターさん好き。学費を稼ぐためにいろいろバイトをやってたらいろいろできるようになってたってハナシ聞いて好き。レスキュー隊はみんな個性があっていいね。ルーイは本格的に不愉快なキャラになってる気がする。もはやただの悪人。トラベルメーカーで済ましちゃダメだろ……

終わり

 とりあえずこんなもんで。なんか思い出したら追加で書き足すかも。

総評、シリーズ最高傑作と言ってよさそう。3で個人的に苦手だったところがほとんど全部消えて、新要素追加して遊びやすくなった2って感じ。しかも1のリメイクもついてくる。ヤバすぎ。


おわり


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